薄明のカンテ - アキとユウヤミの書き分け練習
涼風「タイトル通り、書き分けのコツが知りたいので召喚しました」
ユウヤミ「涼風?ロッシ先生と私のどこが似てるって言うんだい?」
アキヒロ「そうですねぇ、前線駆除班の小隊長さんの真似事は僕にはできないですよぉ」
涼風「あれ?書き分け以前に全然違う……おかしいな、さっきは錯覚起きたのに」
アキヒロ「不思議ですねぇ」
涼風「ユウヤミ。お前、今あんまり猫かぶってないだろ」
ユウヤミ「妙な事を言うねぇ、涼風?」
涼風「一緒に置くと違いがわかる。全然違う。なのに別のところで別の人と絡むと似たセリフが出てくる。謎い!!と言うわけでだ。とりあえずボクを挟まずに2人で話してくれ。」
アキヒロ「いきなり話、ですか……そう言っても、ですよねぇ」
(顔を見合わせるアキとユウヤミ)
ユウヤミ「ロッシ先生」
アキヒロ「なんでしょう?」
ユウヤミ「いつも、医療班として前線に立って下さってありがとうございます。先生のような方がいて下さると前線駆除班としてもとても心強いです」
(ユウヤミの完璧な計算されたスマイル0イリ)
アキヒロ「何の何の。リーシェルさんのように駆除はできないので、僕は僕にできる事をやらせて貰っているだけですよ。」
(アキヒロのはにかむような素朴な笑顔)
ユウヤミ「ご謙遜を。人命を守る上での要になる方でしょう?いくら前線駆除班が汚染人形を止めても、人命を守れなければ意味がありませんから。」
アキヒロ「いえいえ。被害が少なく済むように考えて動く前線駆除班の方こそ凄いと思いますよ。特にリーシェルさんの第6小隊は負傷者が少ないのでとても嬉しいですよぉ」
ユウヤミ「ありがとうございます、ロッシ先生。そう言って下さると前線駆除班の小隊長を務めさせて貰っている身として報われます」
(春の陽光のように微笑むアキヒロ)
(計算しすぎて微笑んでるのに目が笑ってないユウヤミ)
ユウヤミ「ところで、ロッシ先生のご出身はどちらなんです?」
アキヒロ「出身ですか?レイレントですよ。リーシェルさんは?」
ユウヤミ「アスです。レイレントといえば薬の元になる植物の栽培が盛んな町ですよね」
アキヒロ「えぇ。よくご存知ですねぇ。兄が薬剤師を目指したのも、すぐ近くで薬の原料になる植物を見ていたからなんですよぉ」
ユウヤミ「ほぅ。お兄様も医療関係の方なんですね。兄弟揃って命に向き合うお仕事をされているんですねぇ……とても素敵な事ですよ」
アキヒロ「ありがとうございます。レイレントには一般に公開されている薬草園があって、小学校のイベントで見学に行くんです。解説のガイドさんが面白い方で、その話を聞いて薬に関わる仕事を目指す子も割と多いんですよ」
ユウヤミ「なるほど。小さい頃の経験は人生でも大きく影響しますよね」
アキヒロ「そうですよねぇ。それで……」
涼風「ちょ、ストップー!」
ユウヤミ「うん?」
アキヒロ「どうしました?」
涼風「ただの世間話じゃん。無いの?他にもっと!!パラグラフ14だよ!?本編に全く影響でない空間だよ!?なんか無いの!?」
ユウヤミ「涼風、テーマなしで丸投げしておきながらよく言うねぇ?」
アキヒロ「涼風さんが何が欲しいのかよくわからなくて……期待に添えずすみませんねぇ」
涼風「あーもう!絵面ばっかりいい!!けど肝心の書き分けのコツがよぅわからん!」
ユウヤミ「キャラクターに聞いている時点で、作者としてどうかと思うのだけれど?」
(相変わらずいつものなんとも言いにくい微笑みを貼り付けて言うユウヤミ)
アキヒロ「仮にも作者ですよ〜?あまり強く言わない方がいいんじゃないかなと思いますけど。そうだなぁ、台詞だけで書き分けるより、描写で変化をつけるのはどうですか?」
(ちょっと真剣な表情になって答えるアキヒロ)
涼風「今回に関してはアキさんの方が断然いい事言った」
ユウヤミ「ふぅ……作者が書き分けに悩んでいるなら、もう打つ手無しって事だろう?下手な慰めよりも現実を知った方がいいと思うのだけれどねぇ?」
(小首をクイっと傾げてみせるユウヤミ)
涼風「妙に可愛いフリするところ腹立つな。少なくとも今一つわかったわ。口答え煩い方がユウヤミだな」
ユウヤミ「ふふっ、褒めてくれるなんて光栄だねぇ」
アキヒロ「今の褒めてましたかねぇ……?」
(話の流れに当惑するアキヒロ)
涼風「あーあ、知らん。もう知らない。だから、最後にこれだけ聞かせてくれ。お二人さん、2月14日の愛の日の予定は?」
アキヒロ「いつも通りに仕事の日ですよぉ。医療班の部屋にお菓子の差し入れはする予定です」
涼風「そっかー、仕事かー。お疲れ様ー。ユウヤミは?」
ユウヤミ「普段、近くにいてお世話になってる人には何か考えてるよ。でも、当日はちょっと野暮用でいないかもしれないねぇ」
涼風「え、いないの!?どこに!?誰と野暮用??」
ユウヤミ「それこそ聞くのは野暮って返したいところなのだけれど……ちょっと昔馴染みのところに顔を出す必要があってね」
涼風「マジ!?何、第6メンバーとヴォイド姐放置してどこに逃げるってんだい!?」
アキヒロ「今、涼風さんから医療班メンバーの名前が出ましたねぇ。仕事の邪魔をするようでしたら人事部に相談するの、考えますよ?」
ユウヤミ「嫌だなぁ、当日私はいないって話なのに何を勘繰ってるんだい?君たちは?」
涼風「何もないのね?」
アキヒロ「何もないんですよねぇ?」
ユウヤミ「他班の仕事の邪魔はしないって私は決めているのだよ?そんな事しないよ?」
涼風「それならいいけど……いないのか、当日……」
アキヒロ「意外ですねぇ」



尚、ユウヤミの出身がアスというのは出まかせらしい。うーん、まだ出身地は教えてくれないなぁ……まぁ、下手に公開すると事件現場ももれなくついてくるから責任重大ってか?