Twitter創作企画「薄明のカンテ」のまとめ。世界観の説明に始まり、小説・イラスト・漫画・音楽その他、創作企画で生まれた作品を掲載する場所。

タグ検索でギャリー37件見つかりました。

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はじめになまえありき/べにざくろ

れない。大丈夫。今は誰もいない。 「……ギャリーさん。どうしたんですかぁ?」 「俺は普通に休憩。セリカちゃんこそ、こんな場所でどうしたの?」  セリカの肩を叩いたのはギャリー・ファンだった。  たまたまセリカがいたのは経理部に一番近い休憩所だったのだ。 「着信がありまして……歩き端末は見苦しいじゃないですかぁ。それで此処で見ていた次第ですぅ」 「そんな大事な着信だったの?」 「いえ。リアムさんから来た他愛無いメールでしたぁ」  日頃、リアムからの着信といえばリリアナを諸用の間だけ預かって欲しいという旨ばか…

https://hakumeinokante.memo.wiki/d/%a4%cf%a4%b8%a4... - 2021年11月09日更新

ルクールタンドル/べにざくろ

を開けることも出来ないのか!? 」 「 ギャリー・ファンは? 」  ギルバートの言葉を完全に無視してルーウィンは問い掛ける。その事に対しても文句の一つや二つ言いたいギルバートであったが文句を飲み込んで、今は真面目に仕事に励んでいるギャリーへと目を向けた。 「 そこだ 」 「 あざまーす 」 「 あ…… 」  まともに「 ありがとうございます 」も言えないルーウィンに絶句するギルバートのことを無視してルーウィンはさっさとギャリーの元へと近付いて行く。ギャリーは一連の騒ぎに気付いており、振り返ってルーウィンを…

https://hakumeinokante.memo.wiki/d/%a5%eb%a5%af%a1... - 2021年07月03日更新

その恋は『めでたし』で終わるにあらず/燐花

れに準じた言葉をもう何度聞いた事か。  ギャリーは仕事終わりに待ち合わせ場所で恋人の到着を待ちながらSNSに投稿されたその言葉を見て溜め息を吐いた。冬の空に白い息が溶けて散らばる。それ程までに今日は寒い。 『もう彼と待ち合わせの時間なのに、急に死にたくなってる』 『会いに行かなくちゃいけないのに』 『どうしよう。外に出たら歩ける気がするのに、その外に出るのが難しい』  今日も彼女は遅くなるだろうと察したギャリーはSNSを見た事は言わずにメッセージで一言断りを入れる。「ちょっと飲み物買いに行って来るから、こ…

https://hakumeinokante.memo.wiki/d/%a4%bd%a4%ce%ce... - 2021年10月22日更新

星に願いを/燐花

ぬか喜びさせやがって」  それは経理部のギャリー・ファンだった。テオフィルスはそんなに親しく話した事は無かったが、経理部と言えばこのマルフィ結社で総務部に次いで顔が広いのではないかと思われる。  何より、あのギルバート・ホレス・ベネットが所属しているのだ。ギルバートと言えば、貴族、貧乏、を自称する割に着ている服のグレードは高くいつも上質な物を着ている。ツッコミどころ満載の絵に描いたお貴族様だ。  サボり魔のギャリーばかりトラブルメーカーかと思われがちだが、それはあくまで経理部内の話であり他班からすればどち…

https://hakumeinokante.memo.wiki/d/%c0%b1%a4%cb%b4... - 2021年09月20日更新

嵐の余波/燐花

*うっかり漏らした人 「はぁ…」  ギャリーは本日何度目かの溜め息を吐く。いかんいかん、先日から頭の中はあのたゆんたゆんのカヌル山一色だ。これは宜しくない。実にけしからんカヌル山が頭の中に居座り仕事にも集中出来ないなんて。 「(だってさぁ…すっごい大っきかったんだもん!柔らかそうだったし…!!)」  あの日、正直ウルリッカのあの手付きに目を奪われていたのは確かだった。一体いつ修得したのだろう?と思うくらいには彼女の腕前は熟練のそれであり、彼女が曰くふにふにふにふにしたらもにもにもにもにするそれを呆気に…

https://hakumeinokante.memo.wiki/d/%cd%f2%a4%ce%cd... - 2021年06月10日更新

時には優雅な休日を/べにざくろ

ヴィ? 」  経理部に向かう廊下で同僚のギャリー・ファンに会うと、彼は焦茶色の目を&ruby(しばたた){瞬}いてアルヴィを見た。そんな彼にアルヴィは問いかける。 「 ファンさん……休憩ですか? 」 「 まぁ、そんなとこ 」 「 ベネットさんに怒られる前に戻って下さいね 」  経理部同僚のギャリーとギルバート・ホレス・ベネットはアルヴィに『 ジャスパーとジンクス 』という猫と鼠のドタバタ劇短編アニメを彷彿とさせる関係だ。なお、ちょっとドジな猫のジャスパーがギルバートで悪戯好きの鼠のジンクスがギャリーである…

https://hakumeinokante.memo.wiki/d/%bb%fe%a4%cb%a4... - 2021年09月11日更新

愛の日に恋の自覚を君に/燐花

てしまった。断られるとは思っていなかったギャリーにとって、それは予想外に大変ショッキングな出来事であった。  そんな想いも抱えてここまで来た。しかし、ギャリーは足がすくんだ様に店の看板を見上げたまま立ち尽くしてしまった。色々と考えたら今日は愛の日。男一人こんなところに居るのもなんと言うか、文字通り負けた様な気がしてしまう。しかしそれでも意を決してここに来た訳だし、せっかく通常よりもお財布に優しい仕様で行けるとあればここで引き返すわけにもいかない。 「…何躊躇ってんだ、俺…」  小綺麗だが&ruby(・・・…

https://hakumeinokante.memo.wiki/d/%b0%a6%a4%ce%c6... - 2021年08月28日更新

パルファンドゥー/燐花

な。  ギルバートからそう連絡が入り、ギャリーは既読だけ付けると返事もせず布団に潜り込んだ。迂闊だった。確かに油断した生活は送っていたがまさか風邪を引くとは。  とりあえず鼻、喉が辛い。ティッシュを一、二枚取るとずびずびと音を立て鼻をかむ。丸めてゴミ箱に捨てるが、もう既に鼻をかんだティッシュで山になるゴミ箱には入らず横に落ちた。箱ティッシュももう終わりそうだ。在庫はあったかな?  熱っぽい気もする。だが体温計を持っていない為熱が分からない。何だかこの状況、とんでもなく心細い。  カンテ国に来る前、兎頭国…

https://hakumeinokante.memo.wiki/d/%a5%d1%a5%eb%a5... - 2021年06月13日更新

それは世界を救うと思うんだ/燐花

た事のない様な訳の分からない言葉を発したギャリーの手から煙管がするりと落ちる。  カツーンと静かに音を鳴らしたそれは、時が止まったかの様に笑顔のまま固まっているロードの顔も反射していた。 *情報過多なスペース 「うふふふふふ…いや、これは何て良い眺めでしょうねぇ…うふふふふふふ」  同じく休憩所でコーヒーを飲んでいたロードは穴が空くのではないかと言うくらいウルリッカの悪戯に見入っていた。少なくともガッツリ視界に捉えた彼に「目を逸らす」と言う選択肢は無い。始まった瞬間時の止まった様に笑顔のまま動かなくなっ…

https://hakumeinokante.memo.wiki/d/%a4%bd%a4%ec%a4... - 2021年05月20日更新

Ancola ancola/べにざくろ

い。そうだ。そうに決まっている。  顔がギャリーに似てるな、と思って改めて考えてみると道案内をしてくれた不思議な兎頭国人の彼とギャリーの身長も体格も同じような気がしてきていた。いや記憶よ、混在するな。彼とギャリーは別人だ。  結社でも見知った兎頭国人――ギャリーに今だけは会いたくなかった。  しかし、そう思ったタイミングの悪い時に限って出会ってしまうのが人間の運命というものなのである。 「 セリカちゃん? 」  背後から聞こえたのはセリカの名前を呼ぶギャリーの声だった。  何だか声まで夢の中の彼のそれと同…

https://hakumeinokante.memo.wiki/d/Ancola%20ancola... - 2021年05月19日更新

アンコーラ/燐花

いつ頃こんな淀んだものに変わるのだろう。ギャリーは目の前にいる彼女に言いたい事がいくつもあった。あまりにもここ最近で変わった事があり過ぎて。  しかし、全てがどうでも良くなった今、ギャリーに事を荒立てる元気は無かった。 「…ああ、良いよもう。何か言われそうだなって思ってた…」 「じゃあ私、出てくから」  新しい男のところ行くんだろ?知ってる。  二人で折半すると言う話で家を借りたのに仕事を辞め、気付けば自分だけの稼ぎで生活を支える様になった時、急に「犬を飼いたい」と言い出した彼女にギャリーの堪忍袋の尾は切…

https://hakumeinokante.memo.wiki/d/%a5%a2%a5%f3%a5... - 2021年05月12日更新

母親のブルース/燐花

か…?」 「ぷくく…あ、そう言えばさっきギャリーが休みに来たよ」  同時に、我慢出来なくなったのか響き渡る男の笑い声。テオフィルスは青い顔をするとベッドの方へ向かい音を立ててカーテンを強引に開けた。 「きゃー、テオ先輩のえっちー」 「おまっ…最初から全部聞いてたな!?」 「ぷくく…!俺聞いてねぇし安心しろやれ」 「安心出来るか!どう考えても聞いてたろお前!!」 「ぶふっ…いや?母ちゃんがセーラー服着て来そうだとか全身タイツで来そうだとかンな話聞いてねぇよ?」 「全部聞いてんじゃねぇか!!」 「それよりテオ…

https://hakumeinokante.memo.wiki/d/%ca%ec%bf%c6%a4... - 2021年05月06日更新

私の中のハルモニアは死んだ/燐花

思い出して呆けた。  まさか彼女の口からギャリー・ファンの事を聞かれると思わなかったのだ。彼女に返した言葉通り、別に一緒に居たくていつも居るわけでは無いので彼の動向は本当に知らない。それでも周りからは「よく一緒に居る」そんな間柄に見えるのだろうか。  一足先に中庭に向かうと、今がちょうど見頃だろうか大輪の花を咲かせた桜が出迎えてくれる。これは確かに、本当に綺麗だ。  どちらかと言うと雪の様に花弁を散らすそれは年月を重ねた大樹であり、とても堂々としていてウルリッカの言った通りまさに女王の名に相応しい。それで…

https://hakumeinokante.memo.wiki/d/%bb%e4%a4%ce%c3... - 2021年05月02日更新

そんな生活を夢見てさ/燐花

 休憩時間があと少しで終わると言う頃。ギャリーは不意に携帯型端末を取り出し通話ボタンを押した。久しぶりに電話を鳴らしたのは、兎頭国にいる彼の祖母だった。  うるさい年寄りだ、と寄ると触ると口喧嘩ばかりだったが、ギャリーが兎頭国から離れた今連絡はめっきり減り、気まぐれとは言え掛けた今日、彼は久々に聞く祖母の声に安心した。  良かった。離れてしばらく経つがボケちゃいない様だ。 「祖母ちゃん?元気かい?」 『全く、やっと連絡してきたの?えらいおはるかじゃん。もっと早く連絡しても良いじゃない?』 「ごめんごめん…

https://hakumeinokante.memo.wiki/d/%a4%bd%a4%f3%a4... - 2021年04月27日更新

ユキヤナギのような貴方/べにざくろ

顔をドア方向へ向ければ、そこには経理部のギャリー・ファンの姿があった。 「 ギャリーさん、こんにちは! 」  ミカンと注射器を脇に置いてミアはニッコリと彼に笑いかける。ギャリーはミアにとっては「 とても面白いお兄さん 」だ。大陸にある兎頭国の出身らしく、珍しい物を見せてくれたり話してくれたり食べさせてくれたりする存在であった。時々、あまりにも仕事時間中に良く会うので、この人はいつ仕事をしているのだろうかと疑問に思うのは本人には内緒だ。  ミアに近付いてきたギャリーは小さな紙袋をミアに差し出す。 「 おこひ…

https://hakumeinokante.memo.wiki/d/%a5%e6%a5%ad%a5... - 2021年04月26日更新

気まま気ままに花を愛でる/燐花

合う様なそんな瞳でギルバートは見下す様にギャリーを見る。流石にこの視線から逃れられず、ギャリーはギルバートの顔をチラチラ見ながら書類にペンを走らせた。  サボりたい。サボって女の子と遊びたい。度重なるサボりと逃げにとうとう何かがキレたギルバートがこんなに恐ろしいだなんて。まさかのアルヴィまで加担するとは…敵に回すと意外と恐ろしい二人だ。 「ね、ねぇギルバート。俺トイレ行きたいなー…なんて…」 「トイレはさっき行っただろう…?言った筈だ、今日は休憩はおろか排泄の許可も含めて僕が管理する…君はここで今まで怠け…

https://hakumeinokante.memo.wiki/d/%b5%a4%a4%de%a4... - 2021年04月23日更新

風に身を任せ気まま気ままに/燐花

曰く「別の書類整理」を申し付けられた筈のギャリーは部屋から忽然と姿を消していた。 「あ、あの男っ!!またサボったなぁぁぁぁあ!?」  むしろ何故ギルバートはここまで気付かないのだろう?とアルヴィは思った。  主力として頭数に入れられる程の能力はあるのに、ギャリー本人にはサボり癖があった。むしろサボる事に情熱を注いでると言っても過言では無い最近の彼。いつだってギルバートに仕事を押し付け煙の様に消えてしまう。  ギャリーは経理部がそんな悲鳴を上げているなどつゆ知らず、一人てくてくと中庭を歩いていた。 「…花が…

https://hakumeinokante.memo.wiki/d/%c9%f7%a4%cb%bf... - 2021年04月21日更新

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