薄明のカンテ - カンテの食糧事情



主食

挽麦(クァ・バツ)
麦を押し潰したり挽いたもの。オートミールぽいもの。
主食扱いだが、使い方によってクッキーやケーキにもできる。
揚麦(ユィ・バツ)
挽麦に甘味と植物油を絡めて焼いたもの。グラノーラぽいもの。
朝食にしている人が多く、牛乳をかけて食べる事が好まれる。ドライフルーツと混ぜたりチーズを混ぜるなど家によってオリジナルの調合がある。
炒麦(エル・バツ)
生麦を具材と炒めて炊いたもの。ピラフぽいもの。
調理に時間がかかる。早めに作っておいておにぎりにして保存する人もいる。
汁麦(ジュ・バツ)
挽麦に牛乳やトマトジュースなどを加えて煮たもの。リゾットぽいもの。
冷凍炊麦に水とケチャップを入れると手軽に作れる。
粥麦(ウィミ・バツ)
どろどろのお粥。ポリッジぽいもの。
魚のほぐし身や卵を混ぜる事が多い。水の代わりに牛乳で作ってもいい。
よく病人食で登場する。

蕎麦(デバツ)

汁蕎麦(ジュ・デバツ)
蕎麦は粒のまま粥にする調理法が主流。
古くは麦が手に入らない貧乏人の食べ物とされていたが、近年は栄養価の高さから健康志向の人達にも人気が出てきている。
炒蕎麦(エル・デバツ)
こちらの世界でいうカーシャ・ス・ミャーサ(肉入りカーシャ)のこと。
ブリーニ
甘くない蕎麦粉のパンケーキみたいなもの。
サワークリームなどを乗せたり、ジャムで食べたりする。

汁物

漁師スープ(海スープ)
材料:酒、塩、レモン汁、水、海藻、魚、貝(具材はその場にあるもの)
元は漁師が卸せないけど食べるには問題ない魚とか貝を入れて食べていたもの。軽く作れるので家庭料理の代表になっている。具材を変えれば無限にバリエーションが増やせる。
フリーズドライのインスタントスープもあれば、海スープの素も販売されている。
白スープ
材料:塩キャベツ、玉ねぎ、ベーコン、牛乳、バター、塩、胡椒、ハーブ
塩漬けキャベツを使用するおかずミルクスープ。これと炊麦エル・バツがあれば一食になる。汁麦に応用する時もある。
忙しい人向けのインスタント食品や白スープの調味料が調合された「白スープの素」も販売されている。
  • ロッシ家の白スープ
蜂蜜を入れる。カレンも好きだった。
赤スープ
材料:トマト缶、水、魚醤、オリーブオイル、砂糖、にんにく、ベーコン、赤豆、じゃがいも
トマトと赤豆を使うので見た目が赤い。チーズはお好みで入れる。トマト缶が面倒ならケチャップでもいい。
白スープと同じく、インスタント赤スープの素も販売されている。
サオトメ家のスープ
材料:魚醤、メープルシロップ、酒、塩、胡椒、水、じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、季節のきのこ
和風お吸い物もどき。魚醤ベースの洋風スープ。ずっと「うちのスープ」と呼んでいたせいで名無し料理。先祖がこの国に流れ着いた時に、故郷の味を再現したくて頑張った結果の伝統あるスープ。

おかず

海産物

四方を海に囲まれた島国らしく、海産物はどの家庭でも普通に食べられている。岸壁街でもポピュラー。
スーパーの鮮魚コーナーでは常時20種類以上の魚が並ぶ。岸壁街でも安全な食べ物と認識されている。
魚卵は珍味。季節物の為、塩漬けで肴にする人が多い。お酒がなくても美味しい。
貝は沿岸部で特に人気が高く、複数種の貝を入れた貝鍋がよく食べられている。
イカやタコも食べられるが、あまり人気ではない。東国の血筋の人は好んで食べる。
海藻は体の耐性があるかどうかに左右されている。
魚の魚醤蒸し
材料:魚(コッテリ系)、魚醤、レモン汁
カンテ国で蒸す魚料理といえばこれ。
オイル漬け魚
材料:魚(塩漬け)、オリーブオイル、ナッツオイル、玉ねぎ、にんじん、ハーブ数種
焼いて食べる。作り手によって味が変わる。
  • ラプラス家のオイル漬け魚
ユウヤミにとってはお袋の味。自分でもオイルの割合とハーブの配合にこだわりがあるらしく、秘蔵の漬け魚を作っている。
魚つくね焼き
材料:じゃがいも、魚、玉ねぎ、塩、胡椒
じゃがいもと魚のハンバーグみたいな感じ。子供からお年寄りまで人気。レトルトもある。
牛乳焼き
材料:魚(あっさり系)、じゃがいも、玉ねぎ、牛乳、バター、小麦粉、塩、胡椒
要はほぐした魚のグラタン。元はあまりものの寄せ集めだと言われる。チーズはお好みで。
冷凍食品の定番。
魚とじゃがいものクリーム煮
材料:魚、じゃがいも、玉ねぎ、薄力粉、牛乳、魚醤、塩、胡椒、バター
魚ではなく肉でもいい。ほっこり温まる。
タラの塩漬け
タラの塩漬け。塩抜きの時間はお好みに合わせて数時間から数日かける。良い感じに塩抜きしたら、茹でてハーブを添えて食べる。
ニシンの酢漬け
小骨が多いので、やや下処理に手間かかるのが難点。瓶詰がスーパーで売っている(要冷蔵)。前菜やおつまみに。
タラ干し
フィッシュジャーキー。バターを塗って食べる。おやつやおつまみにも良し。
海藻サラダ
海藻サラダ。近海で採れる海藻をごちゃごちゃに混ぜたものに酢などをかけて食べる。好き嫌い分かれがち。

肉類・卵類

ひき肉の卵包み
材料:卵、じゃがいも、ひき肉、砂糖、塩
カンテ式オムレツ。子供に人気。いわゆる不思議なオムライス系で、外側の卵にじゃがいもとひき肉の炒め物が食い込んでいる。
蒸し鶏
材料:鶏肉、塩、水、砂糖
常備菜にもなる。これがあれば色々応用が効く。
鶏の蜂蜜焼き
材料:鶏肉、蜂蜜、魚醤、酒
あらかじめ漬け込んでおくと美味しくなる。照り焼きみたいな感じ。
カンテ風シチュー
材料:魚醤、砂糖、酒、水、じゃがいも、肉、にんじん、玉ねぎ
カンテ式肉じゃが。余った汁を汁麦に使うと美味しい。牛乳を入れてもいいし、家によって具材も変わる。にんじんの代わりにカブでもいい。
スタッフド・ピーマン
材料:ピーマン、肉(牛、豚、羊……お好みで)、玉ねぎ、にんじん、蕎麦の実
カンテ式ピーマンの肉詰め。サワークリームをつけて食べたり、トマトベースで煮込んだり。こちらの世界でいう日本風以外にも色んな食べ方、具材がある。

野菜類

タエサラダ
材料:じゃがいも、キャベツ、牛乳、バター、塩、胡椒
カンテ式ポテトサラダ。マッシュしたポテトに色々具材を入れて混ぜたサラダ。加工肉を混ぜても美味しい。キャベツ以外の青物やゆで卵を砕いて混ぜてもいい。酢&植物油を牛乳&バターの代わりに入れてもいい。基準はガバガバ。
タエフィアが考案したからこの名前になった説とタエフィアの好きそうなものを料理人が適当に入れて考案した説の2つの説が囁かれている。
塩キャベツ
キャベツの漬物。そのままでも食べるが、料理の材料にもする。
揚げじゃが(フライドポテト表記可)
材料:じゃがいも、植物油、コーンスターチ、塩、胡椒、ハーブ
フライドポテトっぽいもの。実は揚げてない。細く切ったじゃがいもにコーンスターチをまぶし、フライパンに浅く張った油で揚げ焼きする。揚がったら塩やハーブをまぶす。ケチャップやマヨネーズにディップするかはお好みで。
チムチェチーズ
野菜を辛く漬けたチムチェ(キムチ)とチーズを焼いたもの。ここに餅や挽麦も追加してボリュームを上げると立派な主食になる。おつまみにも良し。

茸類

茸とサワークリームのグラタン
ロシア料理「ジュリエン」のこと。茸はポルチーニ茸かマッシュルーム。


調味料

  • ケチャップ
  • マヨネーズ
  • 砂糖
  • メープルシロップ
  • はちみつ
  • 魚醤
などなど。


飲み物

水資源の確保が難しく、沿岸部では海水を真水に変えて生活用水にしているが、飲料水にはあまり向かない。ミネラルウォーターの方がおいしい。
ケンズでは湧水を「カヌルの雫」と銘打って販売していた。

珈琲

缶コーヒーもある。
ダンドリオンコーヒー
たんぽぽから作られた飲み物。コーヒーとは言うが、焙じ茶とコーヒーの間くらいの苦味のお茶に近い味。ノンカフェインなので妊婦や子供も飲める。

紅茶

缶のお茶もある。

ジュース

オレンジ、ぶどう、りんごなど。国内産より海外から輸入したものの方が安価で馴染み深い。
グロギ
後述するカクテル、グロッグの子供用。葡萄ジュースをベースにして蜂蜜やメープルシロップ、スパイス等を混ぜたもの。もちろんアルコールは一切入っていない。
黒糖牛乳
牛乳に練乳と黒糖を混ぜた激甘な飲み物。上にホイップクリームを乗せて、バニラエッセンスで香り付けをして飲む。温かい方が主流。
サフト
濃縮果汁。水で割ったりお酒で割ったり。
エルダーフラワーのサフトは「庶民の薬箱」と呼ばれる。

酒類

ビール
主に大麦を発芽させた麦芽を、ビール酵母によりアルコール発酵させて作る製法が一般的。度数は5度程。
ヴォートカ
カンテ国版ウォッカ。蒸留酒で度数は40度程。
カルウア
コーヒー・リキュールの一種。
グロッグ
広義には温めた酒の事。つまり熱燗。
狭義には温めた酒に蜂蜜やスパイスや果汁を加えたもの。
主に冬に好まれるが、気温が低いところでは一年中ある。

菓子類

プリン
普通のプリンの他にも牛乳プリンなどバリエーションは様々。
チョコレート
2月14日「愛の日」には特に良く売れるお菓子。
挽麦クァ・バツクッキー
挽麦クァ・バツを使ったクッキーぽいもの。家庭のお菓子。
ミントチョコレート
チョコレートにミントフレーバーを加えた物。
チョコレート、飴、クッキー等、様々なものに使われている味。
好き嫌いが激しく分かれる味だが、好きな人はとことん好き。
よもぎクッキー
草餅の方がポピュラーだが、こんな食べ方も出来る。クッキー生地によもぎと小豆を加えて焼く。
レモンの蜂蜜漬け
名前の通りレモンを蜂蜜に漬けただけのもの。風邪を引いた時にはドリンクにしても良いしそのまま摘んでも良い。簡単に作れるのに用途は色々。

食料自給率

国産の麦を食べられる人はそれなりの所得のある人。
ほとんどの人は輸入品の比較的安価な麦を食べている。
蕎麦と海産物と乳製品は95%カンテ国産だが、それ以外の食料自給率は余りよろしくない。