私達は似た者同士／燐花
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rinka_creation 2021年12月14日(火) 00:56:16履歴
朝。充電用のボードの上でジークフリートは起動した。チュンチュンと危なげなく鳥が舞う様な空の下で起動すると「こんな朝もあるのだ」とかつての朝の記憶 を呼び起こす。テロが起きカンテ国民の生活は一変したが、元の持ち主であるピョートルと行動を共にしていた時はもっと物騒な朝も珍しく無かった。
今は所謂野良機械人形とでも良いのか。主人の居ない、結社に管理された立場。しかし、不思議と平和で嫌いじゃ無かった。
「よ！おはよう、ジーク」
「おはよーさん」
「今日も良い朝だな」
主人 であったピョートルの元同僚、スレイマンと結社で再会出来たのはジークフリートにとって幸運だった。周りに知っている人が誰も居ない孤独の様なもの。機械人形である彼にそれがあるかと言うと断言は難しいので人間と同じ様な精神的負担こそ無いものの、やはり勝手を知ってくれている人間が居る方が動きやすくはある。
「最近、ネビロスがよく無茶する気がしてるんだけど、ジークどう思う？」
「ああ…あのケンズの兄さんか」
「うん。生き残りだし、あの惨劇を見てるんだろうし…気持ち的に焦るのもわかるんだけどな…無茶はするのに精神科にも罹ってくれないし…誰が言ってもあんまり動く気配がなくて…」
「全く…心配事だらけだな…ミアさんはどうた？」
「エルの見立てじゃあ、まだ健忘はそのままだ。でもそれが本人の気持ちに落ち着きをもたらしてるからそのままで良いと思うし、今はまだ様子見だと思うよ。ところで今日はおれ前線なんだけど、確かジークもだったよな？」
「ああ、馴染みの顔が一緒なら心強い。援護はおじさんに任せてくれ」
「ははっ、機械人形でも心強いって思う時あるんだな」
「何、こう言う時はそう言うもんだ」
医療機械人形としての性か、会って早々にスレイマンとする話はそんな仕事由来の会話だった。
マルフィ結社内では、同僚であるメンバーが同時に患者と言う可能性も十分にある。
「ジークおじさま！い、今前線駆除班のエドゥアルトさんから…交戦時近くに居た調達班のメンバーが巻き込まれたって連絡が来ました！」
昼過ぎ。電話番をしていたミアが青い顔で取り次いだのは調達班メンバーの怪我の情報だった。前線駆除班第六小隊と言えば今日は結社本部から近いところを見回りに行っていた筈だ。その場で待機していたスレイマンと急ぎ現場へ向かう。
「あ！」
すると、まだ少し離れたところからとことこやって来た青い髪。少年とも少女とも取れる顔立ち、青い髪に映える人魚の様なフィンイヤーで大変海が似合いそうなそれはあろう事か小さな体で怪我人を軽々持ち上げやって来た。
「この子だよ！怪我した子！」
「痛たたたたた！！痛ーい！！」
しかしその持ち方はどう見ても怪我人の運び方では無く、まるで農家が穀物を運ぶ際にする様な持ち方をしており、揺れる度痛むのか担がれた本人は涙目になっている。その様子を見て青い顔になったスレイマンは慌てて二人に駆け寄り、ジークフリートはマットを敷いて簡易的な医務室を作った。スレイマンは、持ち上げられた事で輪を掛けて暴れるテディの様子を見、まずは彼を落ち着かせるべく声を掛ける事にした。
「ちょ、ちょ、ストップ！ストップ！えっと…テディ…君？かな？意識はあるし喋れるかい？どこが痛い？」
「痛い痛い痛い！！」
「どこ？テディ君どこが痛い？」
「膝！！膝！！」
「よし！分かった、大丈夫だから落ち着こう！とりあえず先ずは診ないとだな！君は機械人形だね？名前と所属は？」
「僕オルカ！調達班だよ！」
「よし分かったオルカ、先ずは担いでるテディ君をここのマットに降ろしてくれ。怪我人だからね、そぉっとだよ？そっと──」
「そーれ！！」
「そっと！！」
荒々しく降ろされたテディに慌てたスレイマン。だが、予想に反してテディは目に涙を溜めてはいたもののそのまま不思議そうにキョトンとした顔を浮かべていた。何が起きたのかとテディの肩を優しく叩くと、口を開いた彼は一言「痛くなくなった…」と呟いた。
「痛くなくなった？膝が？」
「うん…さっきあんなに痛かったのに…」
すると、上への報告を終えたのかやたらと背の高い青年と藍色の髪を三つ編みにした少年が慌てた様子で此方に近付いてくる。彼等の目にはテディしか映っておらず、顔にも心配の色が見える。スレイマンはそんな三人の友情を前に優しく目を細めた。
「テディ！大丈夫！？先生、テディはぼくを庇って転んじゃったんだけど、着地した時からずっと痛い痛い言ってて…！！」
「あー…大丈夫大丈夫。ほら、泣くなよ少年！多分ね、テディ君膝脱臼したんだと思うよ。で、今急にマットに降ろされた衝撃で戻ったんだと思う。他にも異常ないか診るから安心して、ね？」
「は、はい…！良かったぁ…！」
藍色の髪の少年、ユーシンはやっと安心したのか堪らず泣き出してしまった。心配そうに後ろに待機していた長身の青年、シキもほっとした様に息を吐いた。スレイマンは優しく微笑みテディも痛みが無くなったからか表情は穏やかだ。そんな四人を見ていたジークフリートはいち早く異変に気付いた。オルカが居ない。
「ん？ジーク？どうした？」
「いや…すまねぇがほんの少し席外して良いか…？」
「良いけど、ここは外だしなるべく結社のメンバーがいる所に居て欲しいんだけど…」
「悪いね。だから 行くんだよ」
ジークフリートにそう言われ、スレイマンは何かを察して頷く。足早にその場を離れたジークフリートだったが、意外にも目当ての人物はすぐ近く、しかも結社メンバーの目の届く範囲に居た。
しかし、じっと空を見つめるその背中にはどこか機械人形らしからぬ寂しさで色付けられて居る気がして。行方を確認したら放置で良いかと思っていたが、声を掛けずに居られなかった。
「よぉ。意外と近くに居てくれたんだな。感心感心」
「だって…機械人形だから。今は人間無しに一体で彷徨っちゃ駄目なんでしょ？」
「…でもどこか行きたそうだったな、お前さん。どこに行きたかったんだ？」
「…海……」
「海、か。やっぱお前さん、なかなか古参な機械人形だよな？おじさんもなかなかに古参を気取ってるんだがねぇ、泳ぐなんて特殊な技術身に付けてる機械人形は一機しか知らんなぁ。もしかして潜水専用機、『Sea204型』かい？」
「うん。五年前に起動した」
「ははは、こりゃ良い。同い年じゃねぇか。私はジークフリート、医療用の機械人形 だ」
ジークフリートのその言葉にオルカは彼をじっと見つめ、そして自分の顔周りを撫で回す。「僕に髭は無いよ」と言わんばかりの動作だった。
「潜水機に髭があったら困るだろ。髪とかは好みの問題もあるが、基本毛の類は水の中で作業するには邪魔だからな。潜水機は主人によっちゃ毛髪も海の質に強く手入れもしやすい特殊なファイバーの物を使う事もあるって聞いたぜ？」
「あ、僕そうかも。主人 のアンディがね、お手入れ苦手な人だから。あ、僕の名前はオルカ」
「そうか…で？そんなオルカの主人ってのはどんな人間だったんだ？」
「うんとねー……えっとねー……」
ぽつりぽつりと、「主人・アンディ」のアウトプットを始めるオルカ。ジークフリートは黙ってそれを聞いていた。オルカは主人を失った訳では無いが、テロで主人との仲を引き裂かれた機械人形には違いない。人間と違って「寂しい」と言う感情が存在しているのかは分からない自分達機械人形。
だが、主人の事を話すオルカはまるで「聞いて欲しかった」様で、「会いたがっている」様で、「寂しい」様だった。
「…お前さんがちょろちょろよく逃げ出すってのは実は結構有名でな。どうしたもんかと聞いてて思ったんだがね。もしかして、うろちょろするのは主人に会いたいからか？」
「……どうだろ？僕もただただアンディと同じで縛られないのが好きなのかも」
「そうかい…おじさんは、人の下に就いて人の制御下管理下のもと専門分野を役立たせて貰えるこの生活は悪く無いと思ってるけどなぁ」
「僕も別に嫌だとは言ってないよ。アンディは離れてて居ないけど、調達班の皆の事は大好きだからね」
「そうか。ならお互い、今の生活になかなか満足してるんだな」
ジークフリートがふと視線をスレイマンの方に向ける。焦点を合わせる様にキュイィ…とレンズを絞ると、先程まで泣きベソをかいていたテディがもう元気にわがままを言っていた。
「ところで、ボクが怪我した時電話番してたの、誰？」
「ん？ああ、ミアだよ。あの子は年齢相応に慌てやすいけど実はなかなか肝の座った子でね。友達だって言うテディ君が怪我をしたって報せを受けてもね、きちんと情報は伝えてくれたんだよ？」
「え！？ミ、ミアにこんな格好悪いとこ聞かれちゃったの！？」
「ははは、大丈夫だよ。怪我したってだけで、膝脱臼したなんてまだ ここに居るおれ達しか知らないから」
「えー！！ヤダー！！ねえスレイマン、今日の事墓場まで持ってってね！」
「それは難しいなー。診断書は書かなきゃいけないからなー」
「ボクのだけ厳重に保管しといて！金庫に入れといて！！」
そんなスレイマン達のやりとりを見ながらジークフリートはくすりと微笑む。
「さて、わがまま姫王子に皆が翻弄される前に私達も戻るとするかねぇ」
「うん。ところで、ジークって稼働日いつ？」
「ん？十二月十三日だなぁ」
「え？うそ？僕も十二月。十九日だよ」
「そうか。意外と共通点ってあるもんだな」
その共通点に安心したからなのか、この日以降急速にオルカに懐かれたジークフリートだった。
今は所謂野良機械人形とでも良いのか。主人の居ない、結社に管理された立場。しかし、不思議と平和で嫌いじゃ無かった。
「よ！おはよう、ジーク」
「おはよーさん」
「今日も良い朝だな」
「最近、ネビロスがよく無茶する気がしてるんだけど、ジークどう思う？」
「ああ…あのケンズの兄さんか」
「うん。生き残りだし、あの惨劇を見てるんだろうし…気持ち的に焦るのもわかるんだけどな…無茶はするのに精神科にも罹ってくれないし…誰が言ってもあんまり動く気配がなくて…」
「全く…心配事だらけだな…ミアさんはどうた？」
「エルの見立てじゃあ、まだ健忘はそのままだ。でもそれが本人の気持ちに落ち着きをもたらしてるからそのままで良いと思うし、今はまだ様子見だと思うよ。ところで今日はおれ前線なんだけど、確かジークもだったよな？」
「ああ、馴染みの顔が一緒なら心強い。援護はおじさんに任せてくれ」
「ははっ、機械人形でも心強いって思う時あるんだな」
「何、こう言う時はそう言うもんだ」
医療機械人形としての性か、会って早々にスレイマンとする話はそんな仕事由来の会話だった。
マルフィ結社内では、同僚であるメンバーが同時に患者と言う可能性も十分にある。
「ジークおじさま！い、今前線駆除班のエドゥアルトさんから…交戦時近くに居た調達班のメンバーが巻き込まれたって連絡が来ました！」
昼過ぎ。電話番をしていたミアが青い顔で取り次いだのは調達班メンバーの怪我の情報だった。前線駆除班第六小隊と言えば今日は結社本部から近いところを見回りに行っていた筈だ。その場で待機していたスレイマンと急ぎ現場へ向かう。
「あ！」
すると、まだ少し離れたところからとことこやって来た青い髪。少年とも少女とも取れる顔立ち、青い髪に映える人魚の様なフィンイヤーで大変海が似合いそうなそれはあろう事か小さな体で怪我人を軽々持ち上げやって来た。
「この子だよ！怪我した子！」
「痛たたたたた！！痛ーい！！」
しかしその持ち方はどう見ても怪我人の運び方では無く、まるで農家が穀物を運ぶ際にする様な持ち方をしており、揺れる度痛むのか担がれた本人は涙目になっている。その様子を見て青い顔になったスレイマンは慌てて二人に駆け寄り、ジークフリートはマットを敷いて簡易的な医務室を作った。スレイマンは、持ち上げられた事で輪を掛けて暴れるテディの様子を見、まずは彼を落ち着かせるべく声を掛ける事にした。
「ちょ、ちょ、ストップ！ストップ！えっと…テディ…君？かな？意識はあるし喋れるかい？どこが痛い？」
「痛い痛い痛い！！」
「どこ？テディ君どこが痛い？」
「膝！！膝！！」
「よし！分かった、大丈夫だから落ち着こう！とりあえず先ずは診ないとだな！君は機械人形だね？名前と所属は？」
「僕オルカ！調達班だよ！」
「よし分かったオルカ、先ずは担いでるテディ君をここのマットに降ろしてくれ。怪我人だからね、そぉっとだよ？そっと──」
「そーれ！！」
「そっと！！」
荒々しく降ろされたテディに慌てたスレイマン。だが、予想に反してテディは目に涙を溜めてはいたもののそのまま不思議そうにキョトンとした顔を浮かべていた。何が起きたのかとテディの肩を優しく叩くと、口を開いた彼は一言「痛くなくなった…」と呟いた。
「痛くなくなった？膝が？」
「うん…さっきあんなに痛かったのに…」
すると、上への報告を終えたのかやたらと背の高い青年と藍色の髪を三つ編みにした少年が慌てた様子で此方に近付いてくる。彼等の目にはテディしか映っておらず、顔にも心配の色が見える。スレイマンはそんな三人の友情を前に優しく目を細めた。
「テディ！大丈夫！？先生、テディはぼくを庇って転んじゃったんだけど、着地した時からずっと痛い痛い言ってて…！！」
「あー…大丈夫大丈夫。ほら、泣くなよ少年！多分ね、テディ君膝脱臼したんだと思うよ。で、今急にマットに降ろされた衝撃で戻ったんだと思う。他にも異常ないか診るから安心して、ね？」
「は、はい…！良かったぁ…！」
藍色の髪の少年、ユーシンはやっと安心したのか堪らず泣き出してしまった。心配そうに後ろに待機していた長身の青年、シキもほっとした様に息を吐いた。スレイマンは優しく微笑みテディも痛みが無くなったからか表情は穏やかだ。そんな四人を見ていたジークフリートはいち早く異変に気付いた。オルカが居ない。
「ん？ジーク？どうした？」
「いや…すまねぇがほんの少し席外して良いか…？」
「良いけど、ここは外だしなるべく結社のメンバーがいる所に居て欲しいんだけど…」
「悪いね。
ジークフリートにそう言われ、スレイマンは何かを察して頷く。足早にその場を離れたジークフリートだったが、意外にも目当ての人物はすぐ近く、しかも結社メンバーの目の届く範囲に居た。
しかし、じっと空を見つめるその背中にはどこか機械人形らしからぬ寂しさで色付けられて居る気がして。行方を確認したら放置で良いかと思っていたが、声を掛けずに居られなかった。
「よぉ。意外と近くに居てくれたんだな。感心感心」
「だって…機械人形だから。今は人間無しに一体で彷徨っちゃ駄目なんでしょ？」
「…でもどこか行きたそうだったな、お前さん。どこに行きたかったんだ？」
「…海……」
「海、か。やっぱお前さん、なかなか古参な機械人形だよな？おじさんもなかなかに古参を気取ってるんだがねぇ、泳ぐなんて特殊な技術身に付けてる機械人形は一機しか知らんなぁ。もしかして潜水専用機、『Sea204型』かい？」
「うん。五年前に起動した」
「ははは、こりゃ良い。同い年じゃねぇか。私はジークフリート、医療用の
ジークフリートのその言葉にオルカは彼をじっと見つめ、そして自分の顔周りを撫で回す。「僕に髭は無いよ」と言わんばかりの動作だった。
「潜水機に髭があったら困るだろ。髪とかは好みの問題もあるが、基本毛の類は水の中で作業するには邪魔だからな。潜水機は主人によっちゃ毛髪も海の質に強く手入れもしやすい特殊なファイバーの物を使う事もあるって聞いたぜ？」
「あ、僕そうかも。
「そうか…で？そんなオルカの主人ってのはどんな人間だったんだ？」
「うんとねー……えっとねー……」
ぽつりぽつりと、「主人・アンディ」のアウトプットを始めるオルカ。ジークフリートは黙ってそれを聞いていた。オルカは主人を失った訳では無いが、テロで主人との仲を引き裂かれた機械人形には違いない。人間と違って「寂しい」と言う感情が存在しているのかは分からない自分達機械人形。
だが、主人の事を話すオルカはまるで「聞いて欲しかった」様で、「会いたがっている」様で、「寂しい」様だった。
「…お前さんがちょろちょろよく逃げ出すってのは実は結構有名でな。どうしたもんかと聞いてて思ったんだがね。もしかして、うろちょろするのは主人に会いたいからか？」
「……どうだろ？僕もただただアンディと同じで縛られないのが好きなのかも」
「そうかい…おじさんは、人の下に就いて人の制御下管理下のもと専門分野を役立たせて貰えるこの生活は悪く無いと思ってるけどなぁ」
「僕も別に嫌だとは言ってないよ。アンディは離れてて居ないけど、調達班の皆の事は大好きだからね」
「そうか。ならお互い、今の生活になかなか満足してるんだな」
ジークフリートがふと視線をスレイマンの方に向ける。焦点を合わせる様にキュイィ…とレンズを絞ると、先程まで泣きベソをかいていたテディがもう元気にわがままを言っていた。
「ところで、ボクが怪我した時電話番してたの、誰？」
「ん？ああ、ミアだよ。あの子は年齢相応に慌てやすいけど実はなかなか肝の座った子でね。友達だって言うテディ君が怪我をしたって報せを受けてもね、きちんと情報は伝えてくれたんだよ？」
「え！？ミ、ミアにこんな格好悪いとこ聞かれちゃったの！？」
「ははは、大丈夫だよ。怪我したってだけで、膝脱臼したなんて
「えー！！ヤダー！！ねえスレイマン、今日の事墓場まで持ってってね！」
「それは難しいなー。診断書は書かなきゃいけないからなー」
「ボクのだけ厳重に保管しといて！金庫に入れといて！！」
そんなスレイマン達のやりとりを見ながらジークフリートはくすりと微笑む。
「さて、わがまま姫王子に皆が翻弄される前に私達も戻るとするかねぇ」
「うん。ところで、ジークって稼働日いつ？」
「ん？十二月十三日だなぁ」
「え？うそ？僕も十二月。十九日だよ」
「そうか。意外と共通点ってあるもんだな」
その共通点に安心したからなのか、この日以降急速にオルカに懐かれたジークフリートだった。
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