薄明のカンテ - カヌル火山の山神信仰
カヌル教(または、山神教、火山教)は、カヌル火山に集落を構える地域共同体に機能する民間信仰・土着信仰である。
教典や具体的な教えはなく、開祖もいない。
カヌル火山を御神体とし、女神を信仰する拝一神教。

歴史

信仰の歴史は古いとされているが、集落コタンでは他集落との交流が行われるまで長らく無文字文化であり、口伝伝承であるため正式な成立年代は特定されていない。
カヌル火山の噴火を鎮めるために発生したと言われているが、資料や遺構は発見されておらず、噴火以前より人が住んでいたという痕跡も発見されていないため、後世の創作ではないかと懐疑的な学者も多い。
また、集落コタンが非常に閉鎖的であり他コミュニティとの交流も無かったことなどからも、外部の視点から歴史を紐解くことも難しい歴史的には謎の多い信仰である。
集落コタンには山神を信仰する者しかいなかったが、現在では他所からの移民も認めているため、他宗教、無宗教者も存在する。

概説

宗教法人として認可された教団が皆無なため、国の定義に即していうならば「宗教」ではなく「信仰」である。
集落コタンでは「祭司」と呼ばれる者が、信仰において必要な儀式や公私の争い事の調停をしたりと、重要な役割を果たしている。
偶像は作らず、神殿等も存在せず、カヌル火山頂上を神域として祈りを捧げる。
1年に1度、最も昼の時間が長い日に祭司と狩猟で生計をたてる者は登拝し、祭司が手織りの麻を捧げ、日頃の恵みの感謝の祈りを捧げる儀式が存在する。尚、火口の底は禁足地とされている。

女神

カヌル火山の化身である神。名前は存在するが、祭司にのみ口伝伝承され、一般的には「山神様」と呼称される。
火山、炎、狩猟を司り、温厚で恵み深い存在。
絵姿では長く波打つ赤い髪、赤い目の美しい女性の姿で描かれる。→参考
そのため、集落コタンでは赤毛が「山神の寵児」として歓迎される傾向がある。
クネニの実が好物とされ、集落コタンの者は「山神の食べ物」と名付け、あまり食さない。クネニは熟した実以外が有毒であり、食べた者が中毒症状で死亡することもあるためである。

集落について

コタン、と読む。元々は「集落」という意味で住所では無いのだが現在では住所扱いになっている。
昔から住んでいた人間は総じて身長が小さく、平均身長150cm。
前述の通り、よそでは嫌われがちな赤毛が歓迎されるので赤毛の人の移住が多い。

創作上の話

アイヌ、サーミ、東北の言語や文化の都合のいいところをお借りして作ってます。
違和感や矛盾があったとしても、よっぽどのことでなければスルーしていただけると幸いです。
創作上、必要になれば細かい設定を作りますが「山の中の田舎村」くらいに考えてもらえれば特段必要がないと思われるので設定は必要以上に練りません。

使用言語

コタン集落アイヌ語
シカリチュプ満月アイヌ語
ジンジョコ肩車岩手県の北部沿岸地域、青森県の東部の方言
トノト稗酒アイヌ語
マタタムブマタタビアイヌ語