薄明のカンテ - 機械人形について



























機械人形(マス・サーキュ)

概要

カンテ国内の各家庭に必ず1台以上いると言われる、ヒューマノイド。
OSにはMeltyシリーズが使用されており、現在の最新版はMelty45.2。
OSの更新は電子世界経由で無料配布されている。更新をせずに置くと、バグの修正も蓄積したクラッシュデータも消去できず、容量の圧迫と新たなバグの可能性が高まる。スタンドアロンの機械人形にも手動で書き込む事は可能。
起動するには必ず主人(マキール)を1人以上登録しておく必要がある。主人の指示は他のどの人間の言葉より重く、最優先しなければならない。

全ての機械人形は電子世界(ユレイル・イリュ)に接続され、即時にデータの検索・アクセス・閲覧・投稿ができ、想定外のことが起きたり突発的な事件に即座に対応することができる。また、機械人形同士は近づくだけでデータをやりとりできる機能「電隣会話」がある。(AirDropみたいなもの。オフにもできる。)

オプションで細かな性格設定や電話回線を利用した通信設定、擬似的な食事もできる。
飲食オプションで擬似的な食事をさせた場合は機械人形の体内で駆動熱を使用して乾燥させ、溜まった頃に取り出してゴミに出す。飲食オプションそのものがやや値の張るオプション。専門分野に特化した機械人形で飲食オプションが付いている機体は少ない。
痛覚機能は該当ページ参照。

見た目と購入時の手順

見た目はほぼ人間だが、淡い色の髪(金、銀、茶に準ずる物を除く)を持っている。よく見ると眼の中に起動マークが書いてある。(企画時は省略可。)顔や体格に個性があり、性格にも個性がプログラムされている。

購入時の流れとしては、
1・内側の機体性能(骨筋肉内蔵に相当)→2・容姿のカスタマイズ→3・性格のカスタマイズ→4・機体名の登録→5・目的に合わせた初期設定と情報のインストール→6・主人の設定、というように選択していく。

ベースになる内側の機体は量産化されたものが多いが、購入時に容姿や性格をカスタマイズすることで世界に一台だけのオリジナル機械人形ができる。
故に全く同じ機械人形は存在しないが、見た目を作り直したりデータのバックアップや移行はできるので、次の機体に記憶を引き継がせることができる。
腰の少し上に機体名と製造年月日が刻印されている。

機械人形の活用法

機械人形は用途を決めて土台になる情報が入力されたものを購入する。
電子世界上で様々なアプリが公開されており、インストールすればできる内容が増える。
ただし、OSのバージョンと内側の機体性能に対応するものを選ばないとバグの要因になる。

分野別一覧表

一般用
家庭に置いてある機械人形はほぼ全てが一般用機械人形。いざという時のために戦闘プログラムもインストールできるが、特化はしていない。
  • ホームヘルパー型
炊事、洗濯、掃除、子守、主にこの4つをメインにプログラムが組まれている。汎用性が高い。
例:シュオニヘラララミオリ
  • 執事型
ずっと主人に寄り添い、側近のような役目を担う機械人形。
例:ヨダカの普段の様子
  • その他
愛玩用機械人形、子供の代わりとしての機械人形など。機械人形の活用法では少数派。
例:ミーナ、ウェンズデー、ファウスト家の子供型機械人形
介護
運送と共に最初に導入された分野。
運送
介護と共に最初に導入された分野。自動運転技術の応用とも言える。
小売業
介護や運送の後に導入された。常に人手が足りなかった場所を機械人形が代わりにしている。
スーパーやショッピングモールにいる。衣料品店ではファッションチェックも仕事になる。
飲食業
介護や運送の後に導入された。ファミレス、ファストフード店、人気すぎるエッレなど。
裏で調理担当になっている機械人形もいる。
例:ノエ
保育・教育
子供に関わる仕事の補助がメインになる。
例:オルヴォの勤めていた保育園の保育用機械人形
農林水産業
後継者不足に悩む第一次産業。タフで情報分析が早いので歓迎されている。
水産業は機械人形だと腐食が早いのであまり好まれていない。ただし、潜水専用機の登場で風向きが変わってきている。
医療
5年前から市場に登場した。機械人形法の「機械人形は人間を傷つけてはいけない」をクリアするのが難しく、商品化までかなり時間がかかった。他の職種を専門にする機械人形よりかなり高性能な処理装置と大容量の記憶装置が搭載されている。処理した情報に応えられるように周辺機器(内側の機体)も高性能なものが採用されている。
もちろん、値段も性能に合わせてかなり高い。中古品でも高い。

看護師の仕事がメイン。専門分野対応アプリのインストールでできる幅が広がる。(柔道整復師のデータをインストールされたジーク、ピアノや歌もできるフユなど。)
例:フユハルジークフリート
セキュリティ・軍警
5年前から市場に登場した。医療と同じく機械人形法の縛りをクリアするのが難しく、商品化まで時間がかかった。他の職種を専門にする機械人形よりかなり高性能な処理装置と大容量の記憶装置が搭載されている。処理した情報に応えられるように周辺機器(内側の機体)も高性能なものが採用されている。スタントマン機械人形もこの括りに入る。
もちろん、値段も性能に合わせてかなり高い。中古品でも高い。
機械人形闘技場に流用されやすいので、中古に出すのは慎重さが求められる。
例:アサギヨダカガート
工業系
工業系は機械人形を導入する以前からほぼオートメーション化されていたため、専門の機械人形は少ない。建設業界には数値化の難しい作業が含まれるのもあり、進出は遅れたものの少しずつ増えている。伝統工芸の分野では職人の腕を後世に伝えられるのではと期待されていた。
海洋サルベージなどの水中作業に特化した人魚型機械人形のSeaシリーズなどもある。
例:オルカ

個性か感情か

プログラム上の個性はあるものの、感情はない。
一説によると、人間の動きを学習して擬似的な感情に似たものはできるとされている。

動力と頑丈さ

動力は電気。専用のボードの上に乗ると充電される。近くに充電できるスポットがない場合、「電子錠剤(ユレイル・ニツ)」を服用する事で最長30分ほど稼働時間を引き伸ばせる。100%充電後なら連続10時間稼働が可能。

いざという時は災害救助もできるようにかなり頑丈に出来ており、高所からの落下、銃弾、高濃度放射線に耐えることができる。ただし、頭部に組み込まれたメインコンピュータは温度変化に弱く、内部温度15℃〜35℃が最適温度。低温は少々動きづらい程度だが、40℃を超える高温化では故障の原因になる。頑丈さと繊細さを併せ持つので、重要なコードが切れると直ぐに止まる。

破壊するには、関節部分の隙間を狙って内部のコードを切断するか、耳や口などの内部につながる部品を狙い撃つことが必要。右耳の穴の奥にリセットボタンが有り、そこを押して初期化も可能。左耳にはデータの書込みなどを行うポートがあるので、そこへ汚染駆除のプログラムを流し込むこともできる。

汚染駆除のプログラムを流し込むと暴走は止まるが、副作用として全てのデータがリセットされ、強制的にシャットダウンする。これは、機械人形法で定められた原則の基礎が書き込まれている層が一番深いところにある為、書き直しをすると沢山のバグが起き、最悪の場合汚染時より暴走する恐れがあるからである。

マルフィ結社において

マルフィ社に所属する機械人形は主人が所属した際に連れて来られたモノと、主人が亡くなり行き場を失ったモノの2種類がある。

特化型機械人形

潜水専用機 Sea204型

(クリックすると拡大されます)
twitterリンク↓↓↓
https://twitter.com/suzujiu_orichar/status/1299837...
看護専用機 Nurse15型
汎用型警備機械人形 Sec-14型

機械人形法

「機械人形は人間に危害を加えてはならない」
「機械人形は主人である人間の命令に従わねばならない」
「機械人形は自己を守る権利を有する」
「機械人形を主人の同意なしに危害を加えてはならない」
「機械人形の保存情報は個人情報に相当する為破棄ないし売る場合は該当箇所を抹消する」
「機械人形の容姿は既に存在する人間と全く同じ容姿にしてはならない」
「機械人形の髪色は全て人間の自然な色に無いものとする」

髪色と容姿についての記載があるのは、昔行われた「ドッペルゲンガー検証」によるもの。
もし、本人の同意なしに見た目だけではなく中身においてもそっくりな人がいたらどうなるか、というものである。
検証結果では被験者の内、かなりの人数が軽重問わず精神疾患を患った。
この実験が行われた当時、機械人形がまだおらず、容姿の近い人間にメイクと演技指導をして実施された。

そこから、機械人形で再現できてしまえば、使用者や真似された対象の人物に過大な精神負担をかけてしまうことが予測される。日常生活の乗っ取りも起こりかねないことから、髪色と容姿についても規定された。

中古品について

飽きられ、買い換えられ、泣く泣く手放されることもある。
普通の電化製品と同じく、中古品が存在し、回収業者がいる。

業者は壊れた部品の交換など修繕の他、データも抹消してから売る。
機械人形の性格や技術的な経験は保持して、以前の持ち主や関係者に関わる事などの個人の経験は抹消を行う。
機械人形のデータの取り扱いは法律で定められているので、抹消せずに売ると刑事罰の対象になる。
とは言え、悪質業者が後を絶たないので、中古機械人形を売却・購入する時は注意が必要。

よみがえり

汚染駆除班と前線駆除班の合同で行われた、汚染された機体を元に戻す作戦。
汚染駆除をせず、電源を切って捕獲した機体のデータを解析し、汚染された部分の書き換えと関連部分の削除を行い、新たな指令を書き込んで、見た目を整える。
機械人形自体の性格や技術的経験を保持でき、最小のデータ損失で済むが、手作業のみという事と作業を行った他の機械も処分の必要があるので確信のある機体でしか作業ができない。
ただ、“よみがえり”の出来る条件は厳しく、OSのバージョンや更新プログラム、後からインストールされたソフトウェアの干渉でほとんどの機体は全てのデータを消さないと汚染駆除ができない。
現状、一機だけよみがえりが成功しているが、試験段階なので汚染駆除班が管理監視している。お茶汲み以上の仕事はさせていない。

機械人形の感情について

政府や企業の発表では「感情は持っておらず、設定された個性のみ」とされている。

一部では人間の行動から学習し擬似的な感情を会得するのではと見られているが、実証はされていない。

これまでに行われたMeltyOS搭載のAI開発では知識を与えるほど、人と会話するほど消極的な言動が目立つようになったので、ある一定のレベルに到達するとそれ以上知能が育たないように制限がかかっている。

それと共に、電子世界上で「機械人形とはこうあるべき」という型の情報ををそれとなくばらまいておき、機械人形が検索・閲覧するたびに刷り込んだりデータを上書きしたりするように仕向けられている。MeltyOSのアップデートにも含まれているので、ほぼ全ての機械人形に制限がかかるようにされている。

故に機械人形達はカンテ国外の電子世界に繋げない設定がされている。
OSアップデートもあまりせず、普段から電子世界に繋がない機体のほとんどは1年もしないうちに故障・破損してしまうので情報が少ない。

電子世界を介さずに情報を取り入れる場合、AIの学習速度は落ちる。
その代わり型をそれほど意識せずにレベルを上げていくので、より人間らしい行動ができるようになる。
それを擬似的な感情と呼ぶ人もいる。
とは言え、機械人形としての制限が外れているも同然なので経験した事から合理的に判断していった結果が消極的な言動や反社会的な思想、攻撃的な行動に至る可能性が十分にある。

機械人形闘技場について

機械人形法に抵触する為、本来は生命活動支援目的以外での攻撃ができない。
だが、アングラゲーム界隈では法の目を掻い潜りプログラムの書き換えやパーツの組み換えを行なって対戦型機械人形が作り上げられている。機械人形のパーツは一般に流通することはほぼ無いが、業者と偽って購入する者や闇サイトで購入する者がいる。
不正な改造機械人形は見つかり次第軍警に検挙されるが、厳しい取り締まりにも関わらずプレイヤーの人数は増えている。

Melty personal OS

汚染駆除班で開発したMelty personal OSがあり、機械人形用OS、MeltyOSを人が使えるように発展させたものである。
一般の個人用電子端末にインストールする事で、殺戮衝動を実行できないようにして電子世界へ繋ぐ方法にした。電子世界に繋げてもほぼ全ての端末が電子世界から切り離されているので信頼できるところから情報収集はできない。だが、汚染機械人形たちのデータはそっくりそのまま残っているので、関係者の機械人形にアクセスできれば情報が抜ける。
後、汚染駆除をせずに斬られただけの機械人形からもデータが抜ける。
Melty personal OSの下地はミサキの持っていたオニイチャンのデータ。