薄明のカンテ - うぉーあいにー/燐花
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ヴ「うぉーあいにー」
ユ「え?どうしたんだい?ホロウ君」
ヴ「うぉーあいにー」
ユ「…それは私に言ってるのかな?」
ヴ「少し前、ユウヤミの事が気になるって奇特な子がいた」
ユ「辛辣ぅ」
ヴ「その子の気持ちがあまりに分からなかったから試しに顔を見てうおーあいに一って言ってみたけど、やっぱり何にも分からなかった」
ユ「うん、うん」
ヴ「ユウヤミはどんな気持ち?」
ユ「私はさっきからずっと泣きたい気持ちだけど」
ヴ「え」
ユ「え?ホロウ君?」
ヴ「…何の話ししてたっけ」
ユ「切り替え早くないかい?その切り替えの早さは称賛に値するけど、私はもう少しさっきまでの話を続けたかったねえ」
ヴ「何で」
ユ「おもしろいから」
ヴ「尚更思い出したくなくなった」
ユ「良いけどホロウ君、若年性の健忘とかじゃないよねぇ…少し心配なんだけれど。 本当少しだけ」
ヴ「昨日の晩御飯はペペチ。 一昨日の晩御飯はカルボ」
ユ「パスタまみれ」
ヴ「飲み物にはプロテインを少々」
ユ「何だい?その偏った栄養は」
ヴ「おやつにアサイーボウルを少々、 ユーグレナパウダーとチアシードを添えて」
ユ「急にお酒落女子の健康食。急激に栄養面気にし出したねぇ」
ヴ「景気付けにドリアン」
ユ「何方面のアプローチ?ドリアン好んで食べる人初めて見たなぁ。ん?何か臭う…」
ヴ「実はさっき食べた」
ユ「ドリアンの口でうおーあいに一言いに来たの?泣いて良い?」
ヴ「甘い言葉は砂を吐くってよく言うから。 でも砂吐きなんて甘いし、奇をてらってドリアンにしようって」
ユ「奇をてらいすぎだよ良い加減にしなさい」
お後がよろしいようで


ユウヤミとヴォイドは似てる様なそうでないような、そんな二人だなとは思っている。 だが、誰が思おうか。そんな二人がまるでコントのようなやり取りをしだすなどと。
「何かあ〜…仲良いのか距離あるのか分かんないよね〜 ...ユウヤミとヴォイドって…」
「結構不思議な二人だけど、たまにああ言うやり取り見る分には面白いけどね?」
「ユーシンって呑気〜…」
言いながらテディは口を尖らせる。何となく、 あんなにコントのごとくぽんぽんとやり取りが出来る相手と言うのはそうそう見付からない筈だと思うと羨ましくもあるのだ。
「日常会話が漫才みたいになるなんて大○人くらいだよ〜」
「え?ボク初めて聞きました。 違う国ですか?」
「ん~?もしかしたらユウヤミとヴォイドが外国人かもって話〜」
「カンテ国民ではないんですか?」
心配そうな顔でシュオニが覗いてくる。 テディの悪戯心が少しだけざわざわし、それを察知したユーシンは眉間に皺を寄せた。
「あのねシュオニ、伝説ではね、日常会話すらたちまち漫才にしてしまう笑いの国があって、そこの住人はもれなく生活の質をコントと漫才で測ってるの。 ○阪人って言うんだけど」
「そ、そんな凄い人達が!?」
「テディ、ぼくの目の前でシュオニに嘘吹き込まない!」

平和である。


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