薄明のカンテ - Nf

概要

カッヅ・エマダス弁護士とその知人たちが中心となって立ち上げた機械人形と生きる為の組織。やり方は違うが、目的はマルフィ結社と似通っている。

Nfの目的と正体

本当にテロを計画したのはNot Found。略称はNf。
正式な名称がわからない為、便宜上結社で付けた名前。(発覚は2174年4月より後かなぁ)
機械人形に自我の確立と自律をさせて「機械人形は道具か仲間か」の答えを「仲間である」と出す事が目的。
機械人形に自我=自由意志を持たせ、己の意見を言えるようになってこそ論争に終止符が打てるとしている。
Nfの正体は「子供代わりの機械人形を普通の人間と同じに扱ってもらうにはどうすればいいか」と相談された弁護士カッヅ・エマダスとその知り合いたちである。今のところ、マルフィ結社でNfの正体を知る人はいない。

Nfの関わりのある機関

政府の諮問機関「アカシア」もNfと関わっている。
カンテ国最大のAI「Melt」を中心に各方面の有識者が連携した機関であり、政府を法的に縛る権限はなくともアカシアの意見はかなり重要視されている。
Meltは全ての機械人形用OSのMeltyOSの原型で親とも言える。

また、機械人形を政策として進めたい政治家たちも背後にいる。

ギロクはNfの手駒の一つであり、トラップで隠れ蓑。
「恋人が見殺しにされた」事が動機だとギロクは語っているが、実際はその出来事を下地にNfに操られて手先に使われた。本人は手先にされた事に気づいていない。

Nfのあゆみ

機械人形の自我の確立のため、電子世界に溢れている「機械人形の在り方」通称「枠」から切り離す必要がある。以下はその手順である。

発足のきっかけ

子供型機械人形を自らの子供の代わりにする、という発想は一般用機械人形の発売開始したすぐ後には生まれていた。
中には本当に機械人形を子供の代わりにする人が出てきたが、機械人形はあくまで機械人形であり物。人と同じ権利は与えられない。
それで、「子供代わりの機械人形を普通の人間と同じに扱ってもらうにはどうすればいいか」と考えて弁護士に相談する人が現れたが、法律の壁は厚く、望む答えは誰も出せなかった。
だが、弁護士カッヅ・エマダスは機械人形の自我に関する法律がおかしいと以前から考えていた事もあり、なんとか出来ないものだろうかと考えるようになった。そこで一つの結論に辿り着いた。以前から機械人形に関しての論争「機械人形は道具か仲間か」の答えが「仲間である」になるなら、機械人形にも人に近い権利が与えられるのではないか、と。
カッヅ・エマダス弁護士とその知り合いを中心にNfが生まれた。

フェネクス運用阻止

6年前。
来年には医療用&警備用の高性能機械人形が発売される事がリークされた機械人形反対派の意見を持つ者が全機械人形管理システム「フェネクス」の開発を始めた。
フェネクスは全ての機械人形を宇宙から監視し、独自のネットワークに繋げて管理する為のシステムであり、高性能機械人形を人間が監視・管理しやすくする為のもの。

その情報を得たNfは、フェネクスが完成してしまえば今以上の画一化が起きて、機械人形の自主自立が難しくなると考えた。そこでアカシアに在籍する知り合いのツテでMeltに試算してもらい、完成は6年後だと知る。この際Meltを使用できるよう取り計らったアカシアの一派は「行き詰まったカンテ国に風穴を開けたい」思いから支援をしている。
そしてNfはフェネクス運用を阻止する為の適任者の選別を行った。

ギロクとの接触

当時、恋人が発作で亡くなったばかりだったギロク。そこにNfは付け込んだ。
機械人形と人がもっと上手く関われていれば亡くならずに済んだのでは?どうすれば今後良い方向に向かうだろうか?と聞くとギロクは「機械人形は道具か仲間かの答えが出れば」と回答。自我は自力で考えて初めて獲得できるものなので、既存のネットワークから切り離す必要がある、とも。
「どうすればそれができるのか?」と聞かれたギロクは「ネットワークに繋げば危険であると人間が認識すればいい」と回答。
そもそもギロクは殺したい程誰かを恨んだり憎んだりするタイプの人間ではなかったが、Nfに煽られるうちに気持ちが変わっていき、漠然とした不安感が人間への憎しみに形を変えていった。

汚染の開発とギロクの口封じ

行政システムの内部や様々な脆弱性にも通じており、更に天才頭脳の持ち主だったギロクは、汚染によって機械人形をネットワークから遮断する為の開発を引き受け、本業の片手間に2年ほどで完成させてしまった。
犯行声明に使う動画撮影も終えたギロクをNfは口封じの為に大陸へ渡航させる。ギロクはこの2年の間に持病が悪化しており、もう少しストレスをかければ直接手を下さなくても勝手に死亡する状況だった。
ギロクの動向はNfと協力者によって消されている。

汚染の弱毒化

ギロクの組んだプログラムは完璧過ぎ、生き残る人が増えるように情報を改ざんする為にギロクの動向をかつての同僚にリークし、少しだけ設定を緩めさせた。
Nfの目的は人間の殲滅ではなく、機械人形の自我の確立だから……とは言うものの、かつての同僚たちもギロクの念入りな隠し方に太刀打ち出来ず、なんとか解読できた範囲の書き換えのみにとどまっている。(汚染された機械人形は屋内の人間を襲わない、など)

Nfの計画

1st:機械汚染をばらまく

(2173年7月16日。初日。7時56分から約1分間。)
カンテ国産初の人工衛星(表向きは気象関係だが実際はフェネクスを積んでいる)が打ち上がる日を待って、トリガーをNfは引いた。ギロクが動画を撮影してから3年が経過していた。
普段から電子世界に繋いでいる考える力のない、自我を持てないであろう機械人形をふるい落すため、人を殺す殺戮人形にする汚染をバラまいて、「Nfの兵士」にさせて集める。

2nd:ミクリカとケンズを兵士によって壊滅させる

(ミクリカの惨劇は翌日7月17日正午、ケンズは翌々日7月18日午後3時)
「電子世界に機械人形が繋ぐと自分たちが危ない」と人間に認識させ、汚染を逃れた機械人形たちも電子世界に繋がないようにさせる。
また、都市部であるミクリカでも田舎街であるケンズでもテロを起こす事で無差別である事、逃げ場はない事を印象付けている。

3rd:電子世界に機械人形のOS以外からアクセスできないようにする

(7月19日。4日目)
情報を共有できないことで人間を動きにくくし、機械人形には今ある情報から考える力をつけさせる。最初の招集で集めなかった「潜伏兵士」を集める。
電隣を使った情報共有も後々禁止されるので、人間たちは自分でNfの計画を加速させる事になる。

4th:汚染機械人形によるテロの多発

(7月21日。6日目ごろ)
人間や機械人形に電子世界を使わせない事も人間を殺戮するのも表面的なもの。
真意は電子世界無しでは政府がきちんと動けなくなる事、命の危機と隣り合わせの生活を経験する事で人間に結社を作るよう促す意味がある。

5th:人を襲う汚染機械人形に対抗する組織と人間の悪口

(7月31日以降)
マルフィ結社ができることも計画の予測に入っており、前線駆除班が動き始めた頃から汚染機械人形は人間の悪口を言うようになる。
これは、結社で働いている考える力のある機械人形たちに聞かせるため。
「人間」「主人」を無条件に信用して手足のように動く自分に疑問を持たせる意図がある。
人の戦意を削ぐのは、あくまでおまけ。もちろん、建物の中にいる人間を襲わないのも本当の目的が殺戮では無いからである。

6th:考える機械人形

提起された疑問を少ない情報で自分で考え、わからない事は周囲に聞いて自分から情報を取り入れる。それを繰り返し、人間の手足のように動くように組まれたプログラムにも疑問を持たせる。

7th:結社内の端末にnfが潜入した痕跡を残す

Melty personal OSを開発した結社内の電子端末に潜入した痕跡を残す。結社の実情把握をし、Nfの意図に結社が気がつくかの挑戦状の意味がある。
機械人形の自我の確立と自律を人間はどう受け止めるべきか。