薄明のカンテ - サンと面談しましょうか

涼「ようこそ、パラグラフ14へ」
サ「(訝しむ目を向ける)」
涼「キャラシ出てるのにまだ本編に一回も登場してないの、本当にごめんね」
サ「(怪しむ目を向ける)」
涼「掃除の仕事ってある意味地味?だからさ、出し方に困ってるのよねー」
サ「(ややムッとした表情)」
涼「地味とか言うなって?そうだね、大事な仕事だもんね。言い方悪かったかも。ごめん」
サ「(スンとした表情)」
涼「サン、無口キャラなのはわかってるけど、そこまで喋らんもんなの?」
サ「(コクっと頷く)」
涼「ムーンも喋らんけどサンも喋らんねぇ……今日は面談の為に来てもらったのに、こんなんで大丈夫なんかな」
サ「(砂鉄のお絵かきボードを取り出す)」
涼「え、筆談!?サン、発声装置ついてないの!?」
サ『ある』
涼「早速筆談かよ」
サ『出る音、邪魔』
涼「そういうもんなの?」
サ「(コクっと頷く)」
涼「うん、OK。筆談なの了解した。あれ?いつもお絵描きボード持ち歩いてるっけ?」
サ『ない』
涼「それじゃ大変でしょ?ジェスチャーでどうにもならない時ってあるんじゃない?」
サ『声、使う』
涼「それなら今だって声使ってくれていいのにぃ」
サ「……ごえ、や」
涼「!?」
サ『声、嫌』
涼「えっと……もしかしてスピーカーの故障?部品交換なら機械班に相談だよ?」
サ『部品ない』
涼「あっ……そうか。9年前のパーツだと入手困難なものになるか。って事は、スピーカー故障して雑音が入るのが嫌で喋らんの?」
サ『違う』
涼「え?」
サ『本能』
涼「あ、あ〜。サンもわかってないのね。何で喋らん設定になってるのか」
サ「(コクっと頷く)」
涼「それじゃ、聞いても仕方ないよね。本題に入ろっか」
サ「(コクっと頷く)」
涼「まず1つ目の質問ね。今のお仕事どう?サンにとって掃除の仕事ってどんな感じ?」
サ『問題ない』
涼「差し当たって困った事はないって感じ?」
サ「(コクっと頷く)」
涼「前の職場でも清掃員だったよね。違いとか何かある?」
サ『場所』
涼「場所?邸宅じゃなくて会社の建物って事?」
サ「(コクっと頷く)」
涼「まぁ……そりゃそうだよね。ほら、清掃部も掃除場所違うじゃない。ここだと楽だな〜とか、誰かに会える〜とか、そういうのないの?」
サ『仕事』
涼「えーっと?具体的にお願いします」
サ『仕事に良い悪いない』
涼「あ、仕事だったらなんでもやるって事?」
サ「(コクっと頷く)」
涼「了解。そういうことね。じゃぁ2つ目の質問。面白い出会いってあった?」
サ『ムーン』
涼「ムーン、そうだよね。どんなところ?」
サ『顔、同じ』
涼「同型機だもん、そりゃそっくりでしょ」
サ『シリル』
涼「シリルさん?なんだ、何があった……?」
サ『髪、いじられた』
涼「ツインテの日!?ムーンがいじられてたけど、あの後サンも捕まったの!?」
サ「(コクっと頷く)」
涼「えー、だったらボクも見たい〜ツインテのサン見たい〜」
サ『ロザリー』
涼「唐突ぅ〜てか、今の無視?がっつり無視?」
サ『変』
涼「変?え、ボク?ロザリー?」
サ『どっちも』
涼「変で結構、創作屋とは奇人変人である事と見つけたり。ところで、ロザリーに追いかけられたっけ……?」
サ「(ふるふると首を振る)」
涼「じゃぁ噂か何かで聞いたの?」
サ「(コクっと頷く)」
涼「おっと!?お友達?誰か教えてくれる子がいたの??」
サ『シュオニ』
涼「お〜!あれだな、散歩中のシュオニ?よく話すの?仲良いの?」
サ「(小首を傾げる)」
涼「え、話したわけじゃないの?」
サ『横で』
涼「もしかして盗み聞き?」
サ『声、大きい』
涼「聞こえちゃったものは聞こえちゃったものか。ん〜まぁそうとも言う!」
サ「(ぼーっと見上げる)」
涼「じゃぁ3つ目の質問。良き人はいましたか……なんだけど、機械人形的には主人になったら良いなぁになるのかな。サンは上層部預かりだけど、どう?組みたい人とかいた?」
サ「(きょとんと見上げる)」
涼「わからんか……」
サ「誰、かわない」
涼「!?」
サ『誰でも、変わらない』
涼「あ、うん、うん。唐突に声に切り替わってびっくりしたわ。そっか、サンとしては誰が主人でも仕事は変わらんし、気にはしないって事?」
サ「(コクっと頷く)」
涼「うーむ、その辺は今後に期待ってか。まぁでも機械人形ズの中でもトップクラスの年数経過してるもんね」
サ「(ぼーっと見上げる)」
涼「言いたいことがあるならどうぞ」
サ『なれあうつもりはない』
涼「キャラシの!セリフ!ありがとうごぜぇやした!」


喋ってくれよ……サン……これでも引き出せた方だと思う!
相変わらず何考えてるかわからん。多分何も考えてないんじゃない?渡された仕事を淡々とこなして、それ以外はなんもない。
喋らないのは元が暗殺目的の機械人形だからなのよねー。作成時の目的の記憶まで消えちゃってるのかな?それとも記憶域にロックかかってるだけなのかな?そのうちわかるもんかなぁ……