薄明のカンテ - 消滅の神様の唄

内容

ゆらり揺られて 行ったり来たり
可愛いあの子は お船で揺られ
神様お顔を見てくださいと
口にしたきり 戻りもせずに
海と空とを湛えたような
綺麗なお目目のあの子は今や
神の身の上 空の上
人と人との縁を切らん

解説

いつからか岸壁街の下層から中心に歌われている歌。この歌が聞かれるのと同時期に娼婦達による「叶わない願い」は「消滅の神様」に理由付けられる様になった。
消滅の神様は娼婦の転じた神様だと言われていた。彼女達が諸々の理由で思い人と結ばれなかった際岸壁街に落とす無念の塊を指しているとも言われる。
揺れると言う動詞や船などの単語は性行為のメタファーだとされ、曲調も陰鬱で短調なものが口伝てに歌い継がれている。中には子守唄で口ずさむ者も居る。それなりに岸壁街下層の主に女性に馴染みのある曲。
発祥は一人の珍しい色の目をした芸妓の悲恋話だと言われているが真偽は定かでは無い。