血の絵画事件
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suzujiu_orichar 2020年12月06日(日) 18:45:19履歴
ユウヤミ・リーシェルは6歳の時に自分で自分につけた名前。
現在は偽名として探偵業や結社加入時など芸名の様に使っている。
「探偵業は恨みを買いやすいから」と周囲には説明している。
本名、アルセーヌ・ラプラス。
10歳のアルセーヌがなぜ凶悪少年事件「血の絵画事件」を起こしたのか。
最初はうっかり手を切り、ぷくーと膨れて出てきた血で丸を描いてみた事。
「絵の具のチューブから出てくる色は赤ならずっと赤のままだけど、血で描くとどんどん色が変わっていく。鮮血は赤いけど、時間が経つと茶色くなっていくんだ。」
そこに面白さを見出して自分の指先などで試していたらしいが、やがて親に発覚してリストカットではないかと辞めさせられる。
どうやら自分に不自然な怪我があると面白い事を取り上げられる、と覚えたアルセーヌは自分ではないものの血ーーつまり小動物を狙った。
既に死んだ生物は触らない方がよい、と知っていたアルセーヌは鮮血を求めて動物の餌付けをすることにした。
スズメやネコなど近所の野良を餌付けし、慣れてきた頃に捕獲。惨殺後、血を抜いて絵を描いた。血の鉄臭い臭いでバレたらまたおもちゃを取り上げられると思ったアルセーヌは近所の廃屋をアトリエと呼んで絵を隠していた。
小さな絵を描いていたが、だんだん物足りなくなってきたアルセーヌ。
もしかして。人の血液を使って、朽ちていく様子を絵にしたら面白い？
そう考えたアルセーヌは画材にできそうな人間を探す事にした。
大きい人間はダメだ、自分より力が強い。画材には向かない。
子供は大騒ぎするから画材にはーーいや、静かな小さい人間なら使えるのでは？
それで、一つ下の学年の小柄で静かな少年を狙った。
もともとぼーっとしたところのあった少年はクラス内でも鈍臭い奴だと見られていた。そこで、アルセーヌは「もともと少年はクラスでいじめられていたから救ってあげた」という言い訳を作るために少年のクラスメイトを煽動する。
やがて、「何をされても耐えるだけで抵抗しない可哀想な子」になった少年の前へ現れるアルセーヌ。いじめっ子を追い払おうとするも、一緒に殴られたように見せる事で距離を縮めた。
家でもあまり大事にされてはいなかった少年はアルセーヌの口車に乗せられて、友人になる。試しにアトリエに招待したところ、少年も血で描く絵に興味を示したので本人を画材にするのは先送りにして、画材になる小動物を一緒に集めるようになる。
やがて少年は虫の体液で絵を描くようになった。だが、少年の絵はアルセーヌにとって美的センスのかけらもないものであり、やはり少年を画材にしようと考え直す。
遊びだと言って公園の影で絞技？首突き？をして失神させてアトリエに運び込んだ。
「寝ちゃったから送ってあげるの」と運搬途中で会った住民は聞いた。
準備したガムテープで少年の口と目を塞ぎ、麻紐で少年の首を括って少し高いところから落とす。(ガムテープで塞いだのは、首吊りをすると眼球突出や嘔吐を伴うと知っていた故)
「最初は暴れたけど、15分くらい？して静かになった。」本人談
少年の首から抜いた血液を使って大きな絵を描いた。本人曰く、朽ちる人間の様子を描いたものらしいが、文章では表現不可能な絵である。芸術性はともかく、人並みの感性を持った人間ならば恐怖を感じる落書きーーそんな感じである。
「朽ちる様子の血の絵と、人の汚いものが全部落ちた死体。二つが合わさって素晴らしい芸術になるんだ。」本人談
自分のものにしておくだけでは面白くないと思ったアルセーヌは、芸術系の学校に通う20歳男性のふりをして利用していたSNSにイラスト加工した写真を投稿。
初期は「公序良俗に反する絵をSNSに投稿した人物」としてアカウント凍結されただけだったが、写真の一部にビルが映っていた事から場所が特定されてしまう。特定班の1人が現地に行ってみたところ本当に死体があった。軍警の捜査が動き出したのは特定班が通報してからである。
捜査当初は凍結されたアカウントの内容から20代〜40代だと思って捜査していたが、捜査していくうちにどうやら本当は20歳以下の少年ではないかと方向転換。場所が特定されてから、アトリエに行けなかったアルセーヌは普通に家で過ごしていた。
捜査の中で、被害者の少年とたびたび遊んでいた友人が捜査線上に浮上する。それがクラス内で馬鹿のレッテルを貼られていた少し不思議な空気を纏う少年アルセーヌだった。
死亡推定時刻の数時間前に「寝ちゃったから送ってあげるの」と住民に話して少年を背負っている様子が目撃されていた事から、事情を本人に聞くべく重要参考人として軍警に呼ばれる。その際、友人が亡くなったばかりの子供と思えないほど淡々としていたところからアルセーヌ自身に捜査の手が伸びていった。
血の絵に書かれていたサインの筆跡がアルセーヌと同じだったので逮捕に踏み切った。軍警に逮捕された時は「いじめられていた子を救ってあげたかった」とアルセーヌは語っている。
「家にも学校にも地域にも居場所がない子だから、苦しいだろうなって思って。ほら、ただ死ぬお手伝いをするんじゃ、せっかくの命が勿体ないでしょ？だから絵にしたんだ。」
詭弁に騙される軍警ではない。
アルセーヌがアトリエと呼んでいた廃屋、押収された絵や日記帳をもう一度よく調べた結果、動機が違うことが発覚する。
単に血で絵を描いてみたかった事。既に小動物を複数匹惨殺している事。衝動的ではなく計画的に少年に近づいて殺害した事。理由を作る為に少年のクラスメイトを煽動した事。
しっかり調べがついたとわかったアルセーヌは日記帳の内容と寸分違わない供述を始める。
尚、アルセーヌ少年が書いた絵や日記帳のサインには本名や偽名ではなく「ぼく」と書かれている。
当時の新聞やメディアはこぞって事件を報道した。未成年で尚且つシュエリオ大陸戦後最悪と言われる少年事件であり、事件の内容は大陸にも届いた。
主要メディアは配慮して呼び方を変えていたが、週刊誌のスクープで素性がバレてしまう。
これ以上の混乱を避ける為、本当の両親とは縁を切り、別の人物の養子になって苗字も変わり、ラウール・ケレンリーという全くの別人になっている。
現在その週刊誌は国立図書館の蔵書にあるものの、貸し出し・閲覧は禁じられている。
アルセーヌの記憶力・計画力はさる事ながら、SNS上で20代を演じていて誰も不自然だと思わなかった点から、かなりの知能を持っているのではないかと推測された。
そして組まれたのが、大規模な更生プログラム。アルセーヌ・ラプラスの一生を軍警で飼い続けるプロジェクトだった。
【余罪】
近所の野良猫や野鳥に餌付けをしたのは「血の絵画事件」以前にもある。
・猫の毒殺に猛毒の雑草を使用した
→猫が猫草の類いと間違ったのだろうとされ、事件性無しとされていた
→ただし、野良だとアルセーヌが思っていた猫は半野良の飼い猫だった
・捕まえた小鳥の骨をほぼ全部脱臼させた
→落ちてる鳥なんて誰も気にしなかったので知られていなかった
殺人未遂
・同級生にからかわれた時に相手を窒息させかけている
→途中で先生が介入して事なきを得たが、「おかしい奴」と学年で認識された
→からかわれた事に怒ったのではなく、「首を絞めたらどうなるんだろう」とその時思ったからであり、怒りは全くなかったという
その他
・近所の駄菓子屋での万引き
【現在】
本人は全く反省していないが、絵のクオリティがあまりに低すぎる事と軍警に火消しを命じられている事の2点で、模倣犯の逮捕協力や当時の絵の模倣品の回収をしている。少なくとも「興味本位で殺人をすると好きな事が出来なくなる」と学習したので同じような事件は起こさないと思われる。
現在は偽名として探偵業や結社加入時など芸名の様に使っている。
「探偵業は恨みを買いやすいから」と周囲には説明している。
本名、アルセーヌ・ラプラス。
10歳のアルセーヌがなぜ凶悪少年事件「血の絵画事件」を起こしたのか。
最初はうっかり手を切り、ぷくーと膨れて出てきた血で丸を描いてみた事。
「絵の具のチューブから出てくる色は赤ならずっと赤のままだけど、血で描くとどんどん色が変わっていく。鮮血は赤いけど、時間が経つと茶色くなっていくんだ。」
そこに面白さを見出して自分の指先などで試していたらしいが、やがて親に発覚してリストカットではないかと辞めさせられる。
どうやら自分に不自然な怪我があると面白い事を取り上げられる、と覚えたアルセーヌは自分ではないものの血ーーつまり小動物を狙った。
既に死んだ生物は触らない方がよい、と知っていたアルセーヌは鮮血を求めて動物の餌付けをすることにした。
スズメやネコなど近所の野良を餌付けし、慣れてきた頃に捕獲。惨殺後、血を抜いて絵を描いた。血の鉄臭い臭いでバレたらまたおもちゃを取り上げられると思ったアルセーヌは近所の廃屋をアトリエと呼んで絵を隠していた。
小さな絵を描いていたが、だんだん物足りなくなってきたアルセーヌ。
もしかして。人の血液を使って、朽ちていく様子を絵にしたら面白い？
そう考えたアルセーヌは画材にできそうな人間を探す事にした。
大きい人間はダメだ、自分より力が強い。画材には向かない。
子供は大騒ぎするから画材にはーーいや、静かな小さい人間なら使えるのでは？
それで、一つ下の学年の小柄で静かな少年を狙った。
もともとぼーっとしたところのあった少年はクラス内でも鈍臭い奴だと見られていた。そこで、アルセーヌは「もともと少年はクラスでいじめられていたから救ってあげた」という言い訳を作るために少年のクラスメイトを煽動する。
やがて、「何をされても耐えるだけで抵抗しない可哀想な子」になった少年の前へ現れるアルセーヌ。いじめっ子を追い払おうとするも、一緒に殴られたように見せる事で距離を縮めた。
家でもあまり大事にされてはいなかった少年はアルセーヌの口車に乗せられて、友人になる。試しにアトリエに招待したところ、少年も血で描く絵に興味を示したので本人を画材にするのは先送りにして、画材になる小動物を一緒に集めるようになる。
やがて少年は虫の体液で絵を描くようになった。だが、少年の絵はアルセーヌにとって美的センスのかけらもないものであり、やはり少年を画材にしようと考え直す。
遊びだと言って公園の影で絞技？首突き？をして失神させてアトリエに運び込んだ。
「寝ちゃったから送ってあげるの」と運搬途中で会った住民は聞いた。
準備したガムテープで少年の口と目を塞ぎ、麻紐で少年の首を括って少し高いところから落とす。(ガムテープで塞いだのは、首吊りをすると眼球突出や嘔吐を伴うと知っていた故)
「最初は暴れたけど、15分くらい？して静かになった。」本人談
少年の首から抜いた血液を使って大きな絵を描いた。本人曰く、朽ちる人間の様子を描いたものらしいが、文章では表現不可能な絵である。芸術性はともかく、人並みの感性を持った人間ならば恐怖を感じる落書きーーそんな感じである。
「朽ちる様子の血の絵と、人の汚いものが全部落ちた死体。二つが合わさって素晴らしい芸術になるんだ。」本人談
自分のものにしておくだけでは面白くないと思ったアルセーヌは、芸術系の学校に通う20歳男性のふりをして利用していたSNSにイラスト加工した写真を投稿。
初期は「公序良俗に反する絵をSNSに投稿した人物」としてアカウント凍結されただけだったが、写真の一部にビルが映っていた事から場所が特定されてしまう。特定班の1人が現地に行ってみたところ本当に死体があった。軍警の捜査が動き出したのは特定班が通報してからである。
捜査当初は凍結されたアカウントの内容から20代〜40代だと思って捜査していたが、捜査していくうちにどうやら本当は20歳以下の少年ではないかと方向転換。場所が特定されてから、アトリエに行けなかったアルセーヌは普通に家で過ごしていた。
捜査の中で、被害者の少年とたびたび遊んでいた友人が捜査線上に浮上する。それがクラス内で馬鹿のレッテルを貼られていた少し不思議な空気を纏う少年アルセーヌだった。
死亡推定時刻の数時間前に「寝ちゃったから送ってあげるの」と住民に話して少年を背負っている様子が目撃されていた事から、事情を本人に聞くべく重要参考人として軍警に呼ばれる。その際、友人が亡くなったばかりの子供と思えないほど淡々としていたところからアルセーヌ自身に捜査の手が伸びていった。
血の絵に書かれていたサインの筆跡がアルセーヌと同じだったので逮捕に踏み切った。軍警に逮捕された時は「いじめられていた子を救ってあげたかった」とアルセーヌは語っている。
「家にも学校にも地域にも居場所がない子だから、苦しいだろうなって思って。ほら、ただ死ぬお手伝いをするんじゃ、せっかくの命が勿体ないでしょ？だから絵にしたんだ。」
詭弁に騙される軍警ではない。
アルセーヌがアトリエと呼んでいた廃屋、押収された絵や日記帳をもう一度よく調べた結果、動機が違うことが発覚する。
単に血で絵を描いてみたかった事。既に小動物を複数匹惨殺している事。衝動的ではなく計画的に少年に近づいて殺害した事。理由を作る為に少年のクラスメイトを煽動した事。
しっかり調べがついたとわかったアルセーヌは日記帳の内容と寸分違わない供述を始める。
尚、アルセーヌ少年が書いた絵や日記帳のサインには本名や偽名ではなく「ぼく」と書かれている。
当時の新聞やメディアはこぞって事件を報道した。未成年で尚且つシュエリオ大陸戦後最悪と言われる少年事件であり、事件の内容は大陸にも届いた。
主要メディアは配慮して呼び方を変えていたが、週刊誌のスクープで素性がバレてしまう。
これ以上の混乱を避ける為、本当の両親とは縁を切り、別の人物の養子になって苗字も変わり、ラウール・ケレンリーという全くの別人になっている。
現在その週刊誌は国立図書館の蔵書にあるものの、貸し出し・閲覧は禁じられている。
アルセーヌの記憶力・計画力はさる事ながら、SNS上で20代を演じていて誰も不自然だと思わなかった点から、かなりの知能を持っているのではないかと推測された。
そして組まれたのが、大規模な更生プログラム。アルセーヌ・ラプラスの一生を軍警で飼い続けるプロジェクトだった。
【余罪】
近所の野良猫や野鳥に餌付けをしたのは「血の絵画事件」以前にもある。
・猫の毒殺に猛毒の雑草を使用した
→猫が猫草の類いと間違ったのだろうとされ、事件性無しとされていた
→ただし、野良だとアルセーヌが思っていた猫は半野良の飼い猫だった
・捕まえた小鳥の骨をほぼ全部脱臼させた
→落ちてる鳥なんて誰も気にしなかったので知られていなかった
殺人未遂
・同級生にからかわれた時に相手を窒息させかけている
→途中で先生が介入して事なきを得たが、「おかしい奴」と学年で認識された
→からかわれた事に怒ったのではなく、「首を絞めたらどうなるんだろう」とその時思ったからであり、怒りは全くなかったという
その他
・近所の駄菓子屋での万引き
【現在】
本人は全く反省していないが、絵のクオリティがあまりに低すぎる事と軍警に火消しを命じられている事の2点で、模倣犯の逮捕協力や当時の絵の模倣品の回収をしている。少なくとも「興味本位で殺人をすると好きな事が出来なくなる」と学習したので同じような事件は起こさないと思われる。
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