薄明のカンテ - カンテの風土

























地理


概要

北の海にポツンとある小さな島国。
北極圏より少し南に位置する。
スラナやランツより南部は南からくる暖流により夏の気温があまり上がらず冬も気温が下がりすぎることはないが、季節問わずにわか雨や霧雨が多い。(西岸海洋性気候)

ミクリカ、アス、キキトなど北部は北極圏に近く寒流も通る為、降水降雪は少ないが寒い。
寒さと養分の少なさゆえ、大きな植物も育たない。
冬の最低気温が−3℃を下回る日は珍しいが、夏もあまり気温が上がらない。
標高の高いカヌル火山の頂上などは万年雪に覆われている。

国土が狭く、尚且つ平地も少ない。
島の中心にはカヌル火山があり、主要道路はそれを避けるような形で走っている。
度々地震が起こるが、カヌル火山が最後に噴火したのは2200年前と言われており、心配している人はあまりいない。
北西部には山がちな土地が広がっている。観光資源になる風光明媚な段々畑があるが、ほとんどの農家は酪農で生活している。

水資源の確保が難しく、田舎には川や溜池があるが、都市部になると海水を真水に変えて使用している。蒸し風呂が主流。

賑やかな場所も崖に張り付くような形で家が建っており、上に増築を重ねているので迷路のような状態。2階にいたはずなのに別の建物の4階にいる、なんてこともよくある。

山について

カヌル火山群以外にも1000mを超える山がある……というか全体的に海抜が高い。
ちなみに、海底火山も実は周囲の海に結構ある。地震が起きたら震源地は大体その辺。
カヌル火山
正式名称はカヌル火山群。
最高峰のカヌル山は周囲にある他の山と一体化しているので、一般に言うカヌル火山は複合体である。

カヌル火山群に属する山はどれも2200年前を最後に大規模噴火せず、たまに少し活動して止まるを繰り返している。火口には24時間監視装置も付いている。
豊潤な雨のおかげか森林地が広がっている。多数の動植物も生息している。
かつて一部の森林は燃料のために大規模伐採にあってハゲ山にされた。その後、地元住民と国のプロジェクトが協力して植林作業を行い、ハゲ山にされた山にも徐々に山の自然が戻ってきている。だが、土砂崩れもよく起きる地域になってしまっている。

南東側は比較的なだらかで、北西側は険しい。
カヌル山
カヌル火山群の一つ。カンテ国内最高峰。3010m。頂上のカルデラ内部と周辺、北側に万年雪がちょっとある。
成層火山。溶岩の粘り気は成層火山にしては高い方。
頂上付近は土が痩せているが、この環境を好むカンテ固有の希少な植物であるヒノクサが生えている。一般の周知は薄いが、登山家たちや植物マニアの間では常識の植物である。
頂上付近など雪のある範囲は国立自然保護区に指定されている。
遠い昔、氷河に削られた影響で断崖が多く切り立った崖が多い。カヌル山に限らず、カヌル火山群は断崖が多い。
テナ山
カヌル火山群の一つ。カンテ国第二の標高。2800m。カルデラはない。
頂上には万年雪がある。カヌル火山群の北西に位置し、ケンズに面する。
山腹には湯治場として名高い「テナの秘湯」があり、ヘレナがよくお世話になった。
綺麗な湧水があることも有名で、ケンズでは「カヌルの雫」と銘打った天然水が土産物になっている。
アポリフ山&エルプリフ山
カヌル火山群の一つ。カンテ国内第三の標高。2650m。カルデラも万年雪もある。
カヌル火山群の北東側に位置し、ミクリカに近い。
アポリフとエルプリフの火口が隣り合っている事から別名を「双子山」と言う。
エヌウェ山
かつてハゲ山にされた小さい山。植林が進むが、土砂崩れもよく起きる。


都市


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ソナルト

首都。
様々な政府機関が集まる。テレビ・出版・新聞等のマスコミ関係も多い。
東の崖には崖に張り付くような形で民家が立ち並ぶ。地下に議事堂がある。
  • 軍警病院
    • 軍警とつくが民間の病院。昔、警察職員とその家族の為の病院だった名残でこの名前である。

スラナ

首都と主要道路をつなぐ町。
第二の首都とも言われる。首都より人口が多い。
スラナ事変の中心地。
  • 国立カンテ大学 メインキャンパス

キキト

主要道路と東の都市アスをつなぐ町。
地下に国内最大手企業の工場がある。

アス

東の都市。
貿易の要になる港がある。様々な企業の支店ビルが立ち並ぶ。
国内最大の海水変換施設がある。発電所もある。

ミクリカ

北の都市。最初のテロの地。
中央通り沿いはオシャレな店が立ち並び、Cherry×Sherry(ケーキ屋)もあった。剣道教室の開催されていた公民館はもう少し奥にある。
北の海は観光地。
子供たちは外に遊びに行く年齢になると「薄暗くなったら北の海に子供だけで行ってはいけない」とキツく教えられる。毎年言いつけを守らなかった子供や大人でさえも行方不明になっている。岸壁街の輩に連れ去られているはずだが、足取りは掴めない。
北の崖には岸壁街と呼ばれるバラックがあり、支え合うように建っている。機械人形の暴走によりほぼ全てが瓦礫と化した。
  • ミクリカ中央通り
Cherry×Sherryなど洒落たお店の多い通り。近くにミクリカ噴水広場がある。
  • ミクリカ墳水広場
兎頭国風(中華風)の滝型噴水がある。立て看板には噴水の言われが書かれている。パラソル付きテーブルセットが設置されており、誰でも自由に使える。キッチンカーもよく出店している。
岸壁街
北の崖にあるスラム街。
何十年か前が最盛期だった崖に張り付くように建つ廃墟ホテルを基盤にして、住み着いた訳ありな人がさらに増築を重ねた完全な違法建築物。並ぶバラックも、子供が無造作に積み上げた積み木の様に支え合って立っている。
詳細は岸壁街

ラシアス

西の都市ランツに向かう中継地。
イコナ、レイレントを主要道路につなぐ町。
昔から宿場町として栄えており、都市としての景観が美しいことで有名。
若者からは流行の最先端の街として人気がある。
  • ラシアス高校
    • 高台にある高校。

イコナ

最南端の町。
日当たりが良く、住民のほとんどが酪農で生活している。
最近は後継者不足に悩んでいるようで、地元を出て行った子の代わりに機械人形を導入する家も増えている。

ランツ

西の漁村。
頑丈な機械人形も潮風で腐食しやすいので、高性能AIより同じ作業を続けられるレトロなロボットが好まれている。内乱期に壊れたままの城が残されている。
  • ランツ城跡
    • ランツに残る城跡。内乱期の戦闘で壊れたままの状態で保存されている。ランツ城郭祭の中心地。

レイレント

西側の半島のような町。
薬の原料になる植物が栽培されている。
海に沈む夕焼けが写真映えするという話が広まり、最近は観光客も増えている様子。
最古の文献となる西暦前2世紀に書かれたとされる古代文字と絵が残る洞窟がある。
  • レイレントの洞窟
2200年前に先祖がやってきたと読み取れる壁画が残されている。

ケンズ

西の農村。
2回目のテロで壊滅する。段々畑の美しさが観光資源になっていた。
カンテ国内の数少ない水源があり、湧き水は名水として「カヌルの雫」の名で売られている。
  • ナセギ地区
アキの診療所や自宅のあった地区。

産業

工業

国内の地下には機械人形だけでなく様々な工場がある。磁鉄鉱など材料を輸入し、機械製品を輸出して、その利益で国民の食料を海外から買っている。カンテ国産の機械製品は海外でも定評があり、「失敗したくない部品はカンテ国の企業に依頼しろ」と言われている。
機械人形
15年前から機械人形ブームが起こり、各家庭に必ず一体はいる。機械人形達はカンテ国内の全てのルートを記憶・検索できるのでナビにもなる。
機械人形はほぼ全ての部品が国内産。カンテ国の技術の結晶とも言える。

20年前に売り出された初期は介護や運送業などが機械人形の主な使い道だったが、人手の足りない飲食業界や小売業にも次第に普及していった。医療・建設業・セキュリティ面では中々開発が進まなかった為、比較的新規の参入になる。
人柄は暖かいがさっぱりしている。20世紀に多国籍な国になってから、困っている人は助けるが深入りはしない方がお互いの為になるという認識が広まった。

1世帯4人と考えた場合、カンテ国内の機械人形は50万台ほど。
汚染されなかった機械人形は全体の1%なので、約5000台が難を逃れている。
義肢
機械人形のノウハウを利用して、綺麗な義肢が作られている。
生身の腕と全く同じには動かないが、日常生活に支障がないほどのクオリティになっている。足の義肢も同じく。ただし、毎日の充電が欠かせない。
見た目だけの義肢やスポーツ用の義肢は別に生産されている。
詳細はカンテの義肢装具へ。
液体金属
開発途上。一部は実用化有り。
汚染水の濾過技術、機械人形の柔らかい電子回路、ゴムと組み合わせて人工筋肉、柔らかディスプレイなどに使用されているが、液体金属単体で使用されることはない。

農林水産業

農業
林業
水産業

観光業

主な観光地
  • ミクリカ中央通り
Cherry×Sherryなど洒落たお店の多い通り。近くにミクリカ噴水広場がある。
  • ミクリカ墳水広場
兎頭国風(中華風)の滝型噴水がある。立て看板には噴水の言われが書かれている。パラソル付きテーブルセットが設置されており、誰でも自由に使える。キッチンカーもよく出店している。
  • レイレントの洞窟
2200年前に先祖がやってきたと読み取れる壁画が残されている。