Twitter創作企画「薄明のカンテ」のまとめ。世界観の説明に始まり、小説・イラスト・漫画・音楽その他、創作企画で生まれた作品を掲載する場所。

タグ検索でルミエル7件見つかりました。

カタストロフの夜を超え/燐花

れが、相手が彼と同じくらいの年代であろうルミエルなら?ルミエルなら、「年が離れているから」とか「子供だから」とかそう言う理由もなく、納得いかない時は同年代の人間として彼にそう言えるのだろうか。  私はいつになったら本当の意味で彼の隣を歩けるのだろうか。 「あの、ネビロスさん!」 「はい?」 「今日は、今日は……今日は絶対絶対、泊まってってください!!」 「はい…?」 「私、今日はネビロスさんと一緒に居たいです!」  頓珍漢と思われても良い。とりあえず自分の主張を大きく相手に伝える事から始めようとミアは思っ…

https://hakumeinokante.memo.wiki/d/%a5%ab%a5%bf%a5... - 2022年10月03日更新

幸せの重さを背負う/燐花

ら血を滴らせ、そこに佇んでいる。 「……ルミエル」  ミアと愛し合う様になり、ミアと過ごす事が多くなり、必然的に&ruby(・・){彼女}の事を考える時間が減った。それはネビロスの心の負担を軽減させているのは明らかで、最初は無理にルミエルの事を考えて悲しみに浸らなくても良いのだと少し気持ちが軽くなったのは確かなのだが、その気持ちはその後違う物に変わってしまう。  最近はむしろ思い出さない事でルミエルに責められている様な気がしてしまっているのだ。ミアへの愛に逃げ、自分から目を背けるネビロスをルミエルは怨んで…

https://hakumeinokante.memo.wiki/d/%b9%ac%a4%bb%a4... - 2021年09月26日更新

糸の上の幸せ/燐花

#contents *抱えた闇 ルミエルが退院してしばらくしてネビロスは成人を迎えた。互いに身寄りの無い身であった二人が生活を共にする道を選ぶのは当然と言えば当然だったのだが、結婚後から少しずつ不穏な影がちらつき始める。ネビロスに反してルミエルは焦っていたのだ。 「ん…もう朝か…」 何だか寝た気がしない。それがここ数日のネビロスの悩みだ。ネビロスの思い描いていたビジョンは、祖父母の残してくれた畑での農作業とは別に仕事をし、それが安定したら子供を考えようと言う事。ルミエルとはもう少し二人でいたかった。そし…

https://hakumeinokante.memo.wiki/d/%bb%e5%a4%ce%be... - 2021年01月04日更新

花は咲く、花は散る/べにざくろ

た女子高生に苦笑するしかない。 「 ……ルミエル、体調は? 」 「 大丈夫。何ともないわ、あなた 」  遠出の買い物に来ていた家族はそんな言葉を交わすと、今度は3人でゆっくりと坂を登っていった。 **薔薇の名前のあの人へ贈る花束の話  お客さんが途切れていた夕暮れ時、両親は配達に出かけていた。店内にはミアとララの1人と一体だけだ。 「 お姉ちゃん 」 「 何ですか 」 「 暇だね 」 「 もう少したてば忙しくなりますよ 」  沈黙。店内の花の香りが、ミアの鼻腔をくすぐる。  大昔は花は本当に咲く時期に…

https://hakumeinokante.memo.wiki/d/%b2%d6%a4%cf%ba... - 2020年10月22日更新

狼煙――ネビロスの場合(前編)

若いのに懐古主義だと善く言われた。 俺も妻も、機械技術は好きだがノスタルジックな暮らしも嫌いじゃない。 機械人形が普及し彼等にお守りを任せる家庭が増えたからと 託児所を廃業したが、子供達の笑顔は消えたわけではない。 今でも私の作るお菓子欲しさに機械人形を連れて遊びに来る 子らもいるのだから、 むしろ子供好きな俺達夫婦には幸せな光景が広がっていた。 「お父さん!ケーキは?」 「え?貴方いつのまに作ってたの?」 「目ざといな庭で育ててたベリーが美味しそうに育ったから内緒で作ってたのに.」 「早く早く!は一やー…

https://hakumeinokante.memo.wiki/d/%cf%b5%b1%ec%a1... - 2020年09月19日更新

あまりにも遠い昔の話。(後編)/燐花

「最近ネビロス来ないなー」 ルミエルはつまらなそうに咳いた。ネビロスが過去に頬に触れた事は、びっくりしただけで特に嫌だったわけじゃない。 その後、何か閃いた様に学問に打ち込むネビロスは生き生きしていたが、会う頻度が少なくなるのは少し寂しかった。両親を亡くして祖父母と暮らすネビロス。 彼には自分には分からない苦悩があるのかもしれない。 だからこそ、突飛な彼の行動原理はルミエルには予測出来なかった。それから、声変わりして少し変化していくのも何だか置いていかれてしまう気がした。 どうしたらまたネビロスは来てくれ…

https://hakumeinokante.memo.wiki/d/%a4%a2%a4%de%a4... - 2020年09月23日更新

あまりにも遠い昔の話。(前編)/燐花

…ここ友達もいないしつまらなかったの。私ルミエル。あなたは?」 「僕はネビロス…ネビロス・ファウスト」 孤児の少女ルミエル。 儚さの中に仄かに灯る強さを秘めた少女にネビロスは出会った。 ルミエルの話はネビロスの見聞を広めた。ルミエルには名字がない。産まれてすぐ、母親が誰とも分からず施設の前に寝かされていたらしい。最初こそ他の子供と大差なく育ったルミエルだが、後に胸を患っている事が発覚する。 それ以来ずっと入院しているのだと。 ネビロスは生い立ちを聞き、「普通とは何か」を自問自答する様になった。自分が当た…

https://hakumeinokante.memo.wiki/d/%a4%a2%a4%de%a4... - 2020年09月23日更新

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