薄明のカンテ - チチトーーク!どころの騒ぎじゃ無い
 パラグラフ14の部屋。ここに集められたのが燐花家の男性陣ばかりであると言う事にテディは頭を抱える。ユウヤミは居ないしロナも居ない。タイガも居なけりゃテオフィルスも居ない。
「完全にストッパー無しじゃん」
 何となく同じ空間にロードとギャリーが居る時点でおかしな方向に行きそうな気もするが、それより何よりテディにとっては『彼』が居ることの方が問題だった。
「や、やあセオドア…」
 遠慮がちに挨拶をしてくるギルバート。そこ遠慮がちにするならセオドア呼びいい加減やめて欲しいんだけど。
「…まあ良いけど、ここに居るメンツ濃いから話によっちゃギルバート影薄れるかもね」
「いや…そこはあんまり喋らなそうなネビロスがいるから大丈夫じゃないか?」
「ネビロスは確かに物静かだけど…」
 言い掛けたテディに影が掛かる。ぬっと音を立てて現れたのはシキだった。
「あ、もっと物静かなシキがいたー」
「何?何の話?」
「ん?このメンツで語るって変な風になりそうだなーって」
「ああ…テーマによりそうだけど…」
 シキはキョロキョロと見回すと視界にロードとギャリーを捉える。そしてうーんと喉を唸らせた。
「兄貴、ネビロスさん、ギャリーさんの三人が居る時点で良い話になるか微妙なところ」
「それはボクも思ってた。この三人が揃うと大体ツッコミ劇始まっちゃうから」
 ボクらの出番、下手したらここだけじゃない?と溜息を吐く若人わこうどズ。そんな彼らには悪いが、無慈悲にも始まってしまうんだなこれが。そして多分、出番ここだけの方が良かったんじゃないかなと思う程には君らも渦中なんよ。


チチトーーク!の始まり


 ※ここから先、人数が増える為台詞の頭に名前が入ります。

ロード「さあさあさあ!始まりましたよ!野郎共、思い切り性癖を暴露してください!」
ギャリー「え?ロードってこんなキャラだったかや?ん?だった…のか?」
ギル「少なくとも僕が初めて見た彼はもう少しまともだったぞ」
ロード「さてさて、べにざくろさんから受け継ぎました『チチトーーク!』ですけども」
ギャリー「受け継いでたんだ。え?いつのまに?どこで裏取引しただ?」
ロード「勝手にいただいて来ました。男しか居ないこの場、ここでは普段女性の前では到底出来ない様な簡単に言うと『飲みの席でやれ』と言われそうな話題をぶっちゃけます。まぁ、今回はタイトルから察せられる通り女性の胸の話ですねぇ」
ギル「そ、それは…待て待て、セオドアはまだ未成年だぞ?」
テディ「…はぁ?良いよボクを気にしてくれなくても。って言うかギルバートに余計な心配されたくないんだけど?」
シキ「テディ、ギルバートさんに冷たく当たり過ぎ」
テディ「別にシキに関係無くない?放っといてよ!」
ロード「はいはい、険悪な空気になる前に話題を変えましょう」
ギャリー「変えたところで胸の話題ってただでさえ怒り心頭な今のテディにとっちゃ真反対なそのテーマ火に油じゃねぇ?」
ロード「とりあえず、テディさんとベネットさんは極力離れましょうか。そうですねぇ…一番席を離れてお願いします」
 ギルバート。テディ。各々離れた位置に席を移動。間にオルカとアサギを挟む。
ロード「さて。では皆さんお待ちかね!ぶっちゃけて下さい、好きな女性の!胸の大きさを!!」
ギル「言い難いわ!!ただでさえ他所様とおいそれと交わす話題でも無いのにシラフで言える訳が無いだろう!!」
ロード「ちなみに私は全部好きです。女性と言うだけで尊いんですよ…」
ギャリー「おいおい何一人だけ妙な株の上げ方しようとしてんだ。そもそもその発言だけで簡単に上がらねぇよ。今までのあらゆる場でのマイナスにしか向かない発言考えろやれ」
ネビロス「では、今入って来た燐花の脳内データをここで挟み込みましょう。えっと…『ロードは好みそのものがヴォイドであるが故に基本的には巨乳好き。通称、一夜お姉さんに選ぶ基準にその趣味が反映される事が多く、あの時あの時の女性はおそらく巨乳です。この時だけは言う程巨乳じゃ無かったみたい』。読み上げさせられる私の気持ちを考えて下さい誰が望むんですかこんな情報」
ロード「おやおやおやおやおやおやおやおや」
ギャリー「『おや』がゲシュタルト崩壊しそうだな」
ギル「相当慌てている」
テディ「ロードも慌てる事あんだね」
ロード「ファウストさん…?勝手に読み上げておいて最後の一言は何です…?」
ネビロス「おや、追加で更に情報が…『ヴォイドに少しでも似ている所があれば一夜お姉さんは基本誰でもイケる』。なるほど控え目に言って軽蔑しました。これを読み上げさせられる私の気持ちを考えてください」
ギル「素朴な疑問だが何故君も素直に読むんだ…?」
ネビロス「『ギルバートは好きになった子がタイプ、を地で行く感じ。なので胸の大きさに特に好みは無さそうだが、やはりそれなりのボリュームがあればそれなりに目も行ってしまう。ちなみにお月見の時にヴォイドにジロジロ見るなと言われて居ますが、彼女が体を見られて怒りより先にあからさまに嫌な顔をしたのは後にも先にもこの時だけです。つまりはそう言う事です』」
ギル「おいいいいい!!何を口走ってるんだネビロス!!え!?そう言う事ってどう言う事だ!?」
テディ「うっわ、油断してたところに流れ弾。ってか何?ギルバート、ヴォイドにそんな嫌な顔される様な目であの時見てたんだ」
ネビロス「『ちなみにギルバートは胸もそうですがイヤリング等揺れる物によく目を奪われています。アンちゃんもツインテールなので歩く時に揺れる髪の毛にフェチを感じて居そう』。フッ…」
ギル「鼻で笑うなそしてバラすな!!!」
ロード「ファウストさん、人のフェチを鼻で笑うものではありませんよ?」
ギャリー「復活が早いな」
ネビロス「『ギャリーは「あんまり大き過ぎるのはなー。女の子はCカップくらいが良いなー」と言いながらその実アンダー次第で見た目が変わる事を知らず実際にCカップの子を貧乳認定しEカップくらいをCカップと思って目で追ってるタイプ。所謂Cカップと言う響きに夢を持ち過ぎて頭の中でやたら巨乳化させてるタイプ。お前の言う「Cカップの女の子」は感覚的にD以上の女じゃダラボケェ』」
ギャリー「随分私怨の籠った狙い撃ち!」
ロード「ああ、居ますよねぇ。正確なカップの感じを知らず『とりあえず生で』みたく『とりあえずCカップ』と男の前で言っているけれど、実際Cカップと言えどアンダー次第で色々あるのにどんなものか分からずイメージだけで語った結果墓穴掘る童貞」
ギャリー「ンだともう一回言ってみろやれ!まぁず言いたい放題言いやがって俺は童貞じゃねぇわ!!」
シキ「え?怒るとこそこ?ギャリーさんの怒ったとこ初めて見たと思ったら、怒るとこそこ?」
ネビロス「『シキは正直よく分かりません。女性と話す時無意識に胸に目が行っているイメージはありますが、多分目が行く理由は自分に無いものが付いているから興味本位で、子供と同じ理屈だと思うんです。そもそもこの歳になって彼にそう言う欲求があるかどうかも謎』」
シキ「あ、俺か。俺情報少ねー」
ギル「無傷か。そして強いな」
テディ「そもそも暴露される度に致命傷負うここの仕様もどうなの?」
ネビロス「『テディはどっちかと言うと胸より足派。足が綺麗な女性を好きなイメージがあります。あの時ヴォイドのヌードを見ても平気な顔をしていたのは仕事モードに入っていたのもありますが、多分足の方が好きなんで胸そのものを特に重要視してませんでした。ある意味不健全です』」
ロード「そう…それ気になってたんですよ…ヌードを見たってどう言う事でしょう…?」
ギャリー「は…?え…?ヌード…?なんて…?ヴォイドちゃんの…?え?嘘でしょ?」
ギル「セオドア…お前そんな事…!?」
テディ「え?ああ…うん……。良いでしょー!?(にっこり)」

 間。

ロード「…私だってあれだけの成長を遂げた彼女の裸体をまだ一度も拝んでいないのに何処の馬の骨とも知らんお坊ちゃんに先を越されあろう事か…触ってますよね!?あの反応、確実にヴォイドに触ってますよね!?今日はもう『うらやまけしからん』なんて冗談言いませんよ、単純に羨ましいんで!あの胸の前で思いっきりブラ外した上ヌーブラ付け替えたなんて…あのカヌル山を目の前にして剰え触りもして何故平常心でいられるんです!?男なんですからxxx(この回はせめていつも以上に規制)くらいしてもおかしくないでしょう!?いや、手ェ出したらただじゃおきませんけどね!?」
ギャリー「マ、マジかよ…ヴォイドちゃんの胸触った上にブラの付け替えまでしてその反応…!?俺十五歳の時なんてエッチな事考え過ぎて風が吹いても爆発しそうだったのに何でそんな平気な顔してられるだ…?健全過ぎて逆に不健康だな…!」
ギル「ギャリー。僕には関係ないが、君ここに来て多分株価下げまくってる気がするんだが」
ギャリー「俺は今気になってる人いるからその人にさえ白い目で見られなきゃいくらでも二重の意味で立ち上がれるから平気」
ギル「その気になってる人も白い目で見ざるをえない程の株価大暴落な気がするが。まあ良いや黙っておこう」
オルカ「『ネビロスは好きになった人がどんな大きさでも特には気にならないタイプ。でも視覚的に魅力を感じるのか好き嫌い関係なく巨乳な子が目前に来ると一瞬目で追ってしまうタイプ。今でこそ見慣れただろうが、一時ヴォイド自身はそこまで好きじゃ無くても彼女がふと休憩してる時とか、特に体勢崩してる時は一緒に胸も動いてそうなので知らず知らず目で追ってそう。エル先生にはスレ先生がいるので、そこは男同士の友情と言うかなるべくふとした時のエル先生の胸は目で追ってません』」
ネビロス「オルカ!?」
アサギ「ああ、なるほど。つまり『体だけで良い』って事だな。アイツの中身がどうであれ、目的が体だけなら関係無いもんな」
 誤解なき様に注釈しておくと、アサギは何の迷いもなく純粋に人間の体を外殻と称し、人間が人間に対して有り難がるより少しトーン落として話している。
ネビロス「あ、アサギまで何を言ってます…!?」
オルカ「『ネビロスはここでむっつりである事が大っぴらに出たので、彼女に求める胸の大きさに拘りは無いですが、どうしても抗えずチラ見してしまうレベルがあったりする話まで固まって来ました。結構前から手も早そうな印象出てたので、それらを総括すると多分、うちの子の中で一番マニアックでハードなエグいAVを涼しい顔して選んでそうな、その癖誰かが下ネタでも言おうものなら「やれやれ貴方も困ったものだ」的に、自分も興味津々なのに他者に罪をしれっと擦り付けるタイプです』」
ネビロス「オルカ!!いい加減にしなさい…!渡されたもの全部読みあげれば良いと言うものでは無いですよ…!?」
ギル「さっき渡されたもの全部読んでたろ、君も」
ロード「おやおや。道理で貴方といると私がやたらと変態扱いされたりスケべ扱いされる率が高いと思いました。まあ事実ですけど。ふーん、私を隠れ蓑に…いえ、生贄にしようとしてたんですね?いやいや趣味に近いものがあるんですからお互い仲良くしましょうよ?ねぇ?」
ネビロス「………オルカ……」
オルカ「だって燐花の脳内メモに書いてあるんだもん。ふーん、ネビロスってそうなんだ!」
 ネビロス、オルカの屈託の無い笑みに居た堪れない空気になる。
ギャリー「もうやめてー、ネビロスのライフはゼロよー」
ネビロス「放っておいて下さい。それか一刻も早く忘れてください…」
テディ「ここ、『チチトーーク!』じゃ無かったっけ?何か皆余計な事言われて致命傷負ってない?」

シキ「『結果。大体が好きになった子がタイプ、を地で行く子達ばかりですので好きな子の持ってるものとその辺は別にして本能で見てしまう子多し。一番むっつりなのはネビロス、好み開けっ広げてる割にはあんま分かってなさそうなのがギャリー、兎にも角にも全ては彼女が基準!でもそれなりに医療的な方の知識もあるので普通に体の悩み相談すら出来そうな程割とやれる男がロード、フェチも同時進行で持ってます!なギルバート、ある意味一番健全じゃ無いテディ、どう転ぶか分からないシキ。つまり大体皆乳が好きな大前提がありますので今日も今日とて脱線しました』だって。これじゃない?余計な事言われて致命傷負ってる理由」
ギャリー「えれぇ事だな…ここに居ると余計な事まで根掘り葉掘りその内やられそうで嫌だ…かくなる上は、涼風さん家の子になるか…そしたらもっと格好良いお兄さんな面見せまくれるかも…こんな好きな子へのアプローチがルパンダイブみたいな感じじゃなくて…」
ロード「おやおや。まあ、大体失敗に終わってますもんねぇ。その例え言い得て妙ですね」
ネビロス「それを言うなら私も…元々こんなキャラじゃ無かったのに…」
ロード「貴方最初っから居るからかキャラのブレ幅一番大きいですもんね」
 すみません。
ネビロス「べにざくろさん家の子になれば…もっとミアと一緒にいられますかね…」
ギル「…その考えが根底にあるから君はどう足掻いてもうちの子なんだと思うぞ」
テディ「絶望が過ぎるね」
ロード「仕方ないですよ。私達がちょっとでもエロい事考えようならそれは問答無用で燐花家の子だからと言う事になります。人間味を求めた結果他の家の方以上にアフター感強くなってしまうんです。私達はその犠牲者ですよ」
シキ「…にしても、皆プライバシー守られてないにも程がない?」
 ちなみに構想練るだけで何もしてませんが、ウルちゃんとシキで山に行く話も考えてまして、そこで肩車する際シキがウルちゃんに「足開いて」で無く「股開いて」とうっかり口走るシーンは入れ込もうと思ってました。
シキ「え、最後の最後に俺」
テディ「嫌だシキー、最低ー」
シキ「無実の罪にも程がある」

好みのタイプを語り合いっ!

ロード「思い付きで次は好きな女性のタイプについて語ってほしい、らしいですよ。全くここまで俗な話まみれになるともうここは酒の無い居酒屋ですね」
ギル「酒の無い居酒屋って色々破綻しているな」
ロード「ちなみに、この後話題がR指定入った場合にのみ酒が出てテディさんには御退出願います」
ギャリー「…んー…俺酒飲みたいなぁ…」
ギル「ちらちらこちらを見るな!君はどちらかと言うと猥談がしたいだけだろう!?僕は付き合わないからな!そうなったらセオドアと一緒に僕も帰るぞ!」
テディ「嫌だ絶対一緒に帰りたく無い」
ギャリー「行っちゃうの…!?酷い…!!ギルバートはアタシより仕事の方が大事なのねっ…!?都合良い時だけ甘い事言う癖に…!酷い…酷いわっ!!」
シキ「ギャリーさんもう酔ってない?」
ギル「カメラを止めろコイツを殴る。コンプライアンスなぞ知った事か」
ギャリー「きゃー!!ドメスティックバイオレンスの行われている現場よー!!」
ネビロス「何してるんですか貴方達…」
テディ「本当だよ…どうでも良い会話で時間使って…それよりもギルバートのキャラ崩壊が正に行われている現場って事の方がある意味怖いよ」
ロード「では容赦無く話を進めましょう。誰からが良いです?需要あるの誰だと思います?」
アサギ「お前…一番手に立候補しそうだったのにならないんだな?」
ロード「うふふふ…純粋な猥談なら良いんですけどね。好きな女性のタイプなんてそんな、照れますから」
ギル「純粋な猥談とは」
ロード「じゃあ、テディさんから行きます?燐花生みの親曰く『キャラ作りの最後まで恋愛対象をどっちにするか悩んでいた』らしいですよ」
テディ「聞きたく無かったその裏話」
ロード「まあ、それはさておき好きな女性のタイプをお願いします」
テディ「うーん…格好良い雰囲気の人にはちょっとグッと来ちゃう。背が高くてー、ちょっと細めでー、足の綺麗な人!」
ネビロス「…早速直前に出た設定を盛り込んで来ましたね…」
テディ「結社内の女の子で例えた方が良い?需要ある?」
ロード「…あるんじゃないですかねぇ?」
テディ「当てはまるとしたら…ユリィかな?背も高いしスラっとしてるし、パンツ似合いそうな女の人って格好良くて好き!」
シキ「意外だよね、格好良い系の人が好きだなんて」
テディ「ほら、可愛い系はボクで充分だから(どやっ)」
シキ「Fuーーーー!!」
ロード「待て待て待て、十年近い付き合いになりますがお前のそんな姿未だかつて見た事無かったんですが」
シキ「ここは何でもありだから俺もはっちゃけようかな?って」
ロード「急にはっちゃけないでくれません?と言うかはっちゃけるなら全振りしてくれません?声ばっかりパリピで無表情ってどう言う感情ですかそれは。心の準備が伴いませんよこっちは」
ギャリー「シキ、もう酔ってない?」
ギル「君はさっき言われた仕返しとばかりに言うなよ」
テディ「話戻して良い?(圧)」
全員「「どうぞ……」」
テディ「格好良い年上の人ーって口ではそう言ってもさー、何だかんだ結局いつも同年代の可愛い系の子好きになっちゃうんだよねー…だからもしかしたら、可愛い系の子好きなのかも。少し前に好きだった子もそうだったよー」
ネビロス「おやテディ、好きな子居たんですか?」
テディ「……うん、まぁねー…すぐ終わったけど。その子、ボクが本当に好きになる前に別の人に片想いしてたの知ったから割と直ぐ諦められた。片想いに片足突っ込んだくらいで終わりかな。本気で好きになっちゃう前で良かったけどねー」
ギャリー「ああー…分かる…青春してんなぁ…」
テディ「はい、ボク終ーわりっ。もうこれ以上はプライベートなので答えませーん!次次!次の人誰ー?」
ギル「で、では僕が…」
テディ「ああ、アンが好きなんでしょ?知ってるー」
ギル「くぁwせdrftgyふじこlp」
ギャリー「嘘みたいな声出したよ」
ギル「え!?はぁ!?何故バレている!?」
ネビロス「むしろバレていないと思っていた事に驚きです」
ギル「そ、そんな…忍恋だと思っていたのに…」
ギャリー「何で忍べてると思ってただ?常日頃ダダ漏れてるけど?」
テディ「って事は?ギルバートの好みはツインテールで色白で強そうな人って認識で良い?次行って良い?」
シキ「いや、聞いてあげようよ」
ギル「そ、そうだな…見た目はまあ、好みなのは好みだが…実は最初は印象良く無かったんだ…多分、お互いに…」
ギャリー「え?意外」
ギル「僕は貴族の間で色々あって…結構人間不信気味になっていてな…貴族の女性と違い荒々しく、尚且つ岸壁街出身であるにも関わらず平然と過ごしているアンが…なんて言うか、羨ましかったんだ。彼女の苦労も知らず勝手にそう思ってたんだよ。それで勝手に嫉妬してたんだ…」
ギャリー「へぇ…嫉妬からのスタートねぇ…」
ギル「結構強く当たってしまった…と思う。当時アンへの呼び方もフルネームで呼び捨てだったからな…一番失礼な当たり方をしていた気がする。でも、アンはそんな僕に良くしてくれたんだ。立ちくらみを起こした時に僕の体を支えて医療班まで連れて行ってくれて…あ、改めてそう言うと恥ずかしいな…」
シキ「すげぇ…ギルバートさんがまともに恋愛してる」
ロード「お前…このタイミングでそれはエア・クラッシャーにも程がありますよ…」
シキ「好みのタイプ云々って言うより、アンさんが好きなんだね」
ギル「そ、そうだな…愛の日にも彼女の為にスコーンを作ったし、彼女からも貰えたし…」
テディ「あれスコーンだったの!?」
シキ「あからさまに妙な目で見られてそうなのに貰えたの?」
ギャリー「十代二人の無遠慮がすげぇ」
ギル「失礼な…ちゃんとスコーンだ!母から聞いたレシピを割りと再現して作ったんだ!ただ…あの爆弾の様な塊を入れるオーブンが無くて、仕方なくホイルで包んで焼き芋みたく焼いたんだが…」
シキ「割りとって」
テディ「よくアンお腹壊さなかったね」
シキ「その後避けられ気味なのってやっぱあの岩の親戚が不味かったんじゃない?」
ロード「貴方達その辺にしてあげて下さい。若いからと言って無遠慮に追い討ちして許されるものじゃないですよ」
ギル「正直に言って彼女の事は、実は今だって本当は何も知らないのかもしれない…彼女の苦労も、今抱えている問題も…僕よりも相応しい人が居るのかもしれないとも思う時があるのだが、それでも好きになってしまったし母にも啖呵を切ったからな。当たって砕けるまでは頑張りたいところだ…」
テディ「……は?おばさんに啖呵切ったの?あのおばさんに…?馬鹿じゃないの!?」
ギャリー「え?そんなにおっかないの?ギルバートの母ちゃん」
テディ「割りとお家柄重視で結構癇癪持ちだったよ」
ギル「…父も病気をしてすっかり弱くなったし母も今はそこまで色々言わない。見栄とか体裁とかにそれほど拘らなくなったからな。まあ、だからこそ言えたのもあるが…。僕はそろそろ良いだろ?次、誰か何か言ってくれ。ギャリーとかどうだ?」
ギャリー「アイヤー。ワタシそんな面白い話持ってないよー」
 ギャリー、設定の最初の最初の段階では今の喋り方では無く胡散臭い似非っぽい喋り方でした。
ロード「それ出したところで逃げられる場所じゃないんですよ、パラグラフ14の部屋と言うのは」
ギャリー「うーん…とは言えなぁ…」
シキ「そう言や色んな人に声掛けてるけど、好みのタイプみたいなのあるの?」
ギャリー「そりゃあるさ。そうだなぁ…芯が強い人が好きかな?やっぱ好き合うなら対等でありたいし、あんまり言いなりになっちゃわないと言うか、我慢みたいなのしないでくれる子が良いかも。そう言う子でも我儘言える様な男でありたいわけ」
シキ「意外」
ギャリー「そうかや?」
シキ「物静かなヤマトナデシコみたいな人好きかとばかり。俺みたいな」
ギャリー「シキはヤマトナデシコってどんなんだと思ってんだ。間違ってもお前を例えるならヤマトナデシコじゃねぇよ。いや?好きだよ?見た目の好みはそうだなぁ…着物とかも似合う感じの人かな?」
 この瞬間、全員の頭に浮かんだのは某前線駆除班の着物姿の彼女であった。
 …が、何故かシキの頭に浮かんだのはロナ・サオトメであり、彼は意味が分からず頭を抱える。
シキ「着物が似合って我慢しない…うん、我慢し過ぎてよく胃を痛めてるイメージあるもんね、我慢はしないで欲しいよね」
ギャリー「ん?ああ、胃痛訴えるまで我慢されたら確かにおどけるなぁ」
ロード「…シキ。多分ですが皆と違う人の話をしてますね…?」
シキ「……前線駆除班のロナ・サオトメさん…?」
テディ「やっぱりねー」
ギャリー「おいおいシキ、俺の対象は女の子だけだって」
シキ「ごめん、着物って聞いて最初に浮かんだのロナさんとアサギだけだった。後、ヤマトナデシコって聞いて俺だとばかり」
ギャリー「男と機械人形って。せめて女の子にしてくれ。後何でお前は頑なに自分がヤマトナデシコだと言い張るんだよ」
ギル「意外と真面目な『好き』なんだな、君は」
ギャリー「そりゃそうさや。あ、後は程々にエロい子だと嬉しい」
ネビロス「…ロードと言い、どうでも一回株価落とさなきゃ話せない方が多い様で」
ギャリー「ええ!?落ちるかぁ!?そこ重要じゃねぇ!?結婚したら離婚事案にもなるぜ!?」
テディ「それよりボク、ネビロスが気になるんだけどー…」
 全員の視線がネビロスに注がれる。逃げようとするネビロスの服の裾をテディは掴んだ。
ネビロス「…必要あります?」
テディ「ミアとお付き合いしてるのは知ってるよ?でもそれと好みのタイプは別じゃない?」
ネビロス「…そんなに別じゃないです。少なくとも元気で明るい方が好きなので…ミアは確かに好みの方ではありました」
ロード「ああ、貴方暗いですもんね」
ネビロス「失礼ですね。私にも明るい時期くらいありましたよ、生まれてから三年くらい…」
シキ「短っ」
ネビロス「まあ…あんなに底抜けに明るい子は初めてですけどね…でも私はあそこまで明るいくらいが…好きです…」
テディ「ふーん…見た目は?」
ネビロス「そうですね…髪の毛は短いよりは長い方が好きかもしれません」
テディ「ふんふん…じゃあ、ピンクとオレンジどっちが似合う方が好き?」
ネビロス「……念の為聞きますけど何の話ですか?」
テディ「え?あ、今度ミアにメイクしてあげようかと思って」
ネビロス「…ああ。何だ、メイクですか。え?またテディがやるんですか?」
テディ「何だと思ったの?ってか何?え?何か不都合でもあんの?(圧)」
シキ「…何でパラグラフ14の部屋来るとテディ、喧嘩腰になるんだろう…」
オルカ「そんな事より、もう聞いてないのロードとシキだけなんだけど」
ロード「おやおやもう追い込まれましたねぇ」
シキ「ちぇっ。言わずに逃げ切れると思ったのになぁ」
テディ「引っ捕らえろー!先ずはロードから!」
ロード「…どうしても言わなきゃ駄目です?」
ギル「皆言ってるから一応な」
ロード「うーん、そうですねぇ…いっぱい食べてくれる方が好みです。それなりに頭が良くて、でも少しぼんやりしていてほんの少し天然で──」
 皆何となく医療班の例の女性を思い浮かべた。と言うか、ロードだから多分そうだろうなと言うのは全員思った。
ロード「──垂れ目よりは吊り目で尚且つ少しジトッとした目をしてると良いですね。あ、後胸は大きい方がそそられます。髪の毛はセミロングくらいが好きですね」
テディ「もう完全に一致する人が医療班に居るけどさ」
ロード「それから、出来たら毎日私の有り余る獣欲を受け止めてくれると嬉しいですねぇ、うふふふふふ」
ギャリー「急に強めの妄想入ったな」
テディ「何でロードっていちいち親父向けの官能小説みたいな事言うの?」
ロード「失礼な事言いますねぇ。もう少し年齢層若い言い方してますよ」
ギャリー「官能小説は否定しないスタイル」
ギル「最後に残ったのはシキか?少し前…ウルリッカを肩車しているところを目撃されていたが…彼女みたいなタイプが好きなのか?」
シキ「あ、うん。ウル好き」
テディ「よく一緒にいるのはクロエだよね?あ、大体ロードも一緒だけど」
シキ「うん。クロエも好き」
テディ「何?貧乳好きなの?」
 何故だろう。テディはパラグラフ14の部屋に来ると急に反抗期を前面に出す気がする。
ギル「セオドア。あらゆる方向に喧嘩を売るな」
テディ「別に喧嘩なんて売ってないけど。で?どうなの?正直どんな子が好きなの?」
シキ「んー…俺より背の低い子、かな?」
全員「「二メートル超えの女の子がおいそれと居てたまるか」」
>望まれたらto be continued

シキ「望まれたら?」
ロード「冒頭でも言った通り、続いたらテディさん抜きの酒入りです」
シキ「あー…え?逆に聞いて良い?続いたとして何話すの?」
ロード「全くもって未定です。なので実質ここで一旦終わりです」
シキ「本当無計画だな」

余談ながら

ロード「さてそろそろ大人の時間ですよ。やらしい大人の時間です…うふふふ」
ギャリー「ロードが言うと未成年者お断り感が六割くらい増す気がする」
テディ「じゃあ、眠くなって来たしボク帰るねー。まさか男だらけで恋バナする事になると思わなかったー。面白かったけど」
オルカ「僕も帰ろー。僕そもそも無性型だしそう言う話になるなら居ても意味ないからね」
アサギ「じゃあ俺も。男型だけどセクサロイドじゃないからな。その辺の話はそんなにインプットされていない」
シキ「え。油断してたらアサギが一番とんでもない事言ったね今」
テディ「じゃーねー。何か弱み握れそうな話題出たらボクに流してー」
ギャリー「テディもサラッとすげぇ事言ったなぁ。本当抜かりない恐ろしい子」
 大人達。テディ、アサギ、オルカの三人を見送る。三人の姿が見えなくなった頃、ギルバートは逃げるタイミングを逃した事に気付いてしまった。
ギル「しまった。何をにこやかに見送ってたんだ僕は…!?完全に逃げるタイミングを逃してしまった…!!」
シキ「まあ、テディの拒否っぷりも凄かったし、どっちにしろ一緒に帰れなかったと思うけど。それよりさぁ、俺さっきの流れで凄ぇ引っ掛かった事あんだよね」
ロード「おや?珍しいですね。どうしました?」
シキ「いやぁ…ギルバートさんの好みの話でさぁ…テディが言ったじゃん?「ギルバートの好みはツインテールで色白で強そうな人って認識で良い?」って」
ギル「確かに言ったな。間違ってはいないから否定はしなかったが…」
シキ「俺さぁ、気付いちゃったんだよ。それに該当する人が居るから多分誤解されない様にギルバートさんは否定した方が良いって」
ギル「該当?誤解?何の話だ?」
シキ「ツインテールで色白で強そうな人…それってもはや…レ◯ィ・ビ◯ードちゃんだよね…?」
 一同、頭に浮かぶのは『永遠の髭少女』のタイトルである。その強靭な肉体を脳裏に浮かべ、全員首を横に振った。
ロード「忘れましょう…!忘れましょう…!!これ以上のメタ発言は許されません…!!」
ギャリー「もうさっき俺『ルパンダイブ』とか言っちゃったしこの空間メタメタにメタなんだろうけど流石にそこまで振り切ったら戻れなくなる…!!」
シキ「あ、そっか。ごめん、忘れて」
ギャリー「訂正しよう。僕はアンが良いのであって色白で胸毛と髭が男らしいのに何処かカワイイと思わせるツインテールの彼が良い訳ではない。決して」
ギャリー「ここで謎の倒置法やめろ!!燐花生みの親が『赤◯きんと健康』の根っからのファンだって事バレるだろ!?」
ロード「最近は『マツ◯ノア◯メ』にもどハマりしてるんですよ!?このままじゃシュール街道まっしぐらでもれなくファウストさんが常軌を逸脱した行動を取り始めます!」
ネビロス「何故私なんですか」
シキ「多分、一番ギャグに振り切らせたら面白そうだからじゃないかなぁ」
ネビロス「嫌ですお断りします」
ギル「台詞に句読点が入らなくなった時点で君も仲間だよ。僕と一緒に謎の倒置法を極めよう」
ネビロス「すみません、ここは酔っ払いの巣窟ですか?飲んだ記憶が無いのに酔ってそうな人間が数人いるんですが」
シキ「そんな事よりお酒頼もうよ」
ギャリー「嘘だろ?この事態引き起こした奴がもうこの空気に飽き始めたよ」
ロード「パラグラフ14の部屋入ってからシキが一番自由ですね。何なんでしょう…この一人勝ちと言うかボケが他の追随を許さないと言うか無敵な感じ…」
シキ「大ーきなイチモツをーくーだーさーいー♪」
ギャリー「歌うな歌うな飽きて歌うな」
ギル「歌ったとしてなんてチョイスだ」
ロード「自由過ぎません?」
シキ「俺今日揚げ物な気分なんだよね」
ネビロス「我先にこの空気から離脱してますね。こちらとしては責任持って回収して欲しいんですが」
シキ「えぇ…?俺ぇ…?」
ギャリー「他に誰が居るんだよ」
シキ「仕方ないなぁ…分かったよ。じゃあ、責任とってアゲル…」
ロード「え…?きゅんです…」


ギャリー「え?馬鹿じゃないの?」
ロード「おっと」
ギャリー「呑まれんなよ」
シキ「ところで給食に出たパンに謎の毛が生えてた話する?」
ギル「おいおいおいオチまでしっかり全部言ったが!?」
 ※燐花の中学時代の実話です。
シキ「それか、給食で大好きなコンソメスープを最後に食べようとしてたら小バエが突然の入水自殺決め込んで一口も食べれなかった話する?」
 ※燐花の中学時代の実話です。
シキ「後は、歩いてたら凄い勢いでセミが飛んで来て口に体当たりした上そのまま入って──」
ネビロス「ストップ、ストップ。虫とホラーは性的なコンテンツ以上に時にセンシティブですよ。それ以上はやめなさい」
シキ「ごめん」
ギャリー「すぐ謝れる子…」
ネビロス「ここに書かれるものは大体燐花生みの親の実録と言うから余計タチが悪いんですよその手の話は…」
シキ「エグい人生送ってるんだね」
ネビロス「ネタみたいな人生とも言えます」
ロード「はいはいはい!さて次はいよいよR指定ですよ!?簡単に言うと伏せ字がなくなります!!」
ギャリー「次回!燐花家の男子達!「伏せ字失くなる!?」デュエルスタンバイ!!」
ギル「現時点で何も考えていないらしいが?」
シキ「伏せ字失くすってことはメタ発言も無くなるのか」
 現時点で考えているのは、伏せ字を無くす予定故メタ発言が消えるであろう事だけ──

ネビロス「この回何だったんでしょう…?」

深夜一歩手前のテンションで(R-15)

 ※下品な話題兼「やにわに去りて」裏話的な物がポンポン出て来ます。主に書いてる時の燐花生みの親の失敗談が出て来ます。
 ネビロスのキャラが結構行方不明になってます。

ロード「うふふふふふふ…!ついに、ついにやりましたよ…!!ヤりました!!我が生涯に!!いっぺんの悔いなしです!!いやまだありますけど!」
ギャリー「く…っ!腹立つ…!!」
ロード「うふふふ…好きなだけ腹でも何でもおっ立ててください。私は何を言われても気にしません」
ギル「え?何がどうなってる?何でロードはあんなに上機嫌なんだ…?」
ネビロス「ああ…ロードが執念く燐花生みの親に念を送り続けた結果、とうとう逃げられなくなった燐花生みの親がロードの過去話もとい『大体十八禁な話』をやっと仕上げたから、らしいですよ」
ギル「そ、それであの浮かれようか…!」
ネビロス「全く…おかげで先に書こうとしていた『くしゃみ話』も途中放棄だそうで」
ギル「先に書こうとしてたのも『くしゃみ』ってどうなんだ」
ネビロス「そこもメインはロードでしたから。何とかそっちの話仕上げるからと、過去話から目を逸らさせようと頑張ったそうですが。ロードが暇を見付けては燐花生みの親の頭の中に昔の諸々を後から後から見せつけるのでこれはもう書き上げなければ他のものが手に付かない、となったらしいです」
ギル「何だその迷惑極まりない話は」
ネビロス「話によるとロードの送り付けて来る過去の映像に整合性付けようと気を取られ過ぎてスーパーで大量購入後の財布忘れに気付いたとか」
ギル「日常に支障が出ている」
ロード「こらこらそこのお二人、聞き捨てなりませんねぇ。確かに暇を見付けては過去の映像を送り付けてましたが、財布忘れには前科がありますからね!?それは燐花生みの親のうっかりによるところが大きいですよ」
ギル「それも否定はしない」
ネビロス「幼い頃あまりにボケが過ぎて『MRI撮ったら脳みそツルツルなんじゃないか?』と大人に揶揄われたくらいには小さい頃から呆けていたみたいですからね」
シキ「あ、すみません唐揚げ追加で」
 君達、燐花生みの親の御前ぞ?
 特権フルに使って全員醜態晒す様な作品作ったって良いんだからな!?
ギャリー「何か言ってらぁ」
ギル「放っておけ。どうせ今の燐花生みの親には何も出来ない(マジなトーン)」
ギャリー「……それよりさぁ…!へぇ何だや?一人さっさか十八禁に足突っ込みやがって…!!この七三スーツ!!」
ロード「うふふふふ…おかげさまでもう怖いものは無くなりましたね…!」
ギャリー「くっ…!これが『どっちも燐花家の子』の特権か…!?俺は相手がべにざくろさん家のセリカちゃんだから今やっと名前で呼んでもらえる様になったとこだってのに…!!」※自分から好きな人をバラしていくスタイル
ロード「うふふふふふ、これはこれは一足お先に…すみませんねぇ、過去の話とは言え良い思いさせていただきまして!」
ギャリー「し、しかも相手本当にあのヴォイドちゃんだったのかよ…!『元カレみたいなもの』ってあながち嘘じゃなかったのか…てっきりロードの狂言だとばかり…!!」
ロード「んな訳ないでしょう」
ギル「はぁ…」
ネビロス「どうしました?」
ギル「何故僕の周りってこんなんばっかりなのだろう…?と思ってな…」
ネビロス「……それについては同意です」
ロード「おやおやおや?どうやら酒が足りないみたいですね?ほらもっと盛り上がりましょうよ、シキを見てください!!」
シキ「あ、すみませんチーズ揚げと唐揚げ追加で」
ロード「………ほらね!?」
ギル・ネビロス「何が?
ロード「シキは先程からもう慣れた様子でフードメニューを頼んでいます。そして未成年であるテディさん、このテの話題と無縁とも言えるアサギさんオルカさんにはもうお帰りいただきました。となると…?」
ギル「…と?」
ネビロス「なると?」
ロード「…さぁさぁ!!やらしい大人だけの猥談を始めますよさぁさぁ!!」
ギル「引く程煩い」
ネビロス「どうしたものか」
ロード「うふふふふふ…!!もう今宵は宴!宴ですよ!!私の華々しき十八禁デビューに!!」
ギル「語弊がありまくるだろ」
ギャリー「…俺も続きてぇ(ボソッ)」
ネビロス「その前に私です(しれっ)」
ギル「あ……(味方が一人も居なくなった瞬間)」
ギャリー「えー?ネビロス?いやいやいや!まだ駄目だろ!?相手見てからモノ言えや!あのミアちゃんだよ!?」
ネビロス「…それはまあ、そうなんですけど…」
ギャリー「俺が言うのもなんだけど、ネビロスはそろそろ少しセーブした方が良いと思うよ!?付き合う前『犯罪にならないだろうか…』って心配してた割にはアンタ結構手ぇ早いよな!?飛ばし過ぎだって絶対!!」
ネビロス「…そうですか?普通じゃありません?」
ギャリー「あーうん。まあ、話聞くにロードが一ヶ月待てが利いたってのも凄ぇと思うけど」
ロード「あれは褒められて然るべきでしょう!?自分でもよく我慢したと思うんですから!プロット段階での予定は三ヶ月だったんですよ!?三ヶ月って…私を殺す気ですかね!?そうでなくとも一ヶ月ですよ!?ずっと隣に居てその期間分手ぇ出せないとかどんな拷問ですか!?」
ネビロス「本当よく一ヶ月でも保ちましたね、貴方が」
ロード「…す…好きな人のあんな姿見たら簡単に限界なんざ突破しますし理性なんざ飛びますけどね。でもなるべく優しくしてあげたかったし私もあの一ヶ月は毎日頭の中ぐちゃぐちゃになりましたよ本当…最後は理性より本能が勝ちましたけど」
ギャリー「ロードって意外と待てるんだな」
ロード「今彼女前にして同じ事やれって言われたら絶対無理ですけどね」
ギャリー「しかも最初、諦めて一回出そうとしてたくらいギリギリだったじゃん。よくアレで保ったよね」
ロード「そんなギリギリな状態で「我慢するから良いよ」なんて言われてみてくださいよ…まあ、あんな状態になるまで私もよく耐えたと思いますけど…」
ネビロス「……」
ギャリー「あれ?ネビロスどうしただ?」
ネビロス「わ…」
ロード「わ?」
ネビロス「…私は耐え切れる自信がなくなって来ました…」
 よっしゃ、ミアちゃんの為にもしばらく書かん。
ネビロス「ロードの話聞いているとそこまで丁寧に出来るかどうかも分から…(ギャリーに口を手で押さえられる)」
ギャリー「ストーップ!ストーップ!分かった分かった!不安なのは分かったけど今それ以上言わなんで!聞いてる燐花生みの親が『させねぇ』ってとうとうアップを始めたから!シたかったら黙れ!」
 おい。オメェもだぞギャリー。
 あくまで決定権は女の子側…そしてもっとメタい発言をするならば展開も含めてその親たるべにざくろさんにあるって事忘れんな…?好き勝手動ける訳じゃ無いんだからな…!?
ネビロス「……」
ギャリー「…ねえ、これ俺ら詰んでない?」
ギル「こ、こんな話題がこの後も続くのか…!?もう嫌だこの酔っ払い達…!!」
ロード「そろそろ一杯目頼みますか?皆さん何にします?」
ネビロス「とりあえず生で」
ギャリー「俺も」
シキ「ラーメン!」
ロード「〆に入るの早過ぎますよシキ。では私も生で」
ギル「え!?これ素面での会話だったのか!?」
ロード「ベネットさん、何にしますか?」
ギル「あ…」
ロード「んー…?」
ギル「ス、スクリュー・ドライバーで…」
ギャリー「随分可愛いチョイスだな」
シキ「俺カシオレ」
ギャリー「何だこの二人チョイス可愛いじゃん女子か」
ギル「え…!?本当に一杯目か!?皆一杯目!?本当にこれから一杯目か!?素面であんな飛ばした会話してたのか!?何だって!?」

 ──頑張れ、ギル王子

ギル「そっちの更新もどうにかしろ!!」

女の子も語るよ

 男性陣と時を同じくして、違う飲み屋。
 ここには燐花宅の女性キャラが集められた。

バル「そもそもどうして青っぽい先生ってそんな巨乳になったのよ?」
ヴォイド「知らない(ぷいっと顔を背ける)」
バル「あ!もしかしてあれ!?揉まれて大きくなったとかそう言う!?」
ヴォイド「うるさい」
バル「そう…大好きな彼氏に揉まれたか…(生暖かい目)」
ヴォイド「違ううるさい(睨み)」
ヒギリ「おぅ!?良いよねー巨乳な皆様は!どうせ私は!!グラビア格安だもん!!おぅ!?」
クロエ「すみませーん、ここにもう出来上がった酔っ払いがいるんですが」
ヒギリ「おぅ!?何なんだよー!クロエちゃんは仲間だと思ってたのにー!!突然の裏切り!!酷いよー!!」
クロエ「こんなタチの悪い酔っ払いと分かち合う何かを持った記憶はありませんね。それよりヒギリ氏がこんなに酒に弱いと思いませんでした。あと、こんな煩くなると思いませんでした」
ヴォイド「の助、おぅおぅうるさい」
クロエ「ヴォイド氏は一言二言しか喋んねぇし…ここにはまともに人とコミュニケーション取る気のある人間は居ないのか」
バル「あら、紫っぽいの。随分辛辣ねぇ」
クロエ「バーティゴ氏、あんたここで普通に私の名前呼んでたじゃないっすか。何スか?急に判別付かない程目ぇ悪くなったんスか?」
バル「嫌だこの子ったらー。本当言葉選ばないんだからー」
クロエ「すみませんわざとです」

 しばし、間。

バル「で?皆誰か好きな人いないの?お姉さんに教えて?」
クロエ「『で?』じゃないんすわ。唐突に話し始めて『で?』じゃないんすわ」
バル「何よー!こんな場じゃなきゃそんなぶっちゃけ話なんてしないでしょー!?」
クロエ「あのね、ここは曲がりなりにもチチトーーク!でしょ?不本意ですがせめてテーマに則って乳の事話しなさいよ」
バル「だってー、それじゃすぐ終わっちゃうでしょ?カヌル、カヌル、板、板ですぐ説明終わっちゃうじゃなーい」
ヒギリ「おぉん!?今板って言ったよね!?私の事板って言ったよね!?いくらバルさんでも言って良い事と悪い事あるもん!」
ヴォイド「ヒギリ、バルさん呼びやめて。燐花生みの親の生きる世界にはそんな名前の『隅々まで効く』殺虫剤あるっぽいから」
バル「良いわよバルさんでも」
クロエ「ったくこの大人ども…」
バル「しかしセーラー服着てる紫っぽいのがそれなりに飲んでて青っぽい先生と赤っぽいのがほぼ飲めてないって、不思議な光景ねー」
ヴォイド「私、飲むとすぐ参るから」
バル「やだー。か弱く見えるから酒に弱い女って得よねー」
ヴォイド「そうでもない。それを利用しようとする男に狙われる事は多かった」
バル「あー…うん。それは私も身に覚えがあったわ、ごめんね…。何だ、あんたも色々訳あり?何と言うか…姑息以下よね、そう言うの…」
ヴォイド「バーティゴもあったの…」
バル「あったわよ?あまりにも酔わな過ぎた上に中途半端に酔わせると暴れるって学習されて早々にその手は使われなくなったけど」
ヴォイド「そうなんだ。まあ、私もやられる前に皆やり返してたからその失敗はしなかったけど」
バル「どんな?」
ヴォイド「まずアルコールの匂いを先に嗅ぎ分けて絶対に飲まない様にして予防したけど…もっと悪質な、開き直って薬とか盛ってるって気付いた時は──いわゆるグロとか暴力注意かもしれないけど聞く?」
バル「あらやだ」
ヒギリ「ところでこのチーズ揚げ何個食べて良い?おぅ?」
クロエ「ヒギリ氏、この空気の中よくマイペースで酔っていられますね。っつーか、その『おぅ?』は最早酔ったあんたの語尾っすか?」
ヒギリ「おぅ?」
バル「はは、懐かしいわぁ…こんな風に夜中に語らって飲んでた事もあったっけ…」
クロエ「バーティゴ氏、急にノスタルジーですね」
バル「まぁね。これでも色々あった人生だから…本当、最低な男を記憶してるってだけよ。人懐っこい語り口で近付いて来て…気付いたら心のうんと近くに居座ってて…まぁ娘を残せたのは良かったかな…?」
ヴォイド「…旦那?」
バル「旦那…旦那かしら……?戸籍には何も残ってないわ。あの人と私を繋ぐものは何にも…」
ヴォイド「え?…ヤり逃げ?」
バル「…ぷっ!あはははっ!確かにね!結果だけ見たらそうなるわねー!本当、次捕まえたら私の人生と同じだけの時間使ってどれだけ辛かったか説教してやりたいわ」
クロエ「人生と同じだけ、ねえ」
ヴォイド「…うん、バルにとって有益な人間だったんだろうなって事は何となく…あってる?」
クロエ「あってる様なズレてる様な」
ヒギリ「ご贈答フナムシ…(寝言)」
クロエ「おい」
ヒギリ「処しり御殿さんま天国…(寝言)」
クロエ「何言ってんだこいつ」
バル「とりあえず乳に関してはカヌル(自分)、カヌル(ヴォイド)、板(クロエ)、板(ヒギリ)で良い?」
クロエ「どんなまとめだ」
ヒギリ「怒り信徒いかほど祭…!!(寝言)」
クロエ「ヒギリ氏が寝てても怒ってる事だけは分かった」

 それからどんどこしょ。

バル「じゃあさー、乳について語ること少ないからせめてあんた達恋してないの?恋バナしましょうよー」
クロエ「特に語れる事はないですが」
ヴォイド「同じく」
バル「嘘よ…あんたら二人燐花家の子筆頭じゃない!」
クロエ「知るかよ」
バル「ぶっちゃけ私心配なのよ、何だかんだ可愛い部下だからね。ねぇねぇ、ルーの事どう思ってんの?」
クロエ「牛乳配達員(即答)」
バル「何なのその『餌くれ係』みたいなの」
クロエ「え?ありがたい事ですよ?私としては、牛乳は戦利品の最たるものなので。いかに上手く兄さんからたかろうかと思っていたらルーウィン氏がくれると言ってくれたのはありがたかったですね」
バル「へー…」
クロエ「と言うわけで、私の将来の夢は酪農家の嫁に決まったので」
ヴォイド「牛乳一本で将来決めるの…?」
クロエ「牛乳だからこそ将来が決まる…って言うかヴォイド氏、くそ兄さんと同じ様な事言わないでくださいよ」
ヴォイド「……言ってない」
クロエ「今言ってます。正に」
バル「くそ兄さん…って、あの真っ黒いの?あの人と第六小隊長殿と色のイメージ被るからたまに間違えそうな事あるわ。ネクタイの色の有る無しで何となく分かるけど。第六小隊長殿こそ本当にモノクロだからさ。ん?人事部の真っ黒いのと言えば…青っぽい先生、あんた達仲怪しいわよね」
ヴォイド「え」
バル「なーんかただの知り合いじゃ無さそうな雰囲気なのは感じてたのよねぇ」
ヴォイド「べ、別に…」
バル「本当かなー?怪しいわねぇー…」
クロエ「少なくとも今はくそ兄さんが一方的にヴォイド氏を追っ掛けてますよ。そりゃもう気持ち悪いくらいに」
バル「ふーん……前から思ってたんだけど、あの人さぁ、見た目ああなのに何かスケベっぽくない?」
ヴォイド「うん…!うん…!」
バル「でしょ!?え!?何か知ってる?そう言う話!」
ヴォイド「料理してるとこ背後に回って後ろから胸揉むの好き。後、寝起きに寝てるこっちの胸弄ってそのまま事に及ぶの好き(バラしてやったぜ、と言うドヤ顔)」
クロエ「……ヴォイド氏…馬鹿…」
ヴォイド「ん…?」
バル「ははーん、やっぱあんたらただの知り合いじゃ無いわけだ」
ヴォイド「……!!そんな事ない!そもそもアイツ知らない!」
クロエ「…もう、無理がある」
バル「おほほほ!まあまあ良いじゃない?そんな仲の一つや二つあったってさ!」
ヴォイド「無い!!!」
クロエ「ヴォイド氏、諦めましょう。あんたは今完全に墓穴を掘りました」
ヴォイド「うう…こんな筈じゃ…」
バル「大丈夫、誰にも言わないわよー。ところで、紫っぽいのは何か変な事されてない?ウチのルーが心配してたのよ。恋人だか父親だかパパ活だかとかって、あの人の事でしょ?」
ヴォイド「…え……は…?」
バル「あらやだ、言わない方が良かった?」
クロエ「……バーティゴ氏、空気読めないってよく言われるでしょ」
バル「えへへへっ!」
ヒギリ「むにゃ…何今の気味の悪い笑い声…」
クロエ「命知らずかよこの酔っ払い」

 ヒギリ、覚醒──!

クロエ「要は目覚めただけですが」
ヒギリ「ぅあー…まだムニャムニャするー…」
クロエ「ムニャムニャて」
バル「赤っぽいのは無いの?そう言うの」
ヒギリ「んー…何がー?」
バル「恋愛とか、初体験の思い出とか!」
ヒギリ「はぁぁぁぁぁぁあっ!!?」
ヴォイド「あ、今起きたね」
ヒギリ「なななななな何がどうして何だって!?わ、私にそんな話求めたらいかんよ!わ、わ、私の話なんて面白くも何とも無いんだからヒギリ・モナルダ二十二歳まだ誰のものでもありません尚初デートは遊園地に行きたいです!!」
バル「一息で全部言うじゃない」
クロエ「って言うかヒギリ氏、何も経験無しですか?」
ヒギリ「いっ……!?何で分かるの…?」
ヴォイド「分かるだろ」
ヒギリ「うううう……だって、だって色々あって全然そんな縁無かったんだもん…」
ヴォイド「へぇ」
ヒギリ「うわぁぁぁあんっ!デートしてみたいよぉ!少女漫画みたいな恋愛してみたいよぉぉお!」
クロエ「どんな人と行きたいんですか?」
ヒギリ「ん!?え、えっと…格好良くて、優しくて、浮気とかしなさそうで、大人っぽくて、経済力あって、そんなに手が早い人みたくガツガツこなさそうだけどそこまで淡白じゃなく適度にスキンシップとかある感じで、私の事可愛いってちゃんと伝えてくれて、私の料理『美味しい』って食べてくれる人かな…!?」
ヴォイド「理想詰まり過ぎて面白味ない」
ヒギリ「ヴォイ姐酷くない!?」
バル「何か、恋に夢見てる女の子のお手本みたいな感じ。経済力だけリアルだけど」
ヒギリ「馬鹿にしてる!?」
クロエ「ばーか」
ヒギリ「こら!!」
ヴォイド「何か…の助ってホストクラブとかハマって通い詰めそう」
ヒギリ「行かんよ!!」
クロエ「そう言えばヒギリ氏の事、最初尻軽かと思ってました」
ヒギリ「し、尻軽!?」
クロエ「好みのタイプがあっちこっち行き過ぎてるんで」
ヒギリ「あ、そうだね…実際はただただ懐いてるだけなんだよ。この人のこう言うところが良いなーとか、あの人はああ言うところが良いなーって思うとキャーキャー言いたくなっちゃって」
バル「尻軽っつーか犬ね」
ヴォイド「撫でて欲しそうなミニチュアダックス」
バル「アホ元気なポメラニアン」
クロエ「表情の分かりやすいゴールデンレトリバー」
ヒギリ「何の話なの。って言うか!クロエちゃんは!?まだ女子高生でしょ!?ぴちぴちでしょ!?青春の一つや二つあったでしょ!?」
バル「急に方々に喧嘩売り始めたわよこの二十二歳」
ヴォイド「二十歳前後の言う『ウチらおばさんだから』の自虐はその上の年代から殺意を買うって聞いた…」
ヒギリ「殺意!?だってさー!制服だよ!?制服着て犯罪にならないんだよ!?」
バル「制服は誰が着ても犯罪にならないわよ、一応」
クロエ「はぁ…何故私の話を聞きたがるのか分かりませんが、さっきも言った通り特に語れる事などありませんよ。そう言う経験もただの一度もありません、本当に一度も」
ヴォイド「本当にそう言う思い出無いんだ?」
クロエ「ありませんね。と言うか、この世に私に劣情を抱く男は居ませんと断言出来ます。何故なら私には制服と言うプラス要素を足したとしてそれ以前に女としての魅力が皆無だから性産業における需要が無いのです。私をそう言う目で見る様な、そんな特殊な趣味の物好きな男、会った事ありません」
バル「……この子もまあまあ自己認識が歪んでるわね…」
クロエ「…あ、一人だけいました」
バル「え?誰?」
クロエ「ミクリカの岸壁街跡地付近で今も開店してる飲み屋のオーナーです。襲われ掛けました」
ヴォイド「あれ…?それって…?」
 ヤサカです。しかし、彼の名誉の為にもこれはヤサカの独特なモノの言い回しとクロエの勘違いが重なったせいで抱かれてしまった悲劇的な誤解である、と公表しておきます。
クロエ「まぁ、あの変態は性別が女であるなら豚でも馬でも良いんでしょ。つまりはそう言う事です」
ヴォイド「流石に豚や馬じゃダメだと思う」
クロエ「物の例えですよ馬鹿ですね」
ヴォイド「むっ…!だって、豚はとにかく馬で収まる程大っきいと思えな──」
バル「こらこらこらそこのレディ、ストップストップ。ここに居ない人間に凶悪なディスりを展開しないって言うか何て話をしてんのよあんた、女の子でしょ」
ヴォイド「だって…そもそも馬と人間じゃ体の大きさが違い過ぎる。馬はそもそも体高の時点で百八十近くあるし体重だって五百キロ近く行くから大きくてもその半分にも満たない人間を同列に並べるのは流石に無理がある。体の作りも違い過ぎるから比較にならない、まだ豚だけの方が分かりやすい」
クロエ「だったら馬にだって中型犬とほぼ同じ体格の小さい品種が居るでしょうが。最小種と言われるファラベラの最も小さい個体の記録は四十センチですよ?」
ヴォイド「それ言うなら豚にだって千キロ超える個体いた筈だ。でも体高自体は百五十センチくらいだったしまだ納得出来る」
クロエ「結局品種と環境によってそんなに体の大きさにバラつきが出るなら動物なんてそもそも例えにならないじゃないですか。なのにあんた豚だけは肯定して馬には突っ掛かるって何なんです?」
バル「こらこら脱線して変なとこで張り合わないのあんた達、嫌ねーもう。そんな極端なものでも同じだけ興奮してもおかしくない変態がいたって話でしょ?リアルじゃなくて例えでしょ?全くもう」
 ヤサカが聞いたらおそらく、半ベソをかきながら名誉毀損で訴え出ると思われる。
ヒギリ「何の話?」
バル「あんたが話の通じないタイプで良かったと今心底思ったわ」
ヴォイド「やっぱり納得行かない」
バル「まだうじうじ言ってんの?あんまり変な突っ掛かりするならまた青っぽい先生に質問攻めしちゃうわよ?」
ヴォイド「え…?」
バル「ふふっ、あんたが汚染駆除の砂っぽいのと第六小隊長殿と仲良さげなのは知ってんのよ。それから絶対人事部の真っ黒いのとワケアリでしょ?どこまで行った関係なのか今誰とどこまで行ってんのかこうなりゃとことん聞かせてもらおうかしら?」
ヴォイド「ぅ…あ…」
 ヴォイド、ヒギリの目の前にあったスクリュードライバーのグラスを手に取る。
 飲む。
ヴォイド「きゅう」
 倒れる。
ヒギリ「ヴォイ姐!?」
バル「チッ、寝逃げか…」
クロエ「つーか逃げれてんのか?これ。現実からの逃避でしょ」
バル「…あんたは実は末恐ろしいお嬢さんよね」
クロエ「うっふっふ」

 ヴォイドの寝逃げにより女性陣、一旦お開き。

新メンバー、加わる(R-16.5)

ヤサカ「はーい、生三つにラーメン、スクリュードライバーにカシオレだよー」
ロード「…え?」
ギル「あ、僕だ。その、スクリュードライバー頼んだの」
シキ「俺カシオレとラーメン。ちょっと待って、頼んでた餃子は?」
ヤサカ「え?餃子来てない?いけねっ、それだけ持ってくるから待っててなー」
ロード「待て待て待て待ちなさい待ちなさい。そもそもとして何故居ます…?」
ヤサカ「んー?ここはパラグラフ14の部屋だぜー?今日の俺はリカ・コスタで可愛い女の子待ってる店長じゃなくて、ここでむさ苦しい男らに給仕するウェイターっす」
ロード「……複雑です…」
ネビロス「何故です?貴方旧知の仲なんでしょう?なら旧い付き合いの人間が来れば喜びそうだと思いましたが」
ロード「いや…だって副題「新メンバー」ですよ?それで来るのがヤサカってどうなんですか?それに、こう言ってはアレですが彼はサブキャラですよ?まだ立ち絵も無いのにこの高待遇…何なんでしょうね?」
ヤサカ「おーい聞こえてんだわ。お前相変わらず結構容赦無いのなー。へこむわー」
ロード「とか言ってる側から速攻元気になるのが貴方でしょう?違いますよ、貴方が来て嬉しく無いとかそう言う問題じゃなくて、このタイミングで新メンバーと来るなら誰だってあっちの彼を思い出すじゃないですか!」
 一同、頭の中に和装の彼を思い浮かべる。
ネビロス「ああ、給食部の…えっと、ちょっと待ってください…」
ギャリー「まさかのネビロスが人の名前と顔一致しないってあるのかね」
ネビロス「あぁ、あまりにも目立たないのですっかり名前も忘れ(ry」
ギャリー「ちょ、おい、やめてあげて」
ギル「え?アレだろう?ヒギリとよく一緒に仕事をしているミミックだかニニールだか」
 急に某着せ替えゲーを混ぜ込むなよ。って言うか書き掛けだけど「ギル王子」で君が次絡むのそのエミール君の予定なんだけど!?
ギル「そ、そんなの君が上げなきゃ正史にならないんだからそんな展開僕が知る筈無いだろう!?僕に責任転嫁しないでくれないか!?」
ロード「で、結局そのエミール・シュニーブリーさんがいらっしゃらなくて何故か先にヤサカが居るわけですね…」
ヤサカ「ヒッヒッヒ。なーんかアレだねぇ。俺と因縁深そうなメンツ多いなーここは。ロードは言わずもがな俺が命救ってやったろ?後あの子の見守りの件も…」
ロード「余計な事を…」
ヤサカ「で、そこのおっかない顔の兄ちゃんは初デートの時会ったよな?どう?あの後彼女とどうなった?」
ネビロス「………(睨)」
ヤサカ「流石にもう手ぇ出した?」
 それがねー、まだなんですよ。
ヤサカ「え!?まだなの!?へぇー…奥手っつぅか…意気地無しとも言うのか。あ、でもミアちゃんって初めてだっけか?…あれ?前の奥さんも幼馴染だから…」
 それもあるだろけどねー。自分でその展開書いといて何なんだけどこの子ったらまた色々考えてる事が結構勝手でねー。複雑なところ。
ヤサカ「げぇっ…前世でどんな生き方したら手ェ出す子出す子皆バージンみたいな今世になるの…!?」
 ねえヤサカ、聞いてる?
ネビロス「…そこの前髪暖簾と燐花生みの親…私の前に座りなさい…まだ介錯をするくらいの慈悲を持てている内に…」
 急に切腹を求められている。
ヤサカ「待て待て、俺らそんな切腹用みたいな物騒な武器持ってねぇって」
ネビロス「先程帰る前にアサギに置いて行ってもらいました」
 いや何でだよ。
ヤサカ「あ!後誰かと思えばギルバートじゃん!地上のお貴族様の!」
ギル「げっ!君、あの時アンに絡んでたナンパ男か!」
シキ「…何か皆恋愛絡みでヤサカさんに絡まれてんだね」
ヤサカ「ヒッヒッヒ、俺も何だかんだ甘い話好きだからねぇ。シキ、お前にも彼女出来たらその時は絡みに行くと思うよー?」
シキ「えー…嫌だなぁ、鬱陶しいなぁ」
ヤサカ「ところでここの子じゃないけど、あの和服のオネーサン清楚っぽい雰囲気なのが可愛いよねー」
ギャリー「テメェ…セリカちゃんの良さにいち早く気付くなんてさては俺と同じ趣味か?」
シキ「あ、ヤサカさんに絡まれてもそこまで動じない強キャラな予感」
ヤサカ「え?同じ趣味なの?あのオネーサンさ、普段あの清楚さでしょ?アレで髪が長くないから余計良いんだよ。髪振り乱しても邪魔になる的なのが無いじゃん?全部丸見えみたいな。長いのは長いので色っぽくて良いけど、んー…あのオネーサン乱れたらヤバイくらいエロくなりそうなんだよねー…」
ギャリー「おいそれ以上妙な妄想したらこの場でセリカちゃんに言い付けるからな…金髪で暖簾みたいな前髪した男とは危ないから口利かなんでくれって言うからな!?」
シキ「え、弱っ!まさかの自分がこの場でどうこうするじゃなくて本人に警告するのか」
 ネビロス、ロードは自分の腕に覚えがあるのでこう言う時自分の腕っ節でどうにかしようとするくらいには好戦的な面がありますが、ギャリーは自他共に認める程喧嘩が弱いんで(あと、言うて口が上手く根っから穏やかなので)様子を見つつそれでも穏便に事を運ぼうとします。まあ、いざとなったら身を挺して護ろうとはちゃんとしますけども、でも弱いです。
ギル「…これ、穏便な事の運び方か?」
ヤサカ「ヒッヒッヒ。ロード、お前の同僚の人ら面白いね」
ロード「…そこで私に雑なフリするのやめてくれません?」

 それからどんどこしょ

ヤサカ「改めましてヤサカでーす。乳は大きけりゃ大きい程見ててムラムラはするけど基本的に女の子は皆好きでーす」
ロード「こいつは性別が女性なら特にこだわりを持ちません。大きくても小さくても片っ端から食い散らかすタイプです。ある意味女性の敵です」
ヤサカ「…ロード、何かトゲトゲしてんなー。えー?昔ナニのデカさで俺に負けたのがそんなショックだった?」
ロード「私のサイズは二十五センチです。負けたなんてそんな記憶ありません」
ギャリー「何?この二人揃うと最低な下ネタしかセリフに入らなくなるの?」
シキ「(唖然)」
ギル「おい、珍しくシキが引き気味になってるぞ!?今すぐ止めろ恥知らず共!!」
シキ「兄貴ってそんなデカいんだ…ん?そんなだったっけ…?(風呂上がりのロードを思い出している)」
ギャリー「いや、売り言葉に買い言葉で出た嘘に決まってんだろ。んな凶悪なサイズ聞いた事ねぇよ…」
シキ「だよね。ところでギルバートさん、『シキが引き気味』って日本語、早口言葉みたいで言いづらくないの?」
ギル「君の為に声を上げたのにその君が僕に急に疑問を抱くな!!」
シキ「ギルバートさん、『俺に意見するな』系…?嘘ぉ…(ドン引き)」
ギル「引くな!!事実無根を垂れ流すな!!」
 シキが歪曲してギルバートを理解しただけで、ギルバートはモラ男系ではありません、念の為。
ギル「そんなわけ無いだろう!?全く…僕らしかこの場に居ないとは言えどこで誰が聞いているか分からんと言うのに…!恥と言うものを知らないのか君達は…!!」
ヤサカ「誰の何が何センチだってー?良い加減な事言ってんじゃねぇよロード。テメェが動けねぇ間誰がシモの世話までしてやったか忘れたか?」
ロード「そんなの十年近く前の話でしょう?そこから急成長する事も無きにしも非ずですよ!」
ヤサカ「背じゃあるまいしンなワケ無ェだろ!?あ!さてはアレだな?色々あってヴォイちゃんの傍に居られなかった間遠目に見て悶々としてたんだろー?やだやだこれだから嫉妬の塊はー」
ロード「ええある意味悶々としてましたよ?貴方と言う上層の出の癖に下層の人間並みに倫理観ガバガバな不埒な男に彼女を任せるなんて考えればね!」
ギル「いい加減にしろ!!君らだ君ら!筆頭は君らなんだ!!ロードは嘘を吐いてまで話を盛るな!ヤサカはロードを煽るな!!」
ギャリー「はい結論、ロードのサイズ自称は嘘。本当にそんなだったらむしろ女の子が引いちゃってそう簡単にエッチまで出来ねぇって」
 ちなみにギャリー、過去話でも色々な発言からも過去に彼女が居た事やら店に行ってる話を出しているんですが。
 何かこう……何故か絶妙に童貞疑惑抜け切らないんだよなー……。
 わしだけ?分かる?この感覚。何かこう…本当微妙に「分かってるフリ感」感じてしまうと言うか…。
 このチチトークの一番最初でも何か色々認識おかしかったりした事からも、何と言うか本当に分かってるのか分かってない様な理想だけで語ってる様な──。
ギャリー「おい。おいおいそれ以上はやめろ。ってか何言ってんだ燐花生みの親
シキ「急な方向から集中放火した」
ネビロス「まあ…分からなくは無いですが…」
ギャリー「はぁ!!?俺以上にネビロスのがそうだろ!!?」
 いや、ネビロスからはあまり感じた事ない。けどなー…ギャリーはなー…どうしてもなー…。
ギャリー「はぁ!!?ど、ど、ど、ど、童貞ちゃうわ!!」
 急にネタ。
ネビロス「まあ、頑張ってください…」
ギャリー「憐れみの目で見てんじゃねぇよ!!」
ヤサカ「で?実際相手の子は?あのオネーサンでしょ?」
シキ「(あ、兄貴に飽きてギャリーさんにターゲット変えたな)」
ギャリー「ま、まあね…」
ヤサカ「何?何?好きなの?」
ギャリー「す…好きに決まってんだろ…まだ片想いだけどここまでドキドキする事今まで無かったから俺もかなり戸惑ってるんだってば…」
ロード「ヒューヒュー!!」
ヤサカ「ヒューヒュー!!」
ギャリー「お前らさっきあんないがみ合ってたのに急に息合わせてくんな!!」
ネビロス「なんて嫌なタッグだ…」
ヤサカ「お?そう言やシキは?シキはそう言うの何かねぇの?」
シキ「…何か…?」
ヤサカ「可愛いって思う子、いねぇの?」
シキ「ああ、リリアナかな。ちょこまかしてるのに、ちょっと大人ぶって喋るおしゃまなところが可愛い。背伸びしたい年頃なんだろうなーって」
ヤサカ「ちょこまか…?おしゃま…?背伸び…?」
 燐花、ささっとリリアナちゃんのプロフィールを開く。
ヤサカ「いや、ガキじゃん」
シキ「うん。可愛い」
ヤサカ「確かに可愛いし将来有望だなぁー。でもそうじゃねんだよ。そうじゃなくて…こう、見ててキュンとする見た目と言うか、何かそう言う子」
ネビロス「あの男が言葉を選んでいる」
ギャリー「強キャラってやっぱシキの事じゃねぇ…?」
シキ「見ててキュン?ああ、テディかな」
ヤサカ「男じゃねぇか
シキ「男だけどびっくりするくらい見た目可愛いんだ。中身はオッサンみたいな時あるけど、アレはテディの才能だと思う」
ヤサカ「う、うーん…そうじゃなくてさぁ」
シキ「あと、ウルは可愛いよ。小ちゃくて。小ちゃいから余計そう見えるだけで元々可愛いけど」
ロード「さて、ヤサカはどう聞くつもりでしょう?このド天然ここに極まれりとも言えるシキに色々手こずる私の気持ち分かるでしょう?」
ヤサカ「うーん…」
シキ「あとミアも可愛いな。あまりよく喋らないけど、ミサキも可愛い。オドオドしてるけど、たまに笑った時のニコリネさんも可愛い。クロエと一緒にいるフィオナさんも可愛いよ。お姫様は綺麗だな」
ヤサカ「んー…あ!!」
シキ「何?」
ヤサカ「一番ヤりたい子誰?」
ロード「絶対聞くと思いましたよ…この男…」
シキ「意味はよく分からないけど、じゃあとりあえず皆
ギャリー「そこは意味分かってから答えて!お願い!!」
 ロード、シキに説明中。
シキ「ヤサカさん俺を嵌めようとしたの?酷い…」
ヤサカ「いや、そんなつもりなかったんだけどね。ヒッヒッヒ、まさか二つ返事で返されるとはなー!流石ロードの弟分!将来有望だねー!」
ロード「やめてくださいよ…」
ヤサカ「二人揃って刺されねぇようになー」
ネビロス「……ところで、先日燐花生みの親の呟きですかね…?何だか貴方の女性関係が相当爛れていたと聞いたのですが」
ヤサカ「へ?俺?」
ネビロス「ええ。どのくらい爛れていたのかな…?と思いまして」
ヤサカ「えー?俺の話なんて面白み無ぇって」
ロード「一番多い時でセフレが同時に六人くらい居ました
ヤサカ「おい
ネビロス「ほう…?なるほど、ロードの「女性の敵」発言は正直どの口が言ってるのかと思いましたが、確かに敵ですね…」
ヤサカ「何バラしてんだよロード!」
ロード「聞かれたので答えたまでです」
ヤサカ「お兄さん大分おっかねぇ顔になってんじゃん!!」
ネビロス「(魔王の御尊顔発動中)」
 何故かそれを見たギルバート、震え上がる。
ギル「……ぼ、僕は注射が嫌いだ…」
ギャリー「御尊顔発動でトラウマまで抉られてる奴いるわ」
ネビロス「それは大変な事を聞きました…随分親しげにミアと話されていましたがまさかそんなに貴方が危険で不潔な人間だと知りませんで…」
ヤサカ「き、危険じゃない!不潔じゃない!流石に今はそこまでじゃねぇって!!」
ネビロス「もしもミアに近付いたら…貴方をどうしてしまいましょうか…?」
ヤサカ「話したりするくらい良いだろ!?」
ネビロス「…では聞きます。今は何人ですか?」
ヤサカ「へ?」
ネビロス「今は、同時に、何人ですか?」


ヤサカ「……四人?」


ロード「あんま変わってないですね…」
ヤサカ「付き合ってる訳じゃ無いし突っ込むなよその辺!!真剣交際始めたらすっぱり関係切るっつの!!さ、寂しいとか心細いとか言われて人の温もりみたいなの?求められたらさー…抗えないって言うかさー…」
ネビロス「GPSでも付けましょうか
ヤサカ「発想が怖ぇよ!!」
ネビロス「ちょっと細工するだけです。ミアに近付いたと分かった瞬間に軽く爆発するくらいです」
ヤサカ「軽い爆発って何!?」

シキ「ところでさー。餃子まだ?」
エミール「あ、シキ君。もしかして…この餃子は君のかな?頼んだ覚えがないものが来てしまって」
シキ「あ、エミールさ……え?何その格好?」
エミール「どうしました?」
シキ「いや、どうしましたじゃなくて、何で縛られてるの…?」
クイン「はぁー……もう飽きちゃった…。貴方惜しい男ね本当。『打たれ強いところを見せましょう』とか言うから付き合ったのに、酒入った途端私の一言一句全てに泣き始めるわ急に自分で自分の体縛り始めるわ…。一人で盛り上がってるとこ悪いけど私そう言う趣味は無いの」
シキ「あ、クイン先生」
クイン「シキ、顔に出てないし本人酔ってるつもりないけど実はかなり出来上がってるわよその男。『打たれ強さの証拠に脱出系イリュージョンをお見せしましょう!』とか意味分からない事言っていきなり自分の体縛り始めたからね、自分で」
シキ「(ドン引き)」
クイン「多分、酔いが覚めたら自己嫌悪で死にたくなると思うから慰めてやって。私バル達の居る飲み屋に行くから。エミールの尻拭いしてやって。じゃあね」
シキ「うん、じゃあね…」
クイン「ふふ、シキは良い子ね」
シキ「(充分そう言う雰囲気醸し出してはいるんだよなー。クイン先生自体が…)」

エミール「あれ?クイン先生はどちらへ…?」
シキ「ねぇ皆。えっと…変態拾ったよ」
全員「「「はぁ?」」」

実は少し前の二人

 その空間で余計な言葉は要らない。
 背後ではガヤガヤ楽しそうな声が聞こえるが、カウンターに座る自分に聞こえるのはグラスを傾けた際に鳴る氷の音だけ。昔から酒は好きだが最近はわいわい騒ぎながらではなくこうした静かなところで飲むのが好きになった。エミールは賑やかな声を背に少しだけ昔を懐かしみながら静かに飲む。
「お隣、よろしいかしら?」
「え?あ、ええ!?ク、クインさん!?」
 どう言うわけかいきなり現れたクインが隣に座り、カクテルを頼む。急な事に驚いたエミールはグラスを煽ると忽ち一杯空にしてしまった。
「あらやだ。急にそんな早く飲んで」
「す、すみません…」
「そんなに私と飲むの嫌?早く帰りたくなった?」
「めめめ滅相もございません…!」
 その後は何だかよく覚えていない。ただ、互いに酒に酔った身。エミールは普段滅多に無い「女性と酒を飲む」と言う事象に困惑しペース配分など考えず酒を煽ってしまったし、クインはクインで酔っていたのか普段なら滅多に無い過去の話をしてしまう。
「──そうですか…そんなお辛い事が…」
「結局一度も互いの想いなんて確認しなかったのに馬鹿みたいよね…言えなかった後悔抱えて未練たらしく想い続けて。あれ以来、私の恋愛の基準って亡くなった彼になっちゃって。失うのが怖くて次の恋愛に踏み切れなくなっちゃったの」
「…ふむ…私の宗派の教えは存外ドライで無慈悲なところもあるので、人はいずれ在るが儘に流れて行くとは言いますが…でも、それでも、輪廻転生の輪を離れ『己』のまま在る事を最終目標とする、そんなところもあります。今のところ成し得たのは仏のみと言われていますから、その教えを説法する私もこの世での役割を終えた後の事など分かりません。だから情け無いですが、私も死ぬのが怖いです」
「あら……」
「私もまだまだ修行不足なもので…」
 そして顔に出してこそいないが、大変に酔っ払っていたエミールは更にぐっと一口、グラスを空にすると真っ直ぐな瞳でクインを見つめた。
「あの、クインさん…」
「何?」
「わ、私では…駄目でしょうか…?」
「駄目って?」
「私は半人前ではあります……不良であると思います、教えを都合の良い様に生活に組み込む事の方が多いので。しかし、故に生きる事にも貪欲ですし、何かあっても進んで身を犠牲にしようとは思いません…す、少なくとも愛する女性がいるならば、その方を置いて世を去ろうとは思いません!!」
「あら……ふふ、随分な生臭坊主だこと」
 まあ、こんなところで酒を飲んでる時点で彼は極めて生臭か。そう思いながらグラスに口付けると、そんなクインの口元を見ていたエミールは分かりやすくごくんと唾を飲んだ。
「…あまりいやらしい目で見ないでくれる?」
「す、すみません!そんなつもりは無いのですが…!」
「飲みにくいわ」
「すみません…!!あの…クインさん!!打たれ強いところを見せましょう!!」
「は?」
「打たれ強さの証拠に脱出系イリュージョンをお見せしましょう!」
「意味が分からないわ」
「私は死にません!!」
 一体それは何回目のプロポーズだろう?両手を広げて車の前に飛び出して言うアレか。
 クインは見た目に反し酒臭いエミールの言葉に頭の中で冷ややかにそう思った。しかし、そんな言葉でエミールが止まる気配はない。
「見ていてください!!まず縄を用意します!!」
地獄の三分クッキングに私を巻き込まないでくれる?
「続いて新鮮な体に縄を掛けます!!」
「勝手にアシスタントにしないでくれる?「三十分置いたものがこちらになります」なんて言わないわよ?」
「放置プレイも辞さないとは…!!」
「うん、勝手に巻き込まないで」
 三十分後、見事な亀甲縛りをかましたエミールを前にしてクインは鼻で笑った。
「あ!クインさん、さては今、「僧侶ならそこは亀甲縛りじゃなくて座禅縛りでしょう?この豚!」と思いましたね!?」
「思ってないしそんな縛り方詳しくないわ」
「すみません…見た目の美しさと知名度の高さから縛りと言えば亀甲縛りかな…?と…」
「うん、そこ謝られても困るわ。そもそもそんな事求めて無かったし」
「しかし…亀甲縛りは下半身の責めとしては弱いため股縄と兼用すると効果的と言いますし、その方がおすすめだと思います」
「世界一無駄な知識をどうもありがとう、カケラも興味無かったしそんな話聞きたくでも無かったわ」
 一体彼はどうしたと言うのだろう。そんな燐花生みの親の心配などとうでも良さそうにクインは溜息を一つ吐いた。
「はぁ……私、どマゾって好きじゃないのよねぇ…だって、つまらないじゃない」
「…も、もう一回その目線と言葉、頂いても良いですか?」
「嫌よ。私、いじめるのが嫌いじゃないってだけでいじめるのが好きとは言ってないわ」
「ナチュラルボーンどSなんですね…!!」
「うん、黙ってくれる?」
 そして間違ってシキの頼んだ餃子が二人の前に運ばれて来たことで、クインはこれ幸いに緊縛の変態ことエミールをすぐ近くの席で飲んでいた男性陣に押し付ける事に成功したのである。

女の園に紛れ込んだアイツと譲れぬ戦い

 ネタが浮かびません。
 現実世界の2020年末ごろでしょうか。ロードがカンテの世界に加わり、彼をどうにか馴染ませようと頑張って来たのですが。
 正直2021年の頭ですかね?一週間に二、三本上げる勢いとペースで話を書きまくりましてね。我ながらよくネタが尽きないなぁと思ってたんですがね、この度とうとう筆が遅くなった事自覚しましてね……!!
 うそ!?嫌だ!?えぇっ!?(IKKOさんがよく出す声で再生してください)
 というわけで久しぶりにチチトークでも触ってみようかな?と。何だかんだでこの話も最後の更新去年の年末だったのねー、そこから十ヶ月以上も触ってなかったなんてびっくりー。
バル「むしろこの話いつから始まってたの?」
クロエ「エミール氏が結社に加わる前からです。チチトークが始まってから燐花家、三人程追加されましたよね」
バル「え!?そんなに続いてんの!?やっだー…こんな毒にも薬にもならない会話…」
ヒギリ「毒にはなるけど薬にはならないが正しいよ!!もうっ!!」
ヴォイド「きゅう」
バル「やだ!青っぽい先生まだ酔ってたの!?」
ゼン「何だ何だ?ここは女性しか居ないと聞いていたのに何やら随分粗暴な女性しか居ないじゃ無いか。あ、俺ギムレットね」
 一同、静まり返る。
バル「……ゼン!?アンタなんでここにいんの!?」
ゼン「やぁ、小隊長。俺は正にその小娘の言う通り後から追加されたんだよ。それからコイツも」
マナキノ「わーい!!!」
ヒギリ「一番この場に似合わなそうな子が来ちゃった……」
ゼン「──と、言うわけでどっちに行ったら良いか分からん者同士、宛てもなく彷徨った末にここに辿り着いたと言うわけだ」
マナキノ「わけだー!!」
ヒギリ「……で、でもさ、でもさぁゼンさん!ここ言うて女の子がいっぱい居る席なんよ!?座りにくいなぁーとか、入りにくいなぁーとか思わんかったんかね…?」
ゼン「何故だ?むさい男しか居ない席より女の子が多い方が良いに決まってんだろ?嫌だ嫌だあんな変態どもの巣窟に自ら向かいたいと志願する男がいるものか、そんな奴もれなくどうかしてる」
バル「あっははは、うーわ」
ゼン「このご時世、ただ女の子と飲むのだって店に行って金取られるんだぜ?酒代だけ払えば女の子と飲める状態で移動するわけ無いだろう?」
ヒギリ「……何かなぁ…」
クロエ「私はコイツのこう言う『暗黙の了解』に対する理解力の無さ、嫌いなんすよ…」
ヒギリ「…うん、女の子だけで飲みたいんだよー、男の人居ると萎縮しちゃう…」
クロエ「私は損得勘定して得の方の行動を取るのは好きですし相手のそう言う行動にも好感は持てます。が、それによって私の気分が害されるのはすこぶる気に食わない」
ヒギリ「もぅー、空気読んで欲しー……」
ゼン「『暗黙の了解』?読む為の空気?ははは、そんなもん時と場合によっては無視するに決まってるだろう?
ヒギリ「……分かっててやってんだ…」
クロエ「こいつ嫌いだ気に食わん」
バル「女の子と飲む為なら『帰れ』と思われてる空気すら無視する…普段なら殺虫剤でも撒く勢いの紫っぽいのが居ても『女の子と飲む』方を取るか。うんうん、流石メンタル強いわねー」
ヴォイド「うーん……」
ゼン「よぅ。目ェ覚めたか?この中で好みなのボインちゃんだけなんだから起きてくれ」
ヴォイド「え…?何でゼンがここに…?」
ヒギリ「ことごとくムカつく」
クロエ「今までで一番腹立ちます」
ゼン「おはようボインちゃん、よく眠れたかい?」
ヴォイド「…何か名前が受け入れ難いけど、まぁ眠れたよ。『落ちた』に近かったけど」
ゼン「そうかそうかそれは良かったなぁー。ふふふ、ボインちゃんはお酒弱いのかそうかそうか。なぁボインちゃん、俺と二人で飲み直すってどうかな?この近くに良いお店知ってんだよ」
ヴォイド「え…ふ、二人?」
クロエ「ヴォイド氏、絶対行っちゃダメっすよ。こんなタチ悪い男と二人でなんて行ったら何が起こるか」
ゼン「大人の駆け引きにゴボウ娘が口を挟まないでくれたまえ。子供の入って良い領域じゃ無いんだよ」
クロエ「アンタの『大人』の基準は乳があるかねぇかだろうがこのスケベ野郎」
マナキノ「マナねー!この間ねー、掃いても掃いても葉っぱ落ちるからねー、何かと思ったらマナの枝だったのー!」
バル「あっそ」
マナキノ「うん!びっくりしたよー!」
ヒギリ「だ、だめだこの空間…!!機械人形嫌いなバルさんとマナキノちゃん、クロエちゃん苦手なゼンさんとゼンさん苦手なクロエちゃんって最悪な組み合わせが起きてる…!!」
 私も捌き切る自信が無いのでどうにかしてください、今シラフのヒギリちゃん。
ヒギリ「投げないでよー!無理だよー!!」

クイン「あら…?あらあらあら。随分と楽しそうだこと……ふふふ、あんなにヘラヘラしてる『彼』を見るのは久しぶりね…」

 * * *

エミール「うっ…ううっ…酔って自我の無い間にクイン先生にこんな痴態を見られてしまうとは…私、自分が情けないです…!!」
ギャリー「お、おう。まぁ落ち込むなよ、な?」
ネビロス「彼がこんなキャラかと思うと驚きもありましたが」
エミール「うぅ…クイン先生のあの目…!あの目で見られたら何だかもう痴態を晒す以外考えが及ばず…!!」
ギル「……何だかどうにも心から慰め辛いんだがなぁ…」
ロード「うーん、エミールさんの為にも、何か楽しい事しません?例えば……ねぇ、ファウストさん。貴方に聞きたい事はいっぱいあるんですが
ネビロス「………」
 そう言えば、『かたとろ』終わったところだよねー。長かった、本当長かった。いやいや長かった。本当長かっ(ry
ネビロス「…私に文句を言わないでいただけます…?そして『かたとろ』って何ですか…『カタストロフの夜を超え』でしょう?」
ロード「そんな事はどうでも良いんですよ。貴方に聞きたい事はそんな生温い事じゃ無いですからねぇ…」
ネビロス「………帰りたい…」
ヤサカ「お!そうだそうだ!!折角男ばっかり何人もいるんだからさー!なぞなぞしようぜー!(おっかねぇ顔の兄ちゃん、話逸らしてやるから貸し一つだぜ?と言う顔)」
ネビロス「……(仕方ないなぁ、と言う顔)」
全員「「「はぁ?」」」
ヤサカ「たまには童心に帰ってさ!ちょっとしたレクリェーションってどうよ?」
シキ「レクリェーション…?景品出る?」
ヤサカ「…あ、シキ君にとってレクリェーションって景品ありきなんだね。うーん、じゃあ俺特製プリンってどうだい?」
シキ「プリン!?やる!!」
ヤサカ「よしよしよし、プリンに釣られちゃうところが可愛いなー本当。じゃあやろっか!なぞなぞ!!」
シキ「いえーい!プリン!!」
ギャリー「シキはプリンに釣られてそれ以外の事何も気にしてねぇな」
ロード「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!?いきなりなぞなぞ!?」
ヤサカ「良いだろー?ロード、男だらけで真剣勝負だ!!」
ロード「ここで真剣勝負ですか!?メリットのメの字も無いんですけど…」
ヤサカ「正解数で勝った奴、俺の店でタダ飲み一回。どうだ?メリットだろ?」
ロード「くっ…それは確かに…魅力的ですね…!!」
ヤサカ「よっしゃ決まり決まり!んじゃー、俺出題でお前ら全員回答者な!第一問!!『なめられると思わずたってしまうモノって何だ?』」
ギル「待て待て待て一体何のなぞなぞだ!!?
ヤサカ「え?至って普通のなぞなぞだよ?」
ギル「どこが至って普通だ!?答えづらいわ!!」
ロード「…うふふ」
ギャリー「…何かにやけちまう」
ネビロス「はぁ…」
エミール「う、あ、ぁ……」
ヤサカ「分かった奴!挙手!!」
シキ「はーい!」
ヤサカ「はい!シキ君!!」
ギル「や、やめろぉぉぉぉお!!」
シキ「ソフトクリーム!!
ギル「逆に何でだ!!?
 いやほんと逆に何?
 どっからソフトクリームなんて出て来たの?
シキ「ほら、ソフトクリームって舐めたら舐めただけ外側が抉れて来て真ん中の部分が直立してピーンって立つだろ?」
 いやどう言う舐め方!?
 そんな砂浜でやる棒倒しみたいな舐め方した事ないんだけど!?
シキ「ねぇ合ってる!?どう!?」
ヤサカ「……ヒヒヒヒヒッ!!シキ君惜しいなー!いや、考え方は素晴らしいよ!!そっかそっか、シキ君はそう言うソフトクリームの舐め方するわけね」
シキ「いや、しないけど」
ヤサカ「しないんかい!!」
シキ「しないけど、舐めるものってソフトクリーム以外俺知らないし…あ、もしかして飴!?」
ロード「……また炸裂しましたね…」
ギャリー「嗚呼、これぞ純真天然……」
ネビロス「こ、答えなくて良かったです……」
ヤサカ「ヒヒヒッ…これで気付いただろ?このなぞなぞは心が黄ばんだブリーフくらい汚れてる奴が一番答え辛いんだよ…!!ヒヒヒッ」
ギャリー「いや、喩えが」
ロード「うふふ、答えても良いんですけど…コンプラが、ねぇ?」
ヤサカ「あーん?お前、そんなもの気にするタイプじゃねぇだろ?」
ロード「うふふ、まぁね」
ヤサカ「ヒヒヒッ…よっしゃ!そんじゃ続けるぜ!!大人による大人の為の下ネタなぞなぞ!!」
ギル「もう『下ネタ』って認めたな!!!」
ヤサカ「さぁ、しっかり答えろよブリーフ共!!!」

 かくして、戦いの火蓋は切って落とされた!!!

ギル「この最悪な話まだ続くのか!?」

最低ななぞなぞ、まだ続く!

 ロードがネビロスをロックオンした事により彼の身に降り掛かる質問責めの脅威。そこから逃すべく(貸しを作るべく)突如始まったヤサカの思い付き。
 この場に居た全員が強制参加を余儀無くされたもののその景品は「リカ・コスタのタダ飲み権」と言う、このご時世にも関わらずお財布に優しく娯楽を享受出来ると言う有難い代物。
 そんな権利を得る為に、男達は闘う……!!そう、今まさに闘いの火蓋は切って落とされた…!!

 ──ちなみに燐花生みの親はその昔、「戦いの火蓋」と聞いて「ひぶたってなんぞ?」と思ったまま数年過ごし、その間ずっと「ひぶた」の事を「焼かれた豚」だと思っており、「ひぶたが切って落とされる」、つまり「火豚が切って落とされる」「チャーシューが出来上がる様子」だと勘違いしていた。
 尚、今でも「ひぶた」が「豚の事ではない」と分かった程度であり、火蓋とは何なのかあまりイメージ出来ていない。

ギル「知るかっ!!!!!」
 ひぶたってなんすかね。
ギル「聞くなっ!!!!!」
 だってひぶただよ?ひぶたって…え?何…?
ギル「調べろ!!自分で!!!」
 火のついた蓋?が切れるってどんな状況?わかりやすく教えて欲しい。
ギル「だから調べろ!!!!!」
ヤサカ「こらこらギルバート君?これ幸いに燐花生みの親で時間稼いで一話埋めようとすんなよー?そんなんで不参加なんて俺認めねぇからな?」
ギル「違うわ!!!『ひぶた』で一話保たせられるか!?どんなトーク力の化け物だぁぁぁぁあ!!!」
シキ「何かギルバートさん、荒れてる」
ロード「そりゃあ…これからメインイベントが始まるからでしょう」
シキ「なぞなぞ大会だよね?え?何か嫌なのかな?なぞなぞだよ?プリン付くんだよ?あ、もしかしてギルバートさん、なぞなぞ苦手?頭悪いとか?」
ロード「シキ、何でもかんでも口にして良いと言うものではありませんよ」
ギャリー「何かシキがそう言われてると二重の意味に聞こえる」
ロード「え?どう言う事です?」
ギャリー「いや、シキは何でもかんでも言葉にするずら?そう言う意味での「口にする」が本当なんだけど、悪食なイメージ付いてるから何でも食っちゃう方の「口にする」もさ、イメージどっちもあるでへぇ、ごっちゃになるさや」
ロード「うふふ、ウルリッカさんとの悪食っぷりは最早名物ですもんね。それより今日はまた随分と訛りが強いですね」
ギャリー「……燐花生みの親が最近婆ちゃんとめちゃくちゃ電話してっからじゃねぇ?」
 メタ発言。
ヤサカ「ほーら!お前らも本筋からズレるなよー!!要らねぇのか!?リカ・コスタのタダ飲み権要らねぇのか!?」
ギャリー「え!?何でそうなんだ!?」
ヤサカ「当たり前ぇだろ!?不参加が権利貰える訳ねぇだろが!!」
ギル「…ん?じ、じゃあ僕は普段そう言うところに行かないから権利は要らない!そんなに欲しいとも思って無いからプリンも要らない!僕は不参加で良いだろう!?」
ヤサカ「いや?ギルバートは絶対参加で」
ギル「何でだ!!?
ヤサカ「ギルバートとおっかない顔の兄さんは絶対参加で」
ネビロス「何故です…!?
ヤサカ「後そこの、何かキャラ目立たない兄ちゃんも絶対参加で」
エミール「目立たないって私の事ですか…!?うう…もっと精進せねば人々の記憶に残らないのですね……悲しい…もっとちゃんとキャラ立てて欲しいです…」
 だから、どえむ。
エミール「何でそんな方向になったんですかね本当に!!!
 えへへ。
ヤサカ「さぁさぁ!無駄に時間食ったけどそろそろやるぜ!!チキチキ!下ネタなぞなぞ選手権ーー!!!」
シキ「俺今ヤサカさんがダ◯ンタ◯ンの浜◯ゃんに見える。『ガ◯使』の時の」
ロード「司会の口上をパクってるだけじゃないですか」
ヤサカ「はい、ロードはマイナス五点からのスタートね」
ロード「何故ですか!?
ヤサカ「俺の事『パクってる』って言ったから。ちなみに最下位の奴優勝者の一回タダ飲みの費用持ちな、今決めた」
ロード「明らかに私を減点してから決めましたねそのルール!?腹立ってきました!コンプラなんて知りません!!気合で答えます!!」
ギャリー「いや、むしろ答えって普通に全年齢なんだろ…?コンプラ無視した答え方したらそれこそ全部不正解じゃねぇか」
ヤサカ「よーし!じゃあ第一問!!『たてばたつほどビンビンに感じてしまうアレとは何?』」
ギル「いきなりフルスロットルやめろ貴様ぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!
ヤサカ「ヒヒヒヒッ!!そう言うって事は何となくそう言う想像出来てるわけねー?ギルバート!」
ロード「……うふふ、ブレーキです…こう言う時こそブレーキが大事ですね…思い付くまま声に出したらどうせ不正解なのでヤサカの思うツボになってしまう…」
シキ「何か兄貴ぶつぶつ言ってんな」
エミール「あわわわわわわ……」
ギャリー「……あらら、混乱し過ぎてスポ◯ジ・ボブみたいな声出してらぁ…」
ネビロス「………ち──」
ギャリー「うわぁぁぁぁぁぁぁあ!!?ネビロス!?お前は言っちゃダメだろがい!!ミアちゃんがこれ聞いたら泣くぞ!?『やだネビロスさんったら頭の中下ネタしかないんですね!?格好良い!!』って複雑な顔するぞ!?」
ネビロス「──ミアに対してどんなイメージ持ってるんですか全く。下手な物真似もやめてください。違いますよ、ただの質問です。ちなみにこれ早押しとかでなくシンキングタイムあって良いですよね?」
ギャリー「な、何だよ…『ちなみに』の『ち』か…」
ヤサカ「あー、うん。いや!無い方が良いな!瞬発力が物を言う!!」
ギャリー「どんどんルールが横暴になって来るじゃねぇか!!」
シキ「はい!!」
ヤサカ「はい、シキ君!!」
シキ「生クリーム!!」
ギル「だから何でだ!!?
ギャリー「……ロード、この間違いは何故起きたと思う…?」
ロード「…おそらく、『たつ』の一言に全部意識持ってかれてますね。この子の中で『立つ』ってのはホイップした生クリームの事なんですよ…ちなみに一度そう思ったらその後の『ビンビンに感じてしまう』は完全無視してるものと思われます…」
ギャリー「シキはルール無用にも程があるな本当に」
ロード「…うふふ、しかし『ビンビンに感じてしまう』ってなかなか良い想像掻き立ててくれますね、うふふふふ。『たつ』のは何も男だけじゃないですからね」
ギャリー「…シキが生クリームとか言うから余計にな……」
ロード「おやおやおや?何ニヤニヤしてるんです?さてはあれですか、生クリームプレイがお好きですか」
ギャリー「…まぁ、恥ずかしそうな顔してる子の(キュイーン)とか(ピロロロロ)に生クリーム塗る絵面ってのはちょっとクるものがあるよね。そのまま(キュルルルル)とか(キャー!)とか。(バキューン!)とか(ダダダダ!)みたいなのも妄想する分には良いけど現実にはなぁ。ヤった後にさぁ…後始末する時に後悔しそう…」
ロード「あの、うん、ちょっと待ってください。何ですかこの独特な規制音は
 某弁護士ドラマの規制音だらけの回を参考にしました!!
『もしかして:リー◯ル・ハイ ハダカ裁判』
ロード「あなた自分が書き始めたくせに乗らなくなったからって書きたくない言い回しや話題をそうやって避けるのやめなさい!!」
 何でだよ!?嫌だよぉぉぉぉお!!ヤサカが変ななぞなぞ始めるからぁぁぁぁあ!!ここにはうら若き乙女がいるんだぞ!!?
ギャリー「始める流れ書いといてどんな情緒なんだよ自称うら若き乙女!!ってか、何でずっとここに居るんだよ!?嫌ならいくらでも出てきゃ良いだろ!?」
 うわ、なんか今の発言モラハラっぽい。
ギャリー「ふざけんな!!それセリカちゃんの前で言ったら怒るからな…!!」
 ちなみに私はご存知の通り作者です。キャラ同士の会話しか無いこの話の中で、動きを説明するいわゆる「地の文」の代わりや「補足」みたいな役割を担っているので必要とあれば女の子達の場にも飛んで行くし、とにかくどっちでも縁の下の力持ちみたいな事してるわけです。つまりは黒子ですね。
ギル「黒子……アンとお揃いなんだよな……今はこの黒子が好きなんだ」
 うん、ごめん私の役割は黒子くろこなんだわ。黒子ホクロじゃねんだわ。
ロード「ん?ちょっと待ってください。女の子達の場?もしかして…同じ様な飲み会もどきを女性陣もやっているので…?」
 さうです。
ギャリー「え?女の子達も飲んでんの!?えー、ならそっち行こうぜー?俺コイツらと飲んでんの嫌だー!」
ロード「ヴ、ヴォイドもそこに居るんですか!?」
 さうです。
ロード「何故ヴォイドが…!?あの子お酒飲めないんですよ!?におい嗅いだだけで色々怪しくなるのにお酒の場だなんて…!!」
 さうですね。
 ちなみに今女子の場に、何故かゼンがいます。
ロード「………」
 ロード、固まるっ!!!(ざわ…)
ギャリー「賭博黙示録風…」
ネビロス「なるほど、これが黒子の役割ですか。確かに居ないと状況説明が色々面倒ですね」
ロード「ファルクマンさん…ファルクマンさんが居るんですね…!?ますますこうしちゃいられません!!私はヴォイドを助けに行きます!!」
ギル「ま、待て待て!!君は行くなよ!!この話、君ありきみたいなものだろう!?」
ロード「うふふ、ベネットさんにしては素直なおねだりに若干興奮しそうですがね、ヴォイドに酒にファルクマンさんなんて良い予感が一つもしないんですよ!!」
ギル「そこに君が足されたらもっと最悪な足し算になるわ!!大丈夫だろう!?あのヴォイドだぞ!?」
ロード「おやおやおや、ベネットさんにヴォイドの何が分かるんですかね…!?あんな妖艶な巨乳美女が酒に酔ってやりたい放題出来てしまいそうな現場を想像してみてください…!!しかもそこにいるのがあの下心しか無さそうなファルクマンさんですよ!?そんなの酔わせてふわふわしてるヴォイドを(キュイーン)して(ピロロロロ)になるのが容易に想像出来ますね!!(キュルルルル)とか(キャー!)とか(バキューン!)とか(ダダダダ!)とかなったら私は自制出来る自信がありません!!そんなエロ漫画みたいな展開許しません!!」
エミール「リーガ◯・ハイの規制音再びしたならえ、え、『エロ漫画』のとこも規制音入れてくださいよ!!」
 あーあ、間に合わなかった。
エミール「電車に乗り遅れた時みたいなリアクションやめてください!!」
ネビロス「はい、アンテナ」
ギャリー「ネビロスはいきなり何だよ!?」
ヤサカ「はい!おっかない顔の兄ちゃん正解!!」
ギル「一問目の答えアンテナか!!」

 問題:たてばたつほどビンビンに感じてしまうアレとは何?
 答え:アンテナ

ヤサカ「ヒヒヒッ!まずはおっかない顔の兄ちゃん正解!さーて、このままだと権利とプリンは兄ちゃんのもの、権利とプリンの支払いはロードって事になるな!」
ロード「何気にプリンの支払いまで追加しないでくれません!?」
ヤサカ「よしよし!どんどん行くぜ!第二問!!『興奮してしまうと血管が浮き上がりギンギンになってしまう、『ち』から始まって『こ』で終わるモノとは何?』」
ギル「さっきより問題内容が酷くなってるな!!

 ──その時、更に最悪な回答が彼らの背後から響いた。

ゼン「いや……それ普通にチ◯コだろ。何やってんだお前らは」
ヤサカ「ぶっぶー!!正解は『血眼(ちまなこ)』でーす!!ヒッヒッヒッ!そんな引っ掛かり方する奴がいるから下ネタなぞなぞはやめられ……」
 ふー。今度は伏せ字間に合った。
ロード「………」
ギャリー「えー……」
ゼン「何だ何だ?俺が来ちゃ悪いのか?俺が来て都合悪い事あんのか?言ってみろよ聞くだけなら無償でやってやるぜ?」
 まさかまさかの方向から、噂をすればでゼンが来た。
 …しかも、クインに雑に首根っこを掴まれて。
クイン「…貴方あっちでもこっちでも嫌われてるのね……」
ゼン「俺を嫌ってんのは君だけだね!!少なくともヴォイドちゃんはなかなかにウェルカムだったよ!!」
ロード「何ですって!?ヴォイドがウェルカムですって!?ヴォイドのナニがウェルカムだったんですかね貴方はヴォイドにパイルダーオンしたんですかねそんなうらやまけしからん事絶対に許しませんからね元彼の私を差し置いてイチャつくなぞ末代まで祟るなぞ生温い事は言わず貴方の代で滅ぼしてやりますよ…!!!」
シキ「もはや呪詛」
ギャリー「何かさ、たまにロードのセリフがドラゴ◯ボ◯ルのフ◯ーザに聞こえる」
シキ「追うんですよ、ド◯リアさん!!(裏声)」
ギャリー「ちょ、シキその声どっから出してんだよ!あっはっはっはっはっ!!」
ギル「ぜったいに許さんぞ、虫けらども!じわじわとなぶり殺しにしてくれる!(やたら作った声)」
ギャリー「えええ!?嘘だろ!?ギルバートもその世代!?ってか物真似とかやるタイプだったの!?」
ギル「い、いけないか?僕のオタクの始まりは少年漫画だったりするんだよ」
シキ「え?意外…最初から幼女向け作品かと思ってた
ギル「イメージに語弊があるな!!
 ちなみに燐花生みの親、ド◯ゴン◯ール未履修です。
ギル「何故ネタに入れた!?あ、まあ、有名だからか…」
シキ「自分で疑問持って自分で解決した」

 しかし、こんなにも長尺取っていると言うのに何故かまだ二問しか出題出来ていないこの状況、果たして世間がこれを許すのでしょうか。
ギャリー「は?」
 こんなにも長尺取って二問しか、しかも誰一人としてまともに考えていないこの状況。こんなんで彼らを『割とアダルティーなキャラです』と言っている事、世間はそれを許すのでしょうか。
ギャリー「いや、え?何急に」

 燐花生みの親が下ネタ嫌いだからとなかなか下ネタなぞなぞが捗らないこの状況、世間がこれを許すのでしょうか…!?

全員「「「苦手だったのかよ……!!!」」」

 果たして下ネタなぞなぞは誰が答えられるのか!?いや、もうゼンが案の定な答え方したけど果たしてリカ・コスタのタダ飲み権は誰が受け取るのか!?そしてプリンの行方は!?ヤサカの目論見通り支払いはロードの財布からとなるのか!?そして燐花生みの親は苦手を克服する事が出来るのか!?

 続く!!

エミール「な、何だかんだ長く続くんですねー…この話」

>to be continued